金プラチナ短期相場観
米10月求人件数は2ヵ月連続増加も12ヵ月連続前年割れ
更新日:2020年12月10日(木)
米労働省が発表した10月の月次求人労働異動調査(JOLTS:Job Openings and Labor Turnover Survey)で求人件数は665.2万件。市場予想の630万件程度を大幅に上回って2ヵ月連続の増加、7月(669.7)以来3ヵ月ぶりの高水準に。
このうち、製造業の求人件数は52.5万件となり、5ヵ月連続の増加で2018年8月と11月(50.2)を上回って過去最多。前年比でも+30.27%となり、2018年5月(32.86%)以来、2年5ヵ月ぶりの急増。全体件数増加に貢献し、ISM製造業景況指数の10月雇用指数が15ヵ月ぶりに節目の50を超えて53.2へと急騰していたことを裏付ける結果となりました。
なお、ISM製造業景況指数の雇用指数は11月には48.4へと大幅反落となっています。
また、求人件数を前年比で見ると、10月は-8.99%となって12ヵ月連続の前年割れ。春の大幅な落ち込みからは回復も夏以降は前年比-10%前後での推移が続きます。件数自体も2019年前半にピークアウトした流れが続いているようにも見えます。
10月の失業者数1106.1万人との差は-440.9万件。求人件数不足は9月の-608.6万件からは大幅に縮小しましたが、3月以降、8ヵ月連続で求人不足の状態は続きます。
米国での新規感染者数の推移が10月の小康状態から11月に急増して12月に入ってもピークアウトしていない状況からは、求人件数も11月には頭打ちとなることも予想されそうです。
9日のNY金相場は3日ぶりの反落で-36.4ドル、1.94%の大幅安。12月2日(1830.2)以来、1週間ぶりの安値。上方向への節目1870ドル台を突破できず、高値1870ドル台3日めにして急反落。時間外スタート時点での1875.9ドルがこの日の高値となって軟調推移、ロンドン市場にかけては1860ドル台までで下げ渋る状態も、NY市場ではドル高と米10年債利回り上昇の流れにも押されて急落、NY午後に一時1830ドル割れを試して引けにかけては1840ドルを回復。英国でのファイザーワクチンのアレルギー報道や米経済対策協議の行き詰まりなどもあり、米主要3指数が揃って反落となったなかでも、ECB理事会を控えていることやジョンソン-フォンデアライエン会談への警戒感などからユーロドルが下落した流れのほうに影響を受けた様子。反転の兆しとなっていた20日移動平均線(1846.4)を押し下げて3日ぶりに下抜けも、11月末安値(1776.2)から12月8日高値(1879.8)までの半値戻し(1828.0)まで下げて38.2%戻し(1840.2)付近まで反発、いったん落ち着きやすい状態にも。
NYプラチナは-18.5ドル、1.78%の大幅安で3日続落。長期トレンド転換点1070ドル台で上値を押さえられて反落した流れが継続。時間外は1030ドル台後半を中心とした小幅揉み合いから、ロンドン・NYにかけてはわずかに水準を切り下げて1030ドルをはさんでの揉み合いへ、NY午後にかけては金の急落に追随、一時大台を割り込んで998.1ドルまで下落。11月安値(838.2)から12月4日高値(1093.1)までの23.6%戻し(1032.9)付近での保ち合いを維持し切れず、一時的には38.2%戻し(995.7)付近まで下げた形にもなり、過熱感も解消しての一服状態にも。
ドル円はわずかに4銭程度のドル高円安、0.04%の小幅続伸。米追加経済対策を巡る協議で進展が見られないことを嫌気して米株の調整が進行したNY市場にかけてはリスク回避的なドル高優勢の展開となって104円ちょうど付近から104円40銭近辺まで上昇。しかし、クロス円での円高の流れを受けて巻き戻されると1004円10銭台まで反落。引き続き103円80銭近辺から104円台半ばまでのレンジでの保ち合い傾向維持か。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場12/9終値とチャート
10日の国内金価格は8日ぶりの反落で-98円、1.44%の大幅安。7日続伸での上昇値幅317円の3割ほどを戻した状態となり、この間の上昇値幅の23.6%戻し(6754)を超えて21日移動平均線(6758)も下抜け。38.2%戻し(6708)から9日移動平均線(6684)辺りがサポート候補にも。上方向には6830円の節目を上抜けることができれば6890円から6900円台回復が上値目標に。
プラチナ価格は-65円、1.75%の反落。12月3日(3647)の水準を下回り、1週間ぶり安値圏。9日移動平均線(3636)にサポートされるかどうか、下抜けると11月安値(3096)から12月高値(3794)までの23.6%戻し(3629)がサポート候補。その下には中長期的な節目水準2013年高値(5445)から今年安値(2422)までの38.2%戻し(3577)も。目先しばらくは3800円が上方向への節目水準にも、上抜けると3840-50円程度まで上値を伸ばす展開にも。
※参考:金プラチナ国内価格12/10とチャート
- 2020年12月10日(木)時点の相場
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国内金 : 6,731 円 12/10(木) ▼98(1.44%) 国内プラチナ : 3,641 円 12/10(木) ▼65(1.75%) NY金 : 1,838.5 ドル 12/9(水) ▼36.4(1.94%) NYプラチナ : 1,018.5 ドル 12/9(水) ▼18.5(1.78%) ドル円 : 104.21 円 12/9(水) ▲0.04(0.04%)
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