金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

耐久財受注も低迷状態で米景気減速傾向を示す状況に

更新日:2015年10月28日(水)

耐久財受注-コア受注の推移2015年9月米9月の耐久財受注は前月比-1.2%となり、8月の-2.0%は-3.0%へと下方修正され、2カ月連続の減少となりました。振れの大きい輸送用機器を除く数値でも9月は-0.4%と予想を下回り、8月分も-0.9%へと下方修正されて2カ月連続減少。また、コア受注と呼ばれる非国防資本財から航空機を除いた数値でも9月は-0.3%、8月も-1.6%へと下方修正で2カ月連続減少。

コア受注の推移を見ると、2014年前半にピークをつけて低迷期に入っている状態です。2015年には9カ月のうち6カ月が前月比マイナス圏となり、6カ月移動平均では2014年12月から2015年7月まで8カ月連続マイナス圏となり、2009年のリセッション期以来、最長の低迷期を形成しています。8月時点で6カ月平均は+0.3%となって9カ月ぶりのプラス圏を回復しましたが、8-9月の低調ぶりにより再び9月には0%へと反落。上値の重い状況は続きます。

製造業の景況感悪化が鮮明となっている状況下では、耐久財受注の低迷も整合性が取れる状況と言えます。
小売売上高でも自動車を除く数値では8-9月は前月比マイナス圏となり、鉱工業生産でも8-9月は前月比マイナス、設備稼働率も2カ月連続低下傾向となっていました。
7-9月期GDPの足を引っ張る材料が続出している状況となり、アトランタ連銀のGDPNowの予想値は0.8%へと低下しています。

また、10月分の指標では昨日発表のマークイットのサービス業PMIが54.4となり、製造業と比較すれば悪くはないものの、9カ月ぶりの低水準となって低迷傾向を示します。コンファレンスボードの消費者信頼感指数も予想を下回る97.6へと低下し、比較的好調だった最近の流れも頭打ちの兆しとなりそうな状況です。
第4四半期に向けても、米国経済の飛躍的な回復傾向は望めそうにもない状況のようです。

NY金・日足チャート 2015/9/28 - 10/2727日のNY金相場は前日比わずかに0.4ドル安でほぼ変わらず。米経済指標の結果に乱高下の反応も1160ドル台の範囲内と限定的、連日の小動き状態でFOMCにらみの状態が継続。FOMCで12月利上げの可能性が低いとの見方が変わらない限りは底堅く推移する予想。レジスタンスラインとなる1190ドルまでは買われやすく、突破すると1200ドル超えへ。12月利上げの可能性再拡大ならやや軟調となって1160ドル台割れへ、この場合でも下値は1130ドル付近までの範囲でサポート見込み。

NYプラチナ・日足チャート 2015/9/28 - 10/27NYプラチナ相場は0.83%安となって3日続落。金よりも株価により連動する形となって軟調推移。それでも1週間前の下値メド990ドル近辺にとどまる想定の範囲内。ほぼニュートラルな状態で迎えるFOMCでは、ハト派寄りなら株高金高に連れて上昇、1010ドルを超えると1030ドル台まで上値余地拡大。タカ派寄りなら下落、8月からの下落幅の半値戻し970ドル近辺でサポートされるかどうか。

ドル円・日足チャート 2015/9/28 - 10/27ドル円は0.52%のドル安円高で続落。東京市場で軟調推移した日経平均に連れる形で120円台半ばへと水準を切り下げると、NY市場では耐久財受注の不調に下落、ケース・シラー住宅価格指数の好結果に反発、消費者信頼感指数低下に軟調へと慌ただしく120円台前半での小幅上下動。やや低調な経済指標に上値も押さえられた形でFOMC待ち状態へ。保ち合い状態の下方ブレイクに失敗後、上方ブレイクにも失敗した形となり、121円台半ばが当面の抵抗水準に。再度上抜けできれば123円台トライへ。下方向には118円台後半がサポートライン、下抜けると最大116円割れリスクも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/27終値とチャート

28日の国内金価格は前日から変わらず。FOMC通過後に金買い傾向優勢となれば4850円のレンジ上限超えで4900円台を目指す流れへ。ドル高を上回るほど金の売り圧力が強まるようなことがあれば、4810円のレンジ下限割れで4700円台前半を目指す流れへ。

国内プラチナ価格は0.87%下げて3日続落。4140円から4200円台までのレンジ下限を割り込んでしまったことで下げ幅拡大。今朝方の若干の円安傾向がなければ4080円近辺の下値メドに到達していた可能性。FOMC後の変動幅急拡大の可能性は残り、4200円の抵抗線付近まで反発の可能性も。さらに上抜けなら4280円近辺が次の上値目安に。下落基調が強まる展開となった場合には目先の下値メド4080円でとどまない可能性も高まり、4000円台前半へも。
※参考:金プラチナ国内価格10/28とチャート

2015年10月28日(水)時点の相場
国内金4,831 円 10/28(水) +-0(0.00%)
国内プラチナ4,106 円 10/28(水) ▼36(0.87%)
NY金1,165.8 ドル 10/27(火) ▼0.4(0.03%)
NYプラチナ989.2 ドル 10/27(火) ▼8.3(0.83%)
ドル円120.45 円 10/27(火) ▼0.65(0.53%)

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