更新日：2019年2月19日(火)
NYパラジウム相場は先週末時点で1400ドルを超え、史上最高値を更新。今朝の時間外には一時1437ドルまで上昇、最高値更新状態が止まりません。
世界最大の自動車市場、中国では自動車販売台数が1月まで7カ月連続の前年比割れとなり、米国でも1年5カ月ぶりの低水準、欧州での低迷も続く状態にも係わらず、ガソリン車の排ガス触媒需要が大半を占めるパラジウムの高騰は続きます。
欧州市場でのディーゼル車からガソリン車へのシフトが進み、供給不足に陥る状況にも加え、投資需要の高まりもパラジウム価格を押し上げています。
NYパラジウム相場は1月後半には金相場を逆転し、抜きつ抜かれつとなった時期をはさんで2月4日以降はその差を拡大し続け、15日時点では87ドル。なお、パラジウムとプラチナとの価格差は今や600ドル超。パラジウム価格はプラチナの1.7倍へと高騰しています。
パラジウムは昨年安値となった8月15日の837ドルから、15日の1407ドルまで、実に68.1％の上昇率となっています。
NYダウの昨年末安値から今年ここまでの上昇率18.8％、同ナスダックの20.7％の比ではありません。
なお、パラジウムに追随する格好となっているNY金は、昨年8月安値1184ドルから今年1月末につけた高値1325.2ドルまでの上昇率は11.9％にとどまります。
プラチナの場合、同様に昨年8月安値771.9ドルから今年1月4日につけた高値827.2ドルまでの上昇率は7.2％。追随し切れない状態が続きます。
貴金属市場の牽引役をパラジウムに譲ったNY金は、それでもマイペースでの堅調推移が続きます。
18日のドル円は10銭弱のドル高円安でわずかながらも続伸。週明け東京市場朝につけた110円40銭半ばがこの日の安値となり、日経平均の大幅高にも上値は限定的。欧州時間以降に何度か試した110円60銭台がこの日の高値となり、プレジデンツ・デーの祝日で休場となったNY市場の時間帯には110円50銭台で膠着状態。この日の変動値幅は20銭強にとどまり、2017年12月25日以来1年2カ月ぶり、今年の平均値幅62銭の3分の1の小動き。なお、2018年の平均値幅は68銭。今年ここまでは、年間変動値幅が過去最小となった2018年の1日あたりの平均変動値幅を下回る状態。
目先、110円台後半を主要レンジに保ち合い推移はもう少し続きそうな状況でもあり、21日早朝に公表されるFOMC議事要旨が動意のきっかけにも。111円台へと抜け出せば112円手前まで、円高方向には110円から109円台後半までがサポートに。
19日の国内金価格は+18円、0.36％高となり、横ばい推移をはさんで6日続伸。昨年2月6日（5037）以来、1年ぶり高値水準での堅調推移となり、2月初旬の7日続伸に続き今年2度めの6日続伸以上。6日続伸以上は昨年は1度もなく、2016年と2017年には3回。時間外のNY金は週明け一時1330ドル、今年最高値付近まで上昇し、今朝の時間外でも1330ドルをわずかに下回る水準で高止まり、国内金価格の短期上値目標5000円台到達後のオーバーランをサポート。為替の膠着状態も続き、1330ドルラインがNY金の上値抵抗線となって反落、とならない限りは国内金価格の高止まりも継続の様相にも。90日移動平均線が200日移動平均線を上抜け後、200日移動平均線もわずかに上昇し始めており、中長期的にも強気トレンド入りの兆しも。買われ過ぎ状態が続けば5050円台辺りまでが次の上値目安にも。
なお、国内金価格の昨年8月安値4458円から今年ここまでの上昇率は12.7％。
プラチナ価格は+11円、0.36％の続伸。NYプラチナも週明け時間外から810ドル台を何度か試し、下値は800ドル台半ば以上を維持する高止まり状態に。810ドルラインが抵抗線とならなければ一段高の余地もあり、約2週間ぶりの水準を回復した国内プラチナ価格をサポートする可能性も。短期上値目標3070円台にはあとわずかの水準に到達しているものの、若干の行き過ぎの展開も。ただし、2月高値3110円台が当面の抵抗水準にも。
プラチナ価格の昨年8月安値2911円から今年2月高値3113円までの上昇率は6.9％。
※参考：金プラチナ国内価格2/19とチャート
2019年2月19日(火)時点の相場
国内金：5,026 円 2/19(火) ▲18(0.36％)
国内プラチナ：3,068 円 2/19(火) ▲11(0.36％)
NY金：1,322.1 ﾄﾞﾙ 2/15(金) ▲8.2(0.62％)
NYプラチナ：806.9 ﾄﾞﾙ 2/15(金) ▲17.7(2.24％)
ドル円：110.58 円 2/15(金) ▲0.08(0.07％)