金プラチナ短期相場観
シカゴ連銀全米活動指数も失速、NYダウの高値更新は止まらず
更新日:2017年2月24日(金)
米1月のシカゴ連銀全米活動指数は-0.05と予想外のマイナス圏。+0.14から+0.18へと上方修正された12月からは-0.23ポイントの大幅低下となり、昨年8月以降の6カ月間のうち5カ月がマイナス圏。3カ月平均では2015年8月以降、1年半連続マイナス圏での推移。構成指数では雇用、売上関連がプラス圏、生産、個人消費・住宅関連がマイナス圏となり、個人消費・住宅のマイナスは2007年6月以降、9年8カ月連続。
0以上なら過去の平均以上の成長を示すこの指標では、ほぼ過去平均以下の成長にとどまっている状態が1年半続いていることになります。
ただし、足下数カ月では過去平均に向けての回復基調は継続中。次月以降のプラス圏回復が待たれます。
なお、この日は2月のカンザスシティ連銀製造業活動指数も発表され、1月の+9から、2011年6月以来5年8カ月ぶりの高水準となる+14へと急騰し、昨年秋以降のマイナス圏からの急回復基調が鮮明となっています。
これで最近の地区連銀の製造業景況感指数はNY、フィラデルフィアに続きカンザスシティでも好調持続を示したのに対し、全米の業況を示す指標ではマークイットの製造業PMIに続き、シカゴ連銀の指数でも失速状態を示す結果となりました。
なお、経済指標の結果にはあまり影響されない、政治相場の様相も呈しつつある市場ではNYダウが10日連続の過去最高値更新。失速しそうでしない、綱渡りの堅調推移が続いています。
23日のNY金相場は4日ぶりの反発で1.47%の大幅高、11月10日(1266.4)以来、3カ月半ぶり水準となる1250ドル台へと高値更新。NY朝、ムニューシン米財務長官の「低金利長期化の可能性」、「短期的にはドル高は問題も」発言を受けての米長期金利低下、ドル売り急進で金は10ドル超の上昇。高値保ち合い上方ブレイクとなり、上昇基調再開の可能性、当面の上値目標は1270ドル。サポートラインも1230ドルに切り上げ、割り込んだ場合には1200ドル割れも。
NYプラチナ相場も0.92%高で4日ぶりの反発。時間外の1000ドル割れでの推移から、NY市場での急騰局面では1020ドルの抵抗水準で上値を押さえられ、金に追随し切れず、保ち合いレンジ半ば1010ドル付近へと反落。3日連続1000ドル割れからの反発で底堅さも見られ、失速しそうでしない状態ながら上抜けトライへの勢いにも乏しく、下値警戒感は継続。下限割れなら950ドル台、上限突破なら1050ドル台へ。
ドル円は0.61%のドル安円高で続落。ムニューシン発言を受けてのドル売りで113円割れ、2週間ぶりのドル安円高水準に。今朝も112円台後半は維持してはいるものの、流れはドル安方向へ。現状水準を維持できなければ、112円を割り込んで2月安値圏となる111円台後半が目先の下値目安水準に。ドル高方向には113円台後半が抵抗水準、突破出来れば115円前半が反発の目安水準に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/23終値とチャート
24日の国内金価格は0.44%の反発。年初来高値をわずかに更新し、7月20日(4856)以来7カ月ぶりの高値水準。高値保ち合い状態から上方ブレイクへの兆しとなり、NY金が一段高へと向かえば国内価格のブレイクを後押し。4840円台へと水準を切り上げることができれば、上昇基調再加速で4910円近辺までが当面の目標水準に。
プラチナ価格も0.33%の小幅反発。長期的な節目水準3900円ライン到達後の乱高下状態から値動き縮小中。下値警戒感を抱えながらも持ち堪えるNYプラチナと膠着状態が続くドル円との板挟みでレンジ相場が継続。3900円台を維持する状態が続けば、徐々に下値警戒感も緩和されていくことになり、新たなトレンド形成へと動き出すような展開も。
※参考:金プラチナ国内価格2/24とチャート
- 2017年2月24日(金)時点の相場
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国内金 : 4,838 円 2/24(金) ▲21(0.44%) 国内プラチナ : 3,918 円 2/24(金) ▲13(0.33%) NY金 : 1,251.4 ドル 2/23(木) ▲18.1(1.47%) NYプラチナ : 1,011.9 ドル 2/23(木) ▲9.2(0.92%) ドル円 : 112.60 円 2/23(木) ▼0.69(0.61%)
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