金プラチナ短期相場観

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ノイズの多い4月指標、消費も生産も予想外に低調

更新日:2021年5月15日(土)

米・鉱工業生産(前年比) 2021年4月この日発表された米経済指標は軒並み低調。
商務省発表の4月小売売上高は前月比+1.0%予想に対して0.0%。3月の+10.7%からは急減速。自動車を除いた小売売上高は前月比-0.8%。市場予想の+0.6%程度を下回って3月の+9.0%からも急減。
個人給付により消費急増となった3月の反動は予想以上だったようです。
なお、ミシガン大消費者信頼感指数の5月速報値も90.2の予想に対して82.8。4月の88.3と比較しても大幅に下回りました。消費センチメントも5月上旬にかけては低調となりました。

ちなみに小売売上高を前年比で見ると4月は+51.22%。3月の前年比+29.01%に続いて2ヵ月連続で過去最高の伸び。2020年3-5月は前年割れ、とりわけ4月は-19.98%と落ち込んだ反動増となっています。以前の過去最高11%台を大幅に上回り、3%を割れると要注意とされる3ヵ月平均でも3月には+14.97%、4月は+28.91%と2ヵ月連続で過去最高。

FRBが発表した4月の鉱工業生産も前月比+0.7%となり、市場予想の+0.9%程度を下回り、3月の+2.4%からは減速。
鉱工業生産を前年比で見ると4月は+16.49%となって3月の+1.04%から急騰、1959年6月(+18.67%)以来、61年10ヵ月ぶりの伸び率となっています。昨年4月が前年比-16.26%と極端に落ち込んだことによる反動増となっています。
なお、前年比では2019年9月から今年2月まで18ヵ月連続の前年割れとなり、3月から2ヵ月連続の前年比プラス。
それでも2020年2月との比較では-2.73%。コロナ前のピーク水準との差は開いたままの状態です。

ノイズの多い4月指標は雇用も伸び悩み、インフレは急騰、消費も生産も低調となっています。

NY金・日足チャート 2021/4/12 - 5/1414日のNY金相場は+14.1ドル、0.77%の続伸で2月10日(1842.7)以来、3ヵ月ぶりの高値。時間外に一時1820ドル割れへと小幅に下押し後は堅調推移。米10年債利回りが1.6%台後半から前半へとゆるやかな低下基調が続き、ドル安の流れにもサポートされてロンドン時間にかけて1830ドル台へと急騰、NY市場では米4月小売売上高が低調となって鉱工業生産も予想を下回り、5月ミシガン大消費者信頼感指数も前月を大幅に下回る結果となったことを受けて徐々に下値を切り上げる形となり、NY引けにかけては1840ドル超え。4日連続1840ドル台で上ヒゲを残して反落後、再び1840ドルの抵抗水準との攻防状態に。週明けも1840ドル台を維持し、7日間で6度めの上ヒゲとならなければもう一段の上値トライへ。200日移動平均線(1854.1)を超えて1860ドル近辺までが短期上値目標に。7日間で6度めの上ヒゲとなった場合には抵抗感と反落警戒感が一段と強まり、1820ドルの節目を割り込めば1800ドル前後までの調整も。
週間ベースでは+6.8ドル、0.37%の小幅続伸。

NYプラチナ・日足チャート 2021/4/12 - 5/14NYプラチナは+16.3ドル、1.35%高で4日ぶりの反発。前日までの軟調推移では1200ドル付近で下げ渋って大台割れを回避、50日移動平均線(1206.0)や一目均衡表の雲の上限にもサポートされて反発した流れがゆっくりと進行し始めた格好にも。時間外には1210ドル付近から1220ドル台へと水準を切り上げ、NY朝には1230ドル超え。ただし1230ドル台半ばでは上値も重く、週明けは1230ドル台回復をかけた攻防から。1200ドルが当面の下値サポートとなり、割り込んだ場合には4月安値1150ドル台までが下値目安に。上方向には1230ドル台が抵抗水準とならなければ1260ドル台までが主要レンジに。これを上抜けることができれば1300ドルの大台トライへ。
週間では-31.7ドル、2.53%の反落。

ドル円・日足チャート 2021/4/12 - 5/14ドル円は8銭程のドル安円高、0.07%の小幅続落。東京朝には109円60銭台まで上昇も、上方向への節目となる109円70銭を超えられず、一目均衡表の雲の上限にも上値を押さえられる形となって反落。長期金利低下にも連れ、欧州時間にかけて109円20銭台まで水準を切り下げると5日移動平均線(109.19)にもサポートされ、NY市場にかけては109円30銭をはさんで保ち合い推移の展開に。一連の米経済指標が低調となって一時109円20銭を割れる場面もあったものの、この水準では下げ渋る底堅さも。109円付近が当面の下値サポート候補となり、上方向には109円70銭の節目を突破できれば110円台前半へと上値を切り上げる展開にも。
週間では+78銭、0.72%の反発。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/14終値とチャート

2021年5月15日(土)時点の相場
国内金7,001 円 5/14(金) ▲31(0.44%)
国内プラチナ4,633 円 5/14(金) ▼3(0.06%)
NY金1,838.1 ドル 5/14(金) ▲14.1(0.77%)
NYプラチナ1,222.8 ドル 5/14(金) ▲16.3(1.35%)
ドル円109.37 円 5/14(金) ▼0.08(0.07%)

5/14(金)のその他主要マーケット指標

国内金価格、今年高値更新で逆三尊完成 5/17(月)

ノイズの多い4月指標、消費も生産も予想外に低調 5/15(土)

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一時的インフレ上振れでコアCPIは25年ぶり高水準 5/13(木)

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