金プラチナ短期相場観
ラッカー総裁のお膝元リッチモンド連銀製造業指数もタカ派に
更新日:2016年3月23日(水)
FOMCメンバーで最もタカ派とされるラッカー総裁のお膝元、米地区連銀第5管轄地区の指標、リッチモンド連銀製造業指数は急騰しています。
3月分の数値は22.0となって2月の-6から大幅反発し、2010年4月(26.1)以来、5年11カ月ぶりの高水準。
構成指数でも、出荷は2004年3月(31.9)以来12年ぶり高水準となる27.0、新規受注は2010年4月(34.8)以来5年11カ月ぶり高水準の24.0。平均週間労働時間の16.0は2010年4月(19.8)以来5年11カ月ぶり、賃金の20.0は2005年5月(20.8)以来10年10カ月ぶりの高水準へと急騰など、全般に好調を示す結果。
6カ月平均の推移でも1月の-0.2,2月の-0.8から+3.7へと大きく切り返し、2014年後半から続いていた下落基調からの底入れ、反発を示唆する形となっています。
米3月の製造業の景況指数としては、NY連銀、フィラデルフィア連銀に続き、リッチモンド連銀でも好調が示されたことで、ラッカー総裁の今後のタカ派発言の支援材料がまた一つ増えた状況です。
22日には、ハト派の代表格、シカゴ連銀のエバンズ総裁も「米国経済のファンダメンタルズは非常に良好」であるとのタカ派姿勢をチラつかせ、ややタカ派寄りのフィラデルフィア連銀ハーカー総裁は「今年は少なくとも3回の利上げ」が好ましいとの発言も。
前日の中立派2名、サンフランシスコ連銀ウィリアムズ総裁、アトランタ連銀ロックハート総裁に続き、タカ派寄り発言が聞かれる頻度が増え始めてきたようです。
そして、それを裏付けるように、これまで低調だった一部の米経済指標にも改善の兆しが見られ始めています。
22日のNY金相場は3日ぶりの反発で0.35%高。ベルギー連続爆破テロを受けての安全資産買いで1260ドルまで急騰も一時的、市場が落ち着きを取り戻すと1250ドル台へと値を戻し、リッチモンド連銀製造業指数の上振れをきっかけに1240ドル台へ。高値圏でのやや軟調気味の推移は継続も、売られ過ぎ状態は解消し、90日移動平均線の200日移動平均線ゴールデンクロスも目前に迫り、中期的な地合い改善も見込まれる状況だが。
NYプラチナ相場は1.53%の大幅続伸で2週間ぶり高値圏。三角保ち合い上抜けに伴う地合い改善で急騰し、上値トライの流れへ。しかし、いったんは1000ドルの大台ラインが意識されて頭打ちの状態。大台手前での足踏み状態が続くようだと短期上昇トレンド加速に向けた流れが腰折れとなる可能性も。早めに突破できれば上値目標1020ドル近辺を目指す展開へ。当面のサポートラインは970ドル。ここを割れるような展開となった場合には短期トレンド逆流で930ドル台方向へ。
ドル円は0.35%の小幅ドル高円安で3日続伸。112円をはさんでの揉み合い状態からブリュッセルのテロ報道を受けてリスク回避の流れへ、欧州通貨や資源国通貨が売られてドル買い円買いの流れとなり、ドル円ではドル売り円買い優勢で急落も111円30銭台まで。111円後半へと持ち直したNY市場ではリッチモンド連銀製造業指数上振れや米シカゴ連銀エバンズ総裁のタカ派発言などを材料にドル高進行で112円台へ。FRB関係者の相次ぐタカ派発言を背景に、円高リスクは徐々に後退中。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場3/22終値とチャート
23日の国内金価格は3日ぶりの反発で0.33%の小幅高。4810円の節目到達に伴う小反発も短期的な流れは下方向優勢の状況は変わらず。4800円から4900円までのレンジ内推移を維持できるかどうか。維持できなければ下落トレンド進行で目標水準は4730円付近。4900円の上限トライにはもう少し時間が必要か。
国内プラチナ価格は1.53%の大幅続伸。NYプラチナと同様に2週間ぶり高値となって三角保ち合い上抜け。短期トレンド反転で加速の兆し、上値トライへの目標水準は今年高値更新となる3910円付近。ポイントはNYプラチナの1000ドルの大台突破可否。当面のサポートラインは3770円、急失速でここを下抜けるような展開となった場合には急落警戒で下値目安は3650円近辺も。
※参考:金プラチナ国内価格3/23とチャート
- 2016年3月23日(水)時点の相場
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国内金 : 4,824 円 3/23(水) ▲16(0.33%) 国内プラチナ : 3,841 円 3/23(水) ▲58(1.53%) NY金 : 1,248.6 ドル 3/22(火) ▲4.4(0.35%) NYプラチナ : 996.8 ドル 3/22(火) ▲15.0(1.53%) ドル円 : 112.33 円 3/22(火) ▲0.39(0.35%)
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