金プラチナ短期相場観

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ロシアの世界シェア37%、供給不安のパラジウムは一時3300ドル

更新日:2022年3月8日(火)

パラジウムの国別産出量 2021年NYパラジウム先物価格は先週末の3000ドル付近から、週明けに時間外には3100ドル超へと過去最高値を更新、その後も高止まり、ロンドン市場では3300ドル超へと一段高。しかしNY市場では巻き戻しの展開となって3000ドル割れへと急落。その後は何事もなかったかのように週末の水準3000ドル付近での小康状態に。
米地質調査所の発表によれば、ガソリン車の排ガス触媒需要が最も大きいパラジウムの産出量は2021年には南アフリカが世界最大となって年間80トン、世界の40%を産出しています。2位がロシアで74トン、世界の37%を産出。
南アフリカが1位となるのは4年ぶりで、2020年までの3年間はロシアが1位で南アは2位。ロシアは世界シェア40%超を維持し、南アフリカが35%前後、この2カ国で75%前後という状態は続いています。
なお、プラチナは1位南アで2021年は73%、2位ロシアは11%。近年はほぼこの水準、順位で2カ国合計80%前後という状態が続きます。

元々振れ幅の大きいパラジウム価格は、ウクライナ危機による供給不安から乱高下しやすい状況となり、プラチナもこれに追随しやすい状況にもなりつつあります。
ただしこれらの貴金属相場は、常に急落リスクと隣合わせにもあります。

NY金・日足チャート 2022/1/31 - 3/77日のNY金相場は+29.3ドル、1.49%の大幅高で3営業日続伸。上げ幅としては今年の絶対値平均14.3ドルの2倍超、今年5番めの急騰。水準としては2020年8月18日(2013.1)以来、1年7ヵ月ぶりの高値。ロシア産石油禁輸の可能性が取り沙汰されて週明け時間外からコモディティは全面高。2008年以来の高値となる130ドル台へと急騰したNY原油価格に追随する展開となったNY金も1990ドル台へと急騰スタート後も下げ渋り、アジア時間には一時2005ドルまで、ロンドン時間には2007ドル台まで上昇。ウクライナとロシア代表団による3回めの停戦交渉へのわずかな期待から米株が買い戻されたNY朝にかけては大幅調整、一時1970ドル割れへと40ドル程の急落も、予想通り進展なしで終わると巻き戻し。NY引けにかけては1990ドル台半ばへと急反発、NY引け後には2000ドルの大台再トライも。短期上値目標1970ドル台到達後は素直に調整という状況にもなく、短期行き過ぎ警戒水準2000ドルの大台にもいきなり到達。次に意識される高値水準としては2020年8月中旬の戻り高値2024.6ドル近辺、下値サポート候補は1950ドル近辺。

NYプラチナ・日足チャート 2022/1/31 - 3/7NYプラチナは-0.2ドル、0.02%安となって5日ぶりの小反落。週明け時間外スタート直後には原油価格が13年8ヵ月ぶり高値へ、NY金は1年7ヵ月ぶり高値へ、NYパラジウムは過去最高値を大幅更新へと急騰した流れに追随。1150ドル近辺へと急騰後にも高値揉み合い状態となり、ロンドン時間には1160ドル台へと一段高。昨年6月15日(1169.4)以来、9ヵ月ぶりの高値をつけて失速。NY市場では一時1110ドル割れへと50ドル超の急落後には下げ渋り、乱高下状態からNY引けにかけては1120ドル近辺へと収束。ダブルトップ形成の可能性を打破する形で上ヒゲを伸ばし、短期的な行き過ぎ警戒水準1150ドル近辺に到達後、直近の短期上値目標1120ドル台で落ち着いた状態に。1160ドル台が目先の上限候補となり、下値サポートは1060ドル近辺。

ドル円・日足チャート 2022/2/1 - 3/7ドル円は45銭のドル高円安、0.39%高で3日ぶりの反発。リスク回避のドル高にサポートされる形となった東京市場では114円80銭台で下げ渋り、ユーロドルの軟調推移にも連れる形で欧州時間には115円10銭台へと反発。NY時間には米10年債利回り上昇にも連れて115円40銭台まで上昇。結果的に先週末に114円90銭の下値サポートを割り込んだのは一時的にとどまり、下値トライには失敗。114円80銭が目先のサポートとなり、保ち合い上限115円60銭付近では上値も重い状態。リスク回避のドル高と円高でボラティティ低下状態となり、あらためて下限割れの場合にも下値トライの目安は今年安値113円台前半辺りまで。上限超えの場合にも今年高値更新トライで116円台半ば辺りまでが短期上値目標に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場3/7終値とチャート

8日の国内金価格は+75円、0.94%高で3日続伸。3日連続で今年9回めの過去最高値更新。NY金が2000ドルの大台回復をかけた攻防状態となり、為替はリスク回避のドル高優勢の展開で相対的な円安にもサポートされての一段高。過熱感も高まり、明日も下げなければRSIは90%超の危険水域に。次に意識される想定可能な行き過ぎ警戒水準としては、2021年3月安値(6413)、2020年11月安値、2021年8月安値と2021年6月高値(7335)で形成する逆三尊からの最大上昇目安=8257円近辺。短期調整目安としては1月末からここまでの23.6%戻し(7883)近辺まで。

プラチナ価格は-43円、0.94%安で5日ぶりの反落。2年ぶりの大幅急騰となった前日の上げ幅の2割にも満たない小幅調整。NYパラジウムとプラチナが前日の大幅急騰からの全戻しで上へ行って来いとなり、週末水準で下げ渋る状態からは、適度な調整で好転したばかりの堅調な流れを維持する可能性も。想定可能な上値目安としては11月高値(4320)から12月安値(3694)までの161.8%戻し(4707)近辺まで。短期調整目安としては12月安値から今年高値(4580)までの23.6%戻し(4371)近辺まで。
※参考:金プラチナ国内価格3/8とチャート

2022年3月8日(火)時点の相場
国内金8,080 円 3/8(火) ▲75(0.94%)
国内プラチナ4,537 円 3/8(火) ▼43(0.94%)
NY金1,995.9 ドル 3/7(月) ▲29.3(1.49%)
NYプラチナ1,116.6 ドル 3/7(月) ▼0.2(0.02%)
ドル円115.31 円 3/7(月) ▲0.45(0.39%)

3/7(月)のその他主要マーケット指標

ウクライナ危機で買われるドルと金、逆相関に決別 3/9(水)

ロシアの世界シェア37%、供給不安のパラジウムは一時3300ドル 3/8(火)

ウクライナ危機で注意すべき想定可能な国内金価格の高値目安 3/7(月)

雇用は良好も賃金上昇率鈍化でドル高限定的、金は一段高 3/5(土)

ISM非製造業景況指数は1年ぶり低水準、雇用指数は50割れ 3/4(金)


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