金プラチナ短期相場観
消費税10%再延期へ、で円安株高支援。国内金価格は膠着状態へ
更新日:2016年3月28日(月)
「安倍首相が平成29年4月に予定していた消費税10%への引き上げを見送る方針を固めたことがわかった」と今朝の産経新聞一面で報じられています。「5月18日発表の1-3月期GDP速報値などを確認して最終判断、26-27日に開催される伊勢志摩サミットの前後にも正式表明か」と見られているようです。ノーベル経済学賞を受賞した著名経済学者を招いて行われた国際金融経済分析会合を大義名分に見送りを決定することにより、再増税を断行して回復途上の景気腰折れを決定的とした内閣、として歴史に名を残すことを回避することには成功、となりそうです。もっとも、世論の大勢と市場の織り込み度合いを考慮すれば、選挙前のこの時期にこの選択は已む無しとも言えそうです。
国内金価格は2015年1月高値5298円から今年1月の4385円まで下落して反発。下げ幅に対する38.2%ラインを超えたことで下落トレンドの調整レベルを超え、さらに半値戻し水準、61.8%戻しとなる4949円付近まで上昇したことで、新たな上昇トレンドへと移行した形です。しかし、現在は重要な節目となる61.8%ラインが抵抗水準となって反落した状態です。
今年1月から3月までの上昇幅に対する割合で見ると、38.2%戻しとなる4729円付近に到達し、上昇トレンドの調整局面としてのMAX水準レベルにあることになります。この近辺から、50%戻しとなる4663円辺りまでで反発できれば、今年の上昇トレンド継続へ、と望みをつなぐことになります。
足下では、円安基調に支えられながらも、NY金の反落で上値も重い状況となり、中期的に見た主要レンジとしては4650円から4950円までの間で推移しながら、新たな方向性を見出し、次のトレンド形成へと向かう展開が予想できそうです。
28日の国内金価格は0.42%の反落。消費税10%再延期報道に伴う円安株高基調で為替が1ドル=113円50銭台まで上昇した分を、時間外で再開したNY金が前週末の1220ドル台から1210ドル近辺まで値を下げたことによって帳消し。金曜日の米GDP上振れも影響している様子。NY金にはもう少し下落余地があるものと思われ、これを円安サポートによって国内金価格の下落を緩和する状態。4710円台で推移する200日移動平均線が目先のサポートラインに。
国内プラチナ価格は、昨年1月高値5193円から今年1月安値3334円までの下落に対する反発局面では、38.2%ラインとなる4044円には届かずに失速。今年1-3月の上昇幅に対する38.2%戻し3681円に到達。できれば現状水準、少なくとも50%戻しとなる3615円辺りまでの調整で持ち堪えることが出来れば、1月以降の上昇トレンド再開も。
なお、昨年半ば以降の急落トレンドは抜け出したものの、昨年1月と5月高値を結んだ新たな抵抗線にぶつかる形で反落した形となり、昨年よりは少しゆるやかな、新たな下落トレンドを形成する可能性も生じてきました。この新たな抵抗線を早めに突破することが、今後の中期トレンド形成に向けた重要なポイントとなりそうです。当面は、3600円付近から3800円辺りまでが主要レンジ候補となり、上抜けできれば新たな下落トレンド形成回避へ、できなければゆるやかな下落トレンド形成への流れが続く可能性が高まることになりそうです。
今朝の国内プラチナ価格は前週末比0.6%安となって3営業日続落。NYプラチナも先週末の950ドル付近から今朝には940ドル付近へと水準を切り下げる軟調推移、国内価格はこれを反映。やはりNYプラチナの若干の下げ余地に伴い、国内プラチナ価格も下値目安3650円に向けての下落基調優勢の状態。多少行き過ぎた場合には、水平状態へと移行しつつある90日移動平均線がサポートライン候補に。
※参考:金プラチナ国内価格3/28とチャート
- 2016年3月28日(月)時点の相場
-
国内金 : 4,722 円 3/28(月) ▼20(0.42%) 国内プラチナ : 3,672 円 3/28(月) ▼22(0.60%) NY金 : 1,221.6 ドル 3/25(金) +-0.0(0.00%) NYプラチナ : 952.4 ドル 3/25(金) +-0.0(0.00%) ドル円 : 113.14 円 3/25(金) ▲0.25(0.22%)
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