金プラチナ短期相場観
南ア中銀の通貨防衛策にもプラチナ相場の反発は限定的
更新日:2015年11月21日(土)
NYプラチナ相場は今年、1200ドル台から850ドル台まで大きく下落していますが、南アフリカの通貨、南アランドも大きく売られています。対ドル為替レートは昨年末の1ドル=11.50ランド台から14ランドまでドル高ランド安が進行しました。新興国通貨全面安の今年、主要新興国のなかではブラジルレアルの39.4%安、トルコリラの21.3%安に続き、南アランドはここまで20.5%安。
9月には過去最安値となっていた13.80ランド台をおよそ14年ぶりに更新し、いったん反発したものの11月に入ると再び最安値更新で14ランド台まで下落しました。
その推移はプラチナ相場と同じ軌道を描きます。(※南アランド相場は右・逆目盛で上方向にランド高、下方向にランド安)
世界最大のプラチナ産出国である南アランドの通貨とプラチナ相場は、しばしば同じような軌道を描き、今年ここまでの相関係数は-0.91825。非常に強い逆相関関係(逆目盛にすることで正相関)となっています。過去2年間の相関係数は-0.9404とさらにその関係は強く、最近のドル円と日経平均の90日相関係数の値に匹敵します。
しかし、足下では南アランドは大きく反発しています。一時14.40ランドまで進んだ通貨安は、13.90ランド台へと戻して来ています。19日に南アフリカ準備銀行が政策金利を6.25%へと引き上げたことが功を奏したようです。
通貨防衛策によって自国通貨安にはいったん歯止めをかけた形ですが、今のところプラチナ相場は、これには追随し切れていない様子です。
過去の推移を見ると、プラチナ相場が遅れて反発するケースもあり得そうですが、プラチナの下落基調が再開した場合には、ランドが遅れて売り込まれるケースもあるようです。
20日のNY金相場は0.15%の小幅反落。前日からの反発の流れでは1090ドル台には届かず反落、1070ドル台半ばへ。ECBの追加緩和観測に伴うユーロ売りドル買いや米株上昇などの売り圧力も。下落トレンド一服の小康状態も1080ドル台では上値が重い状態。1068ドルの安値更新の場合には1050ドル程度まで下値余地拡大見込み。
週間ベースでは-4.6ドル(0.43%)の小幅安で5週続落。
NYプラチナ相場も0.26%の小反落。870ドルに抵抗感が醸成されつつ、850ドル台ではなんとか持ち堪える状況。目先しばらくは850-70ドル近辺のレンジで保ち合い形成か。再び850ドルを割り込むような展開となった場合には、830ドル辺りが下値目安に。
週間ベースでは-7.8ドル(0.9%)で5週続落。
ドル円は前日から0ほぼ変わらずの122円80銭台。上下わずか30銭ほどの値動きも今年最小水準。ユーロ安進行に伴うドル高ユーロ安、新興国通貨などの買い戻し進行に伴う新興国通貨高ドル安など、それぞれの事情で変動するなかでドル円だけは蚊帳の外。124円を目指した流れは失速状態も下値は122円半ばでサポートされる状態。
週間では+0.24円(0.19%)の小幅反発。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場11/20終値とチャート
- 2015年11月21日(土)時点の相場
-
国内金 : 4,581 円 11/20(金) ▲12(0.26%) 国内プラチナ : 3,637 円 11/20(金) ▼13(0.36%) NY金 : 1,076.3 ドル 11/20(金) ▼1.6(0.15%) NYプラチナ : 855.9 ドル 11/20(金) ▼2.2(0.26%) ドル円 : 122.86 円 11/20(金) ▼0.01(0.01%)
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