金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

偏り過ぎた流れの象徴、パーフェクトオーダーの巻き戻しへ

更新日:2014年9月24日(水)

移動平均線と相場価格のラインとの関係が、上から順に価格ライン、短期・中期・長期の移動平均線が昇順に並ぶ状態となるパーフェクトオーダー。逆に上から長期・中期・短期の移動平均線が降順に並び、その下に価格ラインが位置する、下方向へのパーフェクトオーダーとなるケースもあります。前者は強い上昇トレンドを示し、後者は強い下落トレンドを示すことになりますが、通常、90日移動平均線までの並びでこの状態が発生する場合には、既にトレンドの末期状態となることも多く、パーフェクトオーダー完成後、すぐに逆方向へと流れが反転し、パーフェクトオーダーの状態は長くは続かないことが多くなります。偏り過ぎた流れは決して長くは続かないからです。

9日・21日・90日移動平均線との関係で見ると、NY金相場は9月5日時点で21日移動平均線が90日移動平均線を下抜けて降順のパーフェクトオーダーを完成、以降、現在まで3週間近くこの状態が続き、一番上の90日移動平均線もゆるやかに下落傾向となり3本の移動平均線全てが下向き。下落トレンドの強さを示します。ただし、これに200日移動平均(1,284.4)を加えると、わずかに90日移動平均を下回り、かろうじてパーフェクトオーダー未完成。足元での相場価格も9日移動平均線まで7.1ドルと接近中。

NYプラチナ相場の場合は9月2日の時点で下向きのパーフェクトオーダーを完成し、3週間以上継続中。下落トレンドの強さは金相場を超えています。しかし、200日移動平均(1,434.2)は90日移動平均の15ドルほど下に位置し、長期的に見た場合には金よりも軟調ではない可能性を示します。

ドル円の上方向へのパーフェクトオーダー完成は8月13日。当時のレートは102円41銭。結果的には、これがトレンドの終わりどころか、始まりを示唆していたことになり、1カ月と1週間以上もこの状態が継続中。さらに先週末には90日移動平均線が上向きの200日移動平均線(102.91)をゴールデンクロスし、200日移動平均線までのパーフェクトオーダーも完成。異常に強い上昇トレンドの収束には、108.06円の9日移動平均線まで下落するよりも、108円台での小康状態がもうしばらく続くことで、急上昇する9日移動平均線が近日中に追いついてくるのを待つほうが得策かもしれません。
いずれにしても、偏り過ぎた流れがそろそろクライマックスを迎えようとしている可能性は、日々高まります。

NY金・日足チャート 2014/8/26 - 9/2323日のNY金相場は0.34%上昇し小幅続伸。日本時間夕刻、イスラエル軍によるシリア軍機撃墜報道受けて一時1,237ドルまで急騰。しかし、これも長くは続かずNY時間には元の水準へ。米軍によるシリア領内でのイスラム国への空爆も開始され、複雑な中東事情をめぐる地政学リスクへの警戒度もやや高まる状況に。金の下押しリスクは若干弱まった程度か。1,200ドル前後まで再度下落するリスクも継続。

NYプラチナ・日足チャート 2014/8/26 - 9/23プラチナ相場は0.19%の小幅高となり、5営業日ぶりの反発。金に追随する流れでようやくいったん下げ止まった形も、反発度合いもかなり限定的。軟調地合い継続で1,310ドル近辺が当面の下値警戒水準。

ドル円・日足チャート 2014/8/27 - 9/23ドル円は0.04%の小幅反発。地政学リスクの高まりを受けての調整局面が進み、サポートライン化しつつあった108円60銭台を割れると108円20銭台まで急落。この近辺で揉み合い後は109円手前まで反発。今度は109円ちょうどの大台ラインがレジスタンスラインとしての存在感を高める様子もあり、ここを抜けると110円台超えへと向かう可能性も。下方向には108円台まで上昇してきた9日移動平均線付近が直近のサポート水準に、これを抜けると次のサポートライン107円付近まで調整幅を拡大しやすい状況か。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/23終値とチャート

24日の国内金価格は0.11%の小反発。ゆるやかな下落トレンドにも減速感がよりいっそう高まり、4,500円台後半での揉み合い傾向を強める状況。90日移動平均線の上、21日移動平均線の下に位置し、やや下落傾向の9日移動平均線ともつれ合う状態が現状を示し、どちらかと言えば下方向へのバイアスがやや強め。4,500円近辺までの下落リスクも残る状況。

プラチナは0.36%の続落。5月安値の4,986円を下抜けて4月25日以来5カ月ぶりの安値水準となり、目標水準4,990円台に完全に到達。90日以下の移動平均線との関係は上から降順に並ぶパーフェクトオーダーの状態が2週間継続中で、その間隔が狭まるどころか広がりつつある状態。サポート水準としては4月安値水準4,940円台辺りが意識されることに。
※参考:金プラチナ国内価格9/24とチャート

2014年9月24日(水)時点の相場
国内金4,572 円 9/24(水) ▲5(0.11%)
国内プラチナ4,981 円 9/24(水) ▼18(0.36%)
NY金1,222.0 ドル 9/23(火) ▲4.1(0.34%)
NYプラチナ1,332.7 ドル 9/23(火) ▲2.5(0.19%)
ドル円108.88 円 9/23(火) ▲0.05(0.04%)

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