金プラチナ短期相場観

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緊迫感高まるウクライナ、高止まる国内金価格は最高値更新

更新日:2022年2月21日(月)

ロシアがウクライナへ侵攻しないことを条件にブリンケン米国務長官とラブロフ露外相との会談が今週、24日に予定されてはいるものの、それまでに緊張状態が崩れてしまうのではないか。そんな疑念すら抱かざるを得ないような状況にもなりつつあるようです。
20日終了予定だったロシアとベラルーシによる合同軍事演習の延長が伝えられている他、各メディアからの様々な報道によって警戒感も高まります。
ロシアのタス通信によれば、ウクライナ東部の親ロシア派「ドネツク人民共和国」ではウクライナ政府軍の攻撃への対抗として総動員令を発令。
AFP通信は、ウクライナ国境地帯に集結しているロシア軍部隊の40%以上が攻撃態勢に入ったとの米国防総省高官の見方を伝え、ロイターによればオースティン米国防長官も「ロシア軍戦闘部隊がウクライナ国境に近づき、攻撃態勢にある」との発言。CNNでもロシア軍の通常戦力の75%近くがウクライナ周辺に集結との米当局者の弁を報道。
北大西洋条約機構(NATO)当局者が、ウクライナで勤務するNATO職員を首都キエフから西部リビウとNATO本部のあるベルギー・ブリュッセルに移動させたことも各メディアから報じられ、ウクライナを巡る関係者の動きも活発化。
アフガン撤退による失点を取り戻そうとするバイデン政権背水の思惑も見え隠れ、行き過ぎた警戒感が徒労に終わることを願うばかりです。

国内金価格・日足一目均衡表 2022年2月21日21日の国内金価格は先週末から+28円、0.37%高となって3営業日続伸。直近12日のうち11日上昇する一方的な急騰局面を形成し、2020年8月7日の7676円を上回って1年半ぶりに過去最高値更新。ウクライナ情勢緊迫化を背景にリスク回避の金買いが一段と進行、NY金は週末の1900ドル近辺から週明け時間外には1910ドル近辺へと一段高。115円を割れて114円90銭近辺で推移するドル円の円高分を相殺して国内金価格を押し上げ。短期的にはやや行き過ぎの展開となり、RSIも9ヵ月ぶり高水準となる87.8まで急騰する過熱ぶり。値幅から見た場合の妥当な調整目安としては1月末安値(7244)からここまでの上昇値幅の23.6%戻し(7582)近辺。さらなる行き過ぎ警戒水準としては7850円近辺も。

日足・一目均衡表でも三役好転を維持して一段高。昨年秋以降の上昇チャネル上限ラインを突き抜けて、やや行き過ぎの可能性も。2021年3月安値(6413)から6月高値(7335)までの上昇値幅=922円、8月安値(6710)を起点にN計算値を適用すると、中期上値目標としては7632円。この水準も大きく超えてきた現状からは、事態が少しでも落ち着けばそれなりの調整必至の状況にも。

国内プラチナ価格・日足一目均衡表 2022年2月21日
プラチナ価格は-71円、1.62%安で3日ぶりの反落。週明け時間外のNYプラチナは1070ドル台での小反発も1100ドルで上値を押さえられて反落した流れからは抜け出せない状態。4180円の節目を超えて高値保合い上方ブレイクとなった流れで短期上値目標4250円台を突き抜けた後の巻き戻しは4300円まで。11月高値保合い下限にも相当し、適度な調整目安として作用した格好にも。リスク回避で売られる株価と買われる金との綱引きでやや不安定な状態も続きながら、目先下方向へは4200円程度までの一段安も、上方向へは4370円台を上抜けて今年高値再更新なら4420円程度までの一段高も。

日足・一目均衡表では三役好転を維持しての高値保合い上抜け、昨年5月から9月安値の半値戻し(4143)も上抜け、12月以降の上昇チャネル下限ラインにぶつかって跳ね上がる形にもなっての急騰。すると今度は上昇チャネル上限ラインにぶつかっての反落。それでも上昇チャネルを維持できるなら、もう少し上値を伸ばす可能性も。中期上値目標としては、昨年9月安値から11月高値までの上昇値幅(784)を12月安値(3694)を起点に加算すると、4478円。
※参考:金プラチナ国内価格2/21とチャート

2022年2月21日(月)時点の相場
国内金7,686 円 2/21(月) ▲28(0.37%)
国内プラチナ4,301 円 2/21(月) ▼71(1.62%)
NY金1,899.8 ドル 2/18(金) ▼2.2(0.12%)
NYプラチナ1,076.8 ドル 2/18(金) ▼15.9(1.46%)
ドル円115.05 円 2/18(金) ▲0.12(0.10%)

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