金プラチナ短期相場観
月次求人労働異動調査(JOLTS)求人件数は過去最高水準
更新日:2016年5月11日(水)
米労働省が発表した3月の月次求人雇用動態調査(JOLTS:Job Openings and Labor Turnover Survey)で、求人件数は575.7万件。市場予想の545万件程度を大幅に上回り、統計開始以降最大となった昨年7月の578.8万件に次ぐ高水準。2月分も544.5万件から560.8万件へと上方修正され、昨年2月以降、1年2カ月連続で500万件超の高水準を維持。とりわけ足下3カ月間は連続で560万件超となり、6カ月平均でも3月には547.8万件と過去最高を更新。
求人件数に関しては、過去最高水準の状態が継続する好況。
また、求人率は前月の3.8%から3.9%へと上昇し、回復目安とされる3%を大きく超えてリセッション後の最高水準。
退職率は2.1%で前月から変わらず、しかしこれも回復目安の2.1%に到達した状態を維持。
解雇率も前月の1.3%から1.2%へと改善し、回復目安の1.4%を下回る状態が続き、リセッション後の最低水準(好水準)。
採用率は前月の3.8%から3.7%へと0.1ポイント後退。回復目安3.8%には3カ月前にいったん到達し、この付近での推移が続く状態。
イエレン・ダッシュボードのJOLTS関連指標では、ほぼ100%を超える回復となっている状態と言えます。
雇用統計関連の指標では、雇用者数と失業率以外は回復率100%には未達の状態で、長期失業者の割合は回復目安19.1%に対して25.7%、U6失業率は目安の8.8%に対して9.7%とあと一歩、二歩の状態。しかし、労働参加率は目安の66.1%に対して62.8%と低迷状態が続きます。
イエレン・ダッシュボード9指標のうち、100%回復は5指標となり、前月の6指標から鈍化。ただし、回復率の平均値は96.3%に達し、これも過去最高水準まで上昇してきました。
10日のNY金相場は0.14%の小幅続落。週初からの調整局面継続で一時4月28日以来の1260ドル割れ、しかし株高ドル高地合いが続いたNY市場では1260ドル台半ばへと反発。調整目安1250ドル前後に対して1258ドルまでの下落にとどまる底堅さ。1260ドル付近まで上昇してきた21日移動平均線にサポートされつつも、短期的な流れは失速状態にあり、もう一段の調整余地を残す状況。
NYプラチナ相場は0.24%の小幅反発。前日の大幅反落からの反動か、もしくは1050ドルの節目割れが行き過ぎだったのか、安値は前日と同水準の1040ドル付近で反発し、今朝には1050ドル台回復も。しかし短期的な流れとしては金と同様に失速状態、調整局面形成で多少行き過ぎ状態となってもおかしくないところだが。
ドル円は0.87%のドル高円安で大幅続伸。前日に続く麻生財務相の介入示唆発言にサポートされる形で東京市場で円安・株高進行。高値では109円30銭台まで上昇し、連休前の日銀ショックからの急落値幅6.34円の61.8%戻し(109.46)の水準を回復。また、この水準は日銀の貸出マイナス金利報道で急騰する直前、4月21日の水準に相当。噂で買われ過ぎてゼロ回答に売られ過ぎた状態から、以前の状態に戻ったところ。目先は109円前後でいったん小康状態か。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/10終値とチャート
11日の国内金価格は1.13%の大幅反発。NY金の下げ渋りによる急反発で前日急落分を取り戻し、逆に上方向への節目4760円を上抜けの兆し。円安サポートは一服状態にあるものの、NY金の下げ渋り状態が続くようならこのまま上方向優勢となり目標水準4830円台辺りを目指す展開へ。4700円が当面の下値サポートラインに。
プラチナ価格も1.47%の大幅反発。調整もそこそこに9日移動平均線をサポートラインに切り返してしまった状態も、前日急落分は取り戻しきれず。3860円台から3950円までの高値保ち合い形成の様相も。調整不十分の感も残しながらも強引に上昇トレンド継続へと引き戻されたような状態で、この流れが続き3950円の今年高値を上抜けると4000円の大台超えへ。逆に3860円台割れへと再反落の場合には3800円近辺までの下落余地。
※参考:金プラチナ国内価格5/11とチャート
- 2016年5月11日(水)時点の相場
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国内金 : 4,760 円 5/11(水) ▲53(1.13%) 国内プラチナ : 3,926 円 5/11(水) ▲57(1.47%) NY金 : 1,264.8 ドル 5/10(火) ▼1.8(0.14%) NYプラチナ : 1,049.3 ドル 5/10(火) ▲2.5(0.24%) ドル円 : 109.26 円 5/10(火) ▲0.94(0.87%)
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