金プラチナ短期相場観

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シリア攻撃「任務完了」で週末限定、市場インパクトも限定的に

更新日:2018年4月16日(月)

マティス米国防長官が「1回限り」とした米英仏によるシリアの化学兵器関連施設へのミサイル攻撃については、トランプ米大統領も「任務完了」。
NY金曜夜のシリア攻撃は週末限定となり、週明け東京市場へのインパクトも限定的となっています。
ただし、シリアが再び有毒ガスを使用すれば「米国は行動する」とトランプ米大統領は牽制し、化学兵器使用疑惑関連機器を扱う企業を対象に新たな経済制裁発動も示唆。アサド政権を支持するロシアは「このような行為が続けば国際関係の混乱は避けられない」と応酬。
欧米とロシアとの対立の構図は引き続き、リスク要因として残り、さらなる悪化も懸念されるところです。
この影響で週明けのNY金の反落も限定的となり、リスク回避の円高も進行せず、むしろ若干の円安スタートとなったようです。

今週のリスク要因としては、日米首脳会談。
年初来で最高水準(40%程度)まで支持率を回復してきたトランプ米大統領と、第2次安倍政権では最低の内閣支持率(20%台から30%近辺、※安倍首相個人の支持率ならもっと低下している可能性も?)まで落ち込んできた安倍首相との会談が17日から行われます。
為替報告書では日本は引き続き監視リスト対象国に指定され、対米貿易黒字拡大と円の実質実効為替レートが直近20年の平均値に対して25%近く安いことが指摘されています。
首脳会談での日米通商問題に関しても円安が指摘されれば円高要因に。
その一方で日本の貿易収支としては1月には8カ月ぶりに6600億円の赤字となり、2月には1800億円の黒字。原油価格が上昇している現状から3月以降も再び赤字となる可能性もあり、貿易赤字なら円安要因にも。
今回の首脳会談は、背水の陣で望む安倍首相にとってもリスク要因となりそうです。

国内金価格 週足チャート 2018年4月16日 16日の国内金価格は0.59%の反発で2月15日(4975)以来、2カ月ぶりの高値水準。90日移動平均線(4947)にサポートされて浅めの調整を終え、直近高値4月12日の4970円もわずかに上抜け。このまま2月15日の水準も超えることになれば、3月半ばから1カ月続く上昇トレンドは延長戦へ。次の目標水準は年初来下落幅の61.8%戻し(4999)と5000円の大台回復、1月末水準5010円台辺りまで。下方向に90日移動平均線、4940円台を割り込んだ場合には4900円割れ、4880円台辺りまでを目指す反落局面形成へも。
 中期的には年初から続いた下落トレンドの抵抗線を上抜け。一目均衡表の雲も上抜けて地合いは好転方向へ。現在の水準を26週前にずらした遅行線は26週前の水準と揉み合い中。26週前の高値5013円を超えることができれば二役好転で地合いはさらに強気方向へ。ただし、基準線(4960)を下回る転換線(4883)が基準線を超えて三役好転となるにはまだ数週間を要しそうな状況。

国内プラチナ価格 週足チャート 2018年4月16日 プラチナ価格はわずかに1円安。930ドル台での小康状態が続くNYプラチナと同様に国内価格も3440円をはさんでの小康状態が5日め。堅調推移の金価格に追随できず、価格差は1533円へと再拡大。4月6日の1535円、12日の1534円に次いで過去3番目の価格差でトリプルトップ形成の可能性も残しながら、過去最大更新をうかがう状況に。小康状態を上方向に抜け出すことになれば当面の上値目標水準は3540円台辺りまで。
※参考:金プラチナ国内価格4/16とチャート
 中期的には年初来の急落トレンドの抵抗線との攻防状態に。20週移動平均からの5%下方乖離線を割り込んだ後の反発局面にあり、過去の実績からはもう一段の反発基調が続く確率は高そうです。トレンド終盤に形成しやすい斜行三角形の保ち合いを上抜けて、次の中期トレンド形成へと向う為には、3400円台後半へと水準を切り上げる必要。

2018年4月16日(月)時点の相場
国内金4,974 円 4/16(月) ▲29(0.59%)
国内プラチナ3,441 円 4/16(月) ▼1(0.03%)
NY金1,347.9 ドル 4/13(金) ▲6.0(0.45%)
NYプラチナ933.1 ドル 4/13(金) ▼1.7(0.18%)
ドル円107.41 円 4/13(金) ▲0.10(0.09%)

4/13(金)のその他主要マーケット指標

NY連銀製造業景気指数、6カ月平均で3カ月続落ならマイナス圏へ 4/17(火)

シリア攻撃「任務完了」で週末限定、市場インパクトも限定的に 4/16(月)

トランプ米大統領、米英仏によるシリア攻撃を決断 4/14(土)

米地区連銀発表の独自インフレ指標も3月は軒並み高水準 4/13(金)

米3月CPIは1年ぶり高水準もシリア情勢緊迫化で金と原油が急騰 4/12(木)


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