金プラチナ短期相場観
ボディブローとなりそうなNY連銀製造業景気指数の低迷継続
更新日:2016年2月17日(水)
2月の米経済指標の先陣を切るNY連銀製造業景気指数が発表され、市場予想の-10.0程度を大きく下回る-16.64となりました。
2009年3月(-33.43)以来6年10カ月ぶりの低水準となった1月の-19.37からは上昇したものの、これに次ぐ低水準で7カ月連続のマイナス圏。6カ月平均で見ると2014年10月をピークに1年4カ月もの間低下傾向が継続。リーマンショック前半に相当する低下基調を描いています。
内訳では、新規受注が前月の-23.54から-11.64へ、出荷は-14.39から-11.56へ、雇用は-13から-0.99へとマイナス幅を縮小し、期待指数は低水準ながらも9.51から14.48へと改善傾向も見られ、底値反転の兆しとも見れなくはない状況に。
この指標結果に市場反応はごく限定的ですが、後続の各地区連銀の指標、そして全米の重要指標となるISM製造業景況指数の方向性を示唆する結果にもなりやすい、先行指標となっています。
低迷状態が続く米製造業が底入れの兆しを見せ始めるのか、さらなる低迷が待っているのか。現状では後者優勢の色合いが強く、米景気減速懸念拡大に向けて、この指標結果がボディブローのように効いてくることにもなりそうです。
16日のNY金相場は2.52%の大幅続落。祝日時間外には先週までの急騰の調整局面進行で1190ドル台前半へ。サウジとロシア、カタール、ベネズエラの原油生産量凍結合意に伴う原油相場急落、株安ドル安の流れを受けての反発局面では1210ドル台へ。結局、調整フェーズは昨年10月高値1190ドル付近がサポートラインとなった形でいったん下げ止まり。調整続行の目安としては、12月以降の上昇幅218.6ドルに対する38.2%戻し1180.4ドル付近。このラインを維持できれば中期的な堅調推移継続の可能性、下回ると50%ライン1154.6ドルが意識され、徐々に反落基調が強まる可能性。
NYプラチナ相場も2.17%の大幅続落となって調整局面進行。1月安値からの上昇幅159.4ドルに対する調整目安となる38.2%ラインは909.9ドル。現状では23.6%ライン933.2ドル近辺でいったん下げ止まった状態。下方向への重要水準としては50%戻しとなる891.1ドルから900ドルの大台ライン付近。ここをキープできないようなら昨年までの流れ再開への警戒感が高まることにも。
ドル円は3日ぶりの反落で0.46%のドル安円高。114円台後半では上値が重く、原油反落に伴う円高局面でも113円台半ばを維持。月初の10円急落局面の23.6%戻し113円40銭台から38.2%戻し115円00銭台までを主要レンジとする保ち合い傾向の様相に。114円台後半を突破できれば115円台後半辺りまでは反発余地も。113円台半ばを割り込んだ場合でも112円台半ばが重要なサポートラインに。目先はこのレンジ内での保ち合い形成の可能性が優勢となり、急落からの反発は限定的となり、大きく水準を切り下げた状態に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/16終値とチャート
17日の国内金価格は0.84%の続落。上値トライへの勢いは大きく後退し、調整局面継続で短期下落トレンド入り直前という状況。そうなる可能性のほうがやや高めか。目先は4700円を割り込むと少なくとも4650円前後までの下落余地。その下、4600円近辺で水平状態の90日移動平均線までで下げ止まれば上方向へと傾きかけた中期的な流れを維持。
国内プラチナ価格も0.92%の続落。金と比べて急騰の勢いが弱かった分だけ調整圧力もやや緩やかな状態か。目先は3640-50円付近がサポートライン候補。なお、少し長めのレンジで見ても90日移動平均線にぶつかっての反落基調が続く流れは避けたいところ。このままでは昨年来の急落トレンドの繰り返しに。
※参考:金プラチナ国内価格2/17とチャート
- 2016年2月17日(水)時点の相場
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国内金 : 4,718 円 2/17(水) ▼40(0.84%) 国内プラチナ : 3,664 円 2/17(水) ▼34(0.92%) NY金 : 1,208.2 ドル 2/16(火) ▼31.2(2.52%) NYプラチナ : 937.3 ドル 2/16(火) ▼20.8(2.17%) ドル円 : 114.04 円 2/16(火) ▼0.53(0.46%)
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