金プラチナ短期相場観

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クリーブランド連銀インフレ期待モデルでは10年先も2%未達

更新日:2017年6月21日(水)

クリーブランド連銀・インフレ期待モデル 2017年6月FOMCでの副議長も務めるNY連銀ダドリー総裁は19日、「インフレ率は低水準だが労働市場の改善に伴い賃金と共に加速するはず」だから「いずれ目標水準2%へ回帰する」との見方を示しました。
その一方で今年FOMC投票権を持つハト派のシカゴ連銀エバンズ総裁はインフレ指標の弱含みを不安視し、2%のインフレ目標達成に向けての懸念を表明し、「追加利上げの検討を年末まで待つ価値がある」との見解を示しました。やはり今年FOMC投票権を持つタカ派のダラス連銀カプラン総裁は20日、「最近の低インフレが一時的なものか見極めるまで待つべき」との発言。同様の発言は先週末、3月と6月のFOMCで唯一利上げに反対票を投じたハト派のミネアポリス連銀カシュカリ総裁からも聞かれていました。

クリーブランド連銀が公表しているインフレ期待モデルでは、CPIをベースに複数の指標と調査ベースのインフレ期待値などを用いて30年先までの予想インフレ率を算出しています。これによると、6月時点での1年先のインフレ率予想値は0.96%。12月の2.3%、1月の2.1%をピークに急低下しています。
なお、6月時点での10年先予想インフレ率は1.7%。30年先は2.2%。10年先は近年概ね2%弱での揉み合い推移となっており、30年先は2%近辺での推移が続きます。

30年前の1980年代には、1年先、10年先は4%から5%の推移、30年先インフレ予想値でも3.5%近辺でした。しかし、30年たった現在のインフレ率は5月CPIで1.9%。30年前の予想インフレ率を大きく下回る水準での推移が続きます。
現時点でのクリーブランド連銀モデルと、この算出に用いられる一般市民の予想では、向こう10年間はインフレ率2%に届かないとの見方で、30年先、2040年代にはFRBの目標水準2%に到達見込み、という状況です。

NY金・日足チャート 2017/5/16 - 6/2020日のNY金相場は0.26%の小幅続落。リビアの増産などを材料にこの日も2%超の一段安となったNY原油価格は9月16日(43.0)以来9カ月ぶりの安値水準。やや警戒感も高まり、NYダウは最高値更新後に反落、欧米株はリスク・オン一服で高値圏での保ち合いから反落の展開。金もNY市場での一時的なドル高の流れに軟調な展開も値動きは極めて限定的に。1カ月ぶりの安値水準と下値目安1240ドル台に到達し、200日移動平均線(1241.9)にサポートされる状態での一服。ここからは新たな展開待ちとなり、1280ドルまでを上限に保ち合い形成か、1240ドル割れの場合には1210ドル台が意識される展開へ。

NYプラチナ・日足チャート 2017/5/16 - 6/20NYプラチナ相場は0.58%安となって3日ぶりの反落。しかしこの日の変動値幅は9.1ドルにとどまり、今年3番目の小動き。920ドルのサポートラインでは底堅さも見られ、小幅保ち合いから反発のチャンスをうかがうような展開へ。930ドル超えへと動き出せば直近高値950ドル付近までの反発基調の展開も。しかし、920ドル割れの場合には900ドルの大台ラインとの攻防へ。

ドル円・日足チャート 2017/5/17 - 6/20ドル円はわずかに0.08%のドル安円高。200日移動平均線上抜けに伴う上値目安111円台半ば到達後の一服状態となり、この日の値幅は50銭にも満たず、今年の平均値幅1.02円の半分弱。今朝の東京市場では今年高値更新後の日経平均の反落とともに円高優勢の展開に。目先111円60銭台が抵抗水準候補となり、上抜けできれば6月半ばまでの下落幅の61.8%戻しとなる112円30銭近辺が次の目安に。円高方向には200日移動平均線の110円70銭近辺がサポート水準に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/20終値とチャート

21日の国内金価格は0.25%の続落。半年間サポートラインとなってきた90日移動平均線(4809)がレジスタンスライン化。小幅保ち合い下限との攻防状態となり、4770円を割り込むと3月安値圏4730円前後が当面の目標水準に。90日移動平均線上抜けへと反発できれば6月高値圏4860円台が上値目標に。

プラチナ価格は3日ぶりの反落で0.5%安。下落基調が続く90日移動平均線の下で21日線も下降基調となり、さらにその下で落基調が加速する9日線が抵抗線となって反発への動きが押さえられ、下落基調の最終局面を示唆する状態からの脱却にはいったん失敗した形。再トライで3570円超へと反発できれば6月高値圏3630円近辺までの上昇余地も。下方向へは今年安値3529円まででサポートされるかどうか、割り込むと3480円台までが目安水準に。
※参考:金プラチナ国内価格6/21とチャート

2017年6月21日(水)時点の相場
国内金4,777 円 6/21(水) ▼12(0.25%)
国内プラチナ3,549 円 6/21(水) ▼18(0.50%)
NY金1,243.5 ドル 6/20(火) ▼3.2(0.26%)
NYプラチナ921.5 ドル 6/20(火) ▼5.4(0.58%)
ドル円111.44 円 6/20(火) ▼0.09(0.08%)

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