金プラチナ短期相場観
ミシガン大消費者信頼感指数は好調、5年インフレ期待は過去最低
更新日:2017年3月18日(土)
ミシガン大消費者信頼感指数の3月速報値は97.6。予想を上回り、2月の96.3からも上昇し、13年ぶり高水準となった1月の98.5を少し下回る水準。
現況指数は2月の111.5から114.5へと大幅上昇し、2000年末以来16年ぶりの高水準となっています。ただし、6カ月先の先行き景況感を示す期待指数は86.7となり、2月の86.5からはわずかに上昇も1月の90.3からは大きく低下した水準。3カ月平均でも2004年9月(89.1)以来12年5カ月ぶりの高水準となった2月の88.8から87.8へと低下。
米国の消費マインドは堅調に推移していますが、先行きの見通しとしては10数年来のピークをつけて、下落局面入りした可能性も示唆する状況となっています。
FRBも注視する1年インフレ期待値は2月の2.7%から2.4%へと低下。2010年9月(2.2)以来6年3カ月ぶりの低水準となった12月の2.2%からの反発基調は3カ月めで腰折れの可能性も。
さらに、5年インフレ期待値は2月の2.5%から2.2%へと急低下。12月の2.3%を下回り、過去最低を更新しています。
ミネアポリス連銀カシュカリ総裁はFOMCで利上げに反対した理由について「インフレ目標に到達していない」ことや「主要データは前回FOMCから大差なかった」ことなどを挙げ、「米金融当局のインフレ予測はいつも高過ぎる」と発言しています。
ミシガン大消費者信頼感指数のアンケート調査対象となった人達のインフレ予測は、カシュカリ総裁と同様、FRBよりも厳しい目で見ているようです。
17日のNY金相場は0.25%の小幅続伸。1220ドル台半ばで底堅く推移後、ロンドン時間からは米長期金利低下とドル売りがジワリと進行したことを受けて1230ドル台へと上昇。3月2日(1232.9)以来半月ぶりの水準を回復し、2月27日につけた今年高値1264.9ドルから3月10日安値1194.5ドルまでの急落値幅の半値戻し(1229.7)を達成。ただし、この日は前日高値を超えられず、今朝の時間外にかけても1230ドルを少し割り込み、反発局面一服の様子も。方向感はほぼニュートラルとなり、2月半ばの保ち合い水準1220-40ドル近辺が目先の主要レンジ候補。
週間ベースでは+28.8ドル(2.4%)、3週間ぶりの反発。
NYプラチナ相場は0.48%の続伸。金のジリ高基調に連れてNY朝には960ドル台へと上昇し、3月6日(978.2)以来の水準を回復。しかし、今年高値2月27日の1047.8ドルから3月15日安値932.9ドルまでの大幅急落の戻りは23.6%(960)に過ぎず、38.2%戻し(976.8)付近まで上昇した前日高値(973.8)にも届かず。それでも今朝の時間外には960ドル台半ばへと水準を切り上げ、90日移動平均線(963.6)超え。960ドル台を維持できれば38.2%ラインが次の目標水準に。
週間ベースでは+24.8ドル(2.64%)で3週間ぶりの反発。
ドル円は0.53%のドル安円高となり4日続落。東京市場での反発は前日高値113円50銭台に届かず、欧州市場では軟調推移へ。NY市場では米2月鉱工業生産が予想を下回り、ミシガン大消費者信頼感指数は好調を維持したものの、インフレ期待値が低迷したことを受けて米10年債利回りが2.5%割れへと急落。ドル円も113円割れへと急落し、一時112円50銭台まで下げて2月27日(112.69)以来、半月ぶりのドル安円高水準に。113円台後半の節目割れに伴う下値目安112円台半ばにしっかりと到達したこともあり、G20が無風通過となればいったんは落ち着きどころ。目先は113円半ばが抵抗水準となりつつあり、円高方向へは今年安値111円台後半が意識されることに。
週間ベースでは-2.05円(1.79%)となり、3週間ぶりの反落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場3/17終値とチャート
- 2017年3月18日(土)時点の相場
-
国内金 : 4,778 円 3/17(金) ▲11(0.23%) 国内プラチナ : 3,741 円 3/17(金) ▼20(0.53%) NY金 : 1,230.2 ドル 3/17(金) ▲3.1(0.25%) NYプラチナ : 963.0 ドル 3/17(金) ▲4.6(0.48%) ドル円 : 112.71 円 3/17(金) ▼0.60(0.53%)
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