金プラチナ短期相場観

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ADP雇用1月は想定以上の大幅改善も回復率50%付近で停滞

更新日:2021年2月4日(木)

コロナ後の米雇用回復状況 NFP×ADP 2021年1月ADP社発表の雇用リポートでは、非農業部門の全米雇用者数は前月比+17.4万人。+7万人程度の事前予想を大幅に上回り、まさかの前月比マイナスに落ち込んだ12月(-12.3万人から-7.8万人へ上方修正)から回復基調へと戻ってきた状態に。
ただし、この2ヵ月を合わせて10万人弱しか増加していないことになり、9月の+75.4万人から+40.9、+29.9万人と続いた減速基調は一段と進行。回復率では4ヵ月連続で50%前後と停滞状態が続きます。
雇用統計でのNFPは12月時点で55.6%の回復率となっており、こちらは55%付近での停滞状態が続いています。

それでもADPと同様に12月のマイナス分を取り戻し、1月分が市場予想を上回る好結果となれば市場は好感することにもなりそうです。
この日発表されたISM非製造業景況指数の雇用指数も節目50割れとなった12月の48.7から、1月は55.2へ、11ヵ月ぶり高水準へと急回復しています。先日のISM製造業景況指数の雇用指数も1月は続伸で52.6と好結果となっており、1月雇用統計だけがネガティブな結果となる確率はかなり低そうです。

この日、セントルイス連銀のブラード総裁は「失業率は引き続き急ピッチで低下する可能性」について言及し、過去のリセッションの時よりも一時解雇の割合が圧倒的に多く、この人々が復職することで一定程度までの回復ペースは急速に早まることを指摘しています。

米国を含めて世界的にも新規感染者数は減少傾向にあり、行動規制も解除方向にあることから、停滞中の雇用回復も徐々に進行し、数カ月後にワクチン効果が拡大し始めるようなら、一定程度までの雇用回復はさらに一段と加速することも想定できそうです。
ただし、「復職先が見つからない」問題も想定され、一定程度から先には不透明感も漂います。

NY金・日足チャート 2020/12/29 - 2/33日のNY金相場は+1.7ドル、0.09%の小反発。前日の急落からの自律反発で時間外に1840ドル台半ばまで戻したのがこの日の高値となり、戻り売り優勢の軟調な展開に。ドル高の流れとなったロンドン市場では1830ドル台前半まで下落、NY朝には1840ドル台へと小反発も米1月ADP雇用者数の想定以上の好結果を受けて1830ドルまで再反落。しかし、前日安値付近では下げ渋り、1840ドルの節目割れに伴う下値トライへの流れは一服状態に。ただ上値も重くなりつつあり、1840ドルを回復できずNY引けにかけても1830ドル台で小康状態に。週末の雇用統計も好結果となれば、下値トライへの流れが進行する可能性もあり、11月末安値圏1780ドル台が当面の目標。なお、上方向には1860ドル台が当面の抵抗水準となり、これを上抜けることができれば流れも好転、1920ドル台辺りまでが上値目標にも。

NYプラチナ・日足チャート 2020/12/29 - 2/3NYプラチナは+18.5ドル、1.69%の大幅反発。前日の急落からの自律反発で時間外に1110ドル手前まで戻した後、金にも連れて軟調推移となったロンドン市場での安値は1100ドル近辺まで。NY朝にかけての反発局面では1110ドル台後半まで、その後の反落局面でも1100ドル近辺でサポートされ、1110ドル台へと持ち直し。この日の変動値幅は18.4ドルで今年最小、今年の平均47.4ドルの4割弱。下値サポートを1090ドル台に切り上げる形で高値保ち合いレンジを縮小。これを下方ブレイクするようだと年初から続いた保ち合い崩れとなって相応の下落局面形成へと向かうことにも、12月半ばの保ち合い水準1020ドル台までが当面の下値目安に。
金との価格差は720.6ドルまで縮小、昨年2月28日(702.0)以来、11ヵ月ぶりの低水準。

ドル円・日足チャート 2020/12/30 - 2/3ドル円はわずか2銭のドル高円安、0.02%の小幅高で6日続伸。6日続伸は昨年3月末以来、10ヵ月ぶり。105円をはさんでの小幅揉み合いに終始したこの日の変動値幅はわずか18銭。今年最小で今年の平均47銭の4割弱。短期上値目標105円台前半に到達後の一服も、9日移動平均線(104.35)が下げ止まりつつある90日移動平均線(104.33)をわずかに上抜け、21日移動平均線(104.01)も追随、ドル高円安方向へのトレンドがさらに強まりそうな状況にも。短中期的には、コロナショック後の戻り高値となった昨年3月高値111円70銭台から年初の安値102円60銭台までの下落幅の38.2%戻し(106.08)となる106円前後までが反発の目安にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/3終値とチャート

4日の国内金価格は-17円、0.25%の続落。21日移動平均線(6784)を中心に上からは90日移動平均線(6874)、下からは9日移動平均線(6766)が収束傾向となり、三角保ち合いを形成して動き出しを待つ様相にも。週末の雇用統計後には下げ渋るNY金が下方向へと動き出す可能性もあり、下値警戒感が高まる状況にも。下方向への節目6710円台を割れると一段安の展開となりやすく、6610円台までが下値目安に。

プラチナ価格は+10円、0.25%の反発。年初の急騰以降は微妙に上値も下値も切り上げ、高値保ち合いのなかでもわずかに上昇傾向となっているのに対し、RSIはコンスタントに上値を切り下げるダイバージェンスを形成。通常なら反落を示唆する形となり、確率的には一定の急反落局面を迎える可能性が高まる状況にも。NYプラチナも同様の状況にあり、若干の警戒感も。逆行状態を押し切って高値更新へと向かう展開となれば2015年以来となる4100円台を目指す流れにも。パターンどおりの急落となれば、3870円が当面の下値サポート。ここでサポートされない場合には12月半ばの保ち合い水準3720円近辺までが下値目安に。
※参考:金プラチナ国内価格2/4とチャート

2021年2月4日(木)時点の相場
国内金6,768 円 2/4(木) ▼17(0.25%)
国内プラチナ4,023 円 2/4(木) ▲10(0.25%)
NY金1,835.1 ドル 2/3(水) ▲1.7(0.09%)
NYプラチナ1,114.5 ドル 2/3(水) ▲18.5(1.69%)
ドル円105.02 円 2/3(水) ▲0.02(0.02%)

2/3(水)のその他主要マーケット指標

12日を含む週の失業保険申請件数下方改定、雇用回復基調再開へ 2/5(金)

ADP雇用1月は想定以上の大幅改善も回復率50%付近で停滞 2/4(木)

ゴールドとドルは逆相関復活に向けて折り返し? 2/3(水)

ユーロ圏1月製造業PMI、蘭以外は伊・仏・希の南欧勢が健闘 2/2(火)

感染再燃とともに中国も1月製造業PMIは急失速 2/1(月)


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