金プラチナ短期相場観

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ISM非製造業景況指数も回復傾向、労働市場のたるみは継続か

更新日:2016年4月6日(水)

ISM非製造業景況指数 2016年3月米サプライマネジメント協会(ISM)が5日発表した3月の非製造業景況指数は54.5となり、市場予想の54.2を上回り5カ月ぶりに反発、1月の53.5、2月の53.4と低迷した状態からも回復傾向を示す結果となりました。製造業の低迷状態に引っ張られるように好不況の節目50割れへの警戒感も高まっていた状況を回避し、製造業とともに上向きへと流れが変わり始めたようです。
非製造業の内訳でも、景気指数が2月の57.8から59.8へ、新規受注が55.5から56.7へと上昇し、雇用も49.7から50.3へと節目の50を回復しています。

その雇用については、ISM製造業の雇用指数とADP雇用の3カ月平均、雇用統計での非農業部門雇用者数(NFP)の3カ月平均とを合わせて最近の推移を見ると、やや不透明感も残る状況となっています。
ISM雇用指数とADP、NFPの推移 2016年3月ISM製造業の雇用指数は、3月の48.1まで4カ月連続での節目50割れ。ADPは昨年末からの増加傾向から3月には19.9へと低下。NFPも昨年末にかけての急増から今年は減少傾向で3月には20.9へと低下。

なお、NFPについては数カ月前から、失業率が完全雇用レベルに達した状況では前月比+10万人+アルファ程度で十分、との見方をするFOMC関係者の発言も聞かれましたが、今のところはADPも含めて20万人をボーダーラインと仮定。そうすると、NFPもADPもボーダーライン付近に収束しており、年初からは鈍化傾向が強まり始めている可能性も。
ISMの雇用指数も、製造業、非製造業ともに昨年後半以降の低下傾向からは抜け切れない状況にあり、今後もボーダーラインの50を下回る、あるいは上抜けできない可能性も残るところです。

景況感としては回復傾向を示しながらも、このチャートでは、労働市場のたるみが残る状況を示しているようです。

NY金・日足チャート 2016/3/4 - 4/55日のNY金相場は0.84%高となって3日ぶりの反発。日米欧の主要株全面安と為替の円全面高、資源国通貨などに対してはドル高となるリスク回避的な流れが優勢となるなかでの買い戻しが進行。しかし、上値も1240ドルの抵抗線手前では失速、米3月のISM非製造業景況指数の好結果には1220ドル台へと反落。円高ドル安の流れが巻き戻されるようなら、あらためて下値トライへの流れが進行する可能性を残す状況。しかし、現状水準以上を維持できるようなら、前日の1220ドル割れが一時的なオーバーランだったことに。

NYプラチナ・日足チャート 2016/3/4 - 4/5NYプラチナ相場も0.86%の反発。金と同様に保ち合い状態下抜けの兆しからの買い戻し優勢の展開。ただし上値も重い状態も同様で下値トライ継続への可能性を残す状況か。3月以降は徐々に上値を切り下げる流れとなり、現状では980ドルが節目。ここを超えるようなら流れが変わる可能性も、手が届かない状況が続けば再び下限割れへ。

ドル円・日足チャート 2016/3/7 - 4/5ドル円は0.89%の大幅安となって3日続落。株安円高の流れにリスク回避の流れも加わり下げ幅を拡大、朝方に下抜けた111円30銭台の保ち合い下限を回復することなく、NY時間には安倍総理の「通貨安競争を回避すべき」発言報道で円売り介入への期待感後退で一時109円90銭台へと急落。下値目標水準109円80銭台付近までほぼ到達した形となり、いったんは自律反発へと向かう展開も予想されるところ。しかし、それを支援するような材料も見当たらず、再度円高トライ進行と多少の行き過ぎにも警戒感が残る状況か。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/5終値とチャート

6日の国内金価格は0.6%高となって3日ぶりの反発。円高の流れが加速したことで一段安も警戒された状況をNY金の想定以上の反発に救われた形。結果的に下値目安4660円までしっかりと下落したことがいったん反発へと向かう流れを促した格好に。下値警戒感も払拭し切れないなかでも4660円が目先のサポートラインとなり、新たな展開も。ただし、早々にこのサポートラインを割り込むような展開となった場合には、やや下げ幅を拡大し4600円割れの可能性も。

国内プラチナ価格も3日ぶりの反発で0.78%の上昇。金と同様に3600円前後の下値目安に到達したことが反発につながった形。しかし、90日までの移動平均線を一気に下抜けたところからの反発では90日移動平均線に押さえられた状態となり、下値警戒感も残るところ。3600円ラインがサポートラインとして機能しない場合にはさらに大きく水準を切り下げる可能性もあり、場合によっては3500円割れも。
※参考:金プラチナ国内価格4/6とチャート

2016年4月6日(水)時点の相場
国内金4,688 円 4/6(水) ▲28(0.60%)
国内プラチナ3,630 円 4/6(水) ▲28(0.78%)
NY金1,229.6 ドル 4/5(火) ▲10.3(0.84%)
NYプラチナ951.6 ドル 4/5(火) ▲8.1(0.86%)
ドル円110.33 円 4/5(火) ▼1.00(0.89%)

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