金プラチナ短期相場観
13ヵ月ぶり低水準のユーロ圏4月景況感、反発は6カ国
更新日:2022年5月3日(火)
欧州委員会が発表した4月のユーロ圏景況感指数は105.0。市場予想の108.0を下回り、コロナショック以来の急低下となった3月からさらに1.7ポイント低下して13ヵ月ぶりの低水準。ただし、ユーロ圏全19カ国のうち、前月から上昇した国は3月の2カ国から4月は6カ国に増加。
3月に3ヵ月ぶり高水準へと反発していたオランダは-0.1とわずかに反落で104.2。最下位争いが続くスロバキアは4ヵ月ぶり高水準へと反発した3月から-5.1の急反落となって91.0。13ヵ月ぶり低水準で再び最下位へ。
主要4カ国では、指数上位からドイツが107.1。前月比-0.1の小幅続落で1年ぶり低水準。イタリアは105.4。1年ぶり低水準となった3月から+1.3で2ヵ月ぶり高水準。トップ4では唯一の反発。フランスは102.8。-1.4の反落で1年ぶり低水準。スペインは100.2。前月比-4.5の大幅続落となって14ヵ月ぶり低水準。
経済規模上位8カ国の第2グループでは、オーストリアが105.2、前月比-0.3の続落で14ヵ月ぶり低水準。オランダをはさんでベルギーが101.4、16ヵ月ぶり低水準となった3月から+3.5で唯一反発。アイルランドは100.9、前月比-4.1の続落で13ヵ月ぶり低水準。
イタリアとベルギー以外で反発したのは、ポルトガルが107.5。11ヵ月ぶり低水準となった3月から+3.4。スロベニアが102.5、13ヵ月ぶり低水準となった3月から+3.0。ルクセンブルグは100.6、1年半ぶり低水準となった3月から+3.5。キプロスは98.5、11ヵ月ぶり低水準となった3月から+0.4。
いずれも3月にかけて急低下してきた流れからの一服、あるいは揺り戻しという状況に過ぎないようにも見えるものの、ユーロ圏内格差拡大の兆しのようにも見えます。
スロバキアとキプロス以外で節目の100を割れたのは、ラトビアが95.0、前月比-0.4の続落で13ヵ月ぶり低水準。100近辺では、エストニアが100.0、前月比-1.3で4ヵ月続落、13ヵ月ぶり低水準。
リトアニアが100.5、前月比-0.2で4ヵ月続落、1年4ヵ月ぶり低水準。フィンランドも102.6、前月比-1.9で続落、13ヵ月ぶり低水準。
ウクライナ戦争長期化も懸念されるなか、ロシア隣国の景況感悪化状態も続きます。
2日のNY金相場は-48.1ドル、2.52%の大幅安で3日ぶりの反落。下げ幅としては今年の絶対値平均16.1ドルの3倍、今年最高値の翌日、3月9日(-55.1ドル、2.7%)以来2ヵ月ぶりで今年2番めの急落。水準としては2月15日(1856.2)以来、2ヵ月半ぶりの安値。週明け時間外に1900ドルの大台回復トライに失敗すると軟調推移。アジア時間にはドル高の流れが重石となってロンドン市場までに1880ドル台へ、節目の1880ドル台を割れるとNY朝にかけては米10年債利回りが3年5ヵ月ぶりに3%近辺まで急上昇した流れに押されて1860ドル割れへと急落。安値では一時1853ドルまで下落し、節目割れに伴う短期下値目安、2月半ばの押し目水準1850ドル近辺に到達。自律反発後はNY引けにかけて1860ドル台前半に収束。90日移動平均線(1887.4)を割れるのは1月末以来、3ヵ月ぶり。FOMC前に短期下値目安に到達してしまったことから、FOMC後に一段安へと向かえば52週移動平均線(1836.5)、200日移動平均線(1834.7)などがサポート候補に。ドル高と長期金利上昇の流れが一段と強まるようなら1800ドルの大台近辺が意識される可能性も。
NYプラチナは-6.8ドル、0.72%安で3日ぶりの反落。先週末高値940ドル台手前、930ドル台後半が上限となり、なんどもトライしながらも跳ね返される展開。アジア時間には920ドル近辺までの急落後もロンドン市場にかけて930ドル台後半へと反発、しかしNY朝には金の急落局面にも連れて一時910ドル割れへと急落。それでもNY午後にはこの日の高値937.4ドルまで急反発。NY引けにかけて930ドル割れを試すも限定的となり、下ヒゲ十字線を形成してNY引け後には930ドル台後半再々トライへ。抵抗水準を突破して940ドル超へと抜け出すことができれば、短期地合い回復へと流れが変わる可能性も。20日移動平均線(959.4)を超えて960ドル台までが短期上値目標に。
ドル円は28銭のドル高円安、0.22%の反発。週明け東京市場朝には129円80銭台から130円30銭まで急騰後に129円60銭台まで反落。落ち着かない状態は続き、午前中のうちに130円台を回復すると東京市場終了直後にはこの日の高値130円50銭付近まで上昇。ドル高一服となった欧州時間には129円60銭台まで再反落も、NY時間には米10年債利回り急上昇に連れて130円30銭台まで反発。FOMCでは0.5%利上げに加えてQT開始、さらには今後の利上げペース加速への可能性示唆などタカ派傾斜も予想され、長期金利上昇とともにドル高円安基調が強まりやすい状況にも。目先、130円90銭超へと抜け出せば131円台後半へと一段高、132円を試す可能性も。下方向へは129円80銭の節目を割れると128円台半ばを目安に調整局面形成へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/2終値とチャート
- 2022年5月3日(火)時点の相場
-
国内金 : 8,630 円 5/2(月) ▲125(1.47%) 国内プラチナ : 4,200 円 5/2(月) ▲102(2.49%) NY金 : 1,863.6 ドル 5/2(月) ▼48.1(2.52%) NYプラチナ : 932.8 ドル 5/2(月) ▼6.8(0.72%) ドル円 : 130.15 円 5/2(月) ▲0.28(0.22%)
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