金プラチナ短期相場観
米個人消費は4月も好調持続、米中格差は拡大
更新日:2022年5月18日(水)
米4月の小売売上高は好調持続。前月比+0.9%は市場予想の+1.0%を下回ったものの、3月が+0.7%から+1.4%へと大幅上方改訂され、自動車を除く売上高は前月比+0.6%で市場予想の+0.4%を上回り、3月分も+1.4%から+2.1%へと上方改訂。いずれも4ヵ月連続での前月比プラスとなり、堅調な伸びを維持。
前年比では+8.7%となり、3月の+7.32%からは上昇。2月以前の10%台後半の高い伸びが続いた状態からは一服も、2020年6月以降23ヵ月連続で前年比プラス。
1年前の2021年4月は前年比+54.88%の急騰となっており、さらに1年前の2020年4月はコロナショックで-19.71%の急落。
2019年平均の前年比+3.1%や長期平均+4.8%などと比較しても、4月はまだまだ高水準の伸びを示す状態。
対照的に、前日に発表された中国の小売売上高は前年比-11.1%。3月の前年比-3.5%からも一段と落ち込んで2ヵ月連続の前年割れ。コロナショックの2020年3月(-15.8%)以来、2年1ヵ月ぶりの落ち込みとなっています。
ロックダウンの影響でコロナショック並みに個人消費が落ち込む中国に対し、大幅利上げに伴う景気悪化やスタグフレーション懸念も混在するなかでも個人消費の勢いが持続する米国。
今のところは米中格差拡大。
17日のNY金相場は+4.9ドル、0.27%の続伸。1820ドル台での小幅揉み合いから、ECBの利上げ観測を受けてユーロ高ドル安基調となったロンドン市場では一時1830ドル台半ばまで上昇。しかしNY朝には米4月小売売上高の好結果を受けて米10年債利回りが急上昇、米ドルも下げ渋る展開となった流れを受けて1820ドル割れへと急反落。NY引け後にも1810ドル付近まで小幅に一段安。この日の変動値幅は23.8ドルで今年の平均29.9ドルの8割弱程度ながら、4月26日以来3週間ぶりの小動き。1900ドルを割れて下落局面の勢いが増すに連れてボラティリティが高まった状態からの一服を示唆。ただし、反発への動きは4月高値(2003.0)から5月安値(1785.0)までの23.6%戻し(1836.4)と200日移動平均線(1836.8)が重なる抵抗水準に押さえられた格好。反発基調継続に向けてはこの抵抗水準突破が攻防ラインに。下方向へ1800ドルの下限を割れるようだと1月につけた今年最安値(1780.6)近辺再トライへ。
NYプラチナは+18.1ドル、1.96%高で4日ぶりの反発。前日のロンドン・NY市場で2度つけた安値916ドル付近で短期的には底打ち、930ドル台の節目割れに伴う短期下値目安910ドル近辺に対してはあとわずかながらも、それなりの達成感も背景に反発へ。920ドル台での保ち合いからロンドン市場で930ドル台へ、NY朝には一時950ドルにもワンタッチ。NY引けにかけても940ドル付近では下げ渋る展開に。目先は下落基調が続く20日移動平均線(943.4)が重要な攻防ライン、これをしっかり超えると990ドルの保ち合い上限ラインに向けた流れもスタートへ。下方向へは920ドルの節目を割れると下値トライ再開、今年安値更新トライで890ドル前後までが下値目安に。
ドル円は26銭のドル高円安、0.2%の反発。東京朝に128円80銭台まで下げてこの日の安値をつけると反発へ、東京午後に129円30銭台へと上昇すると欧州時間にかけては小幅揉み合い推移。NY朝には好調となった米4月小売売上高をきっかけに米10年債利回り急上昇とともに129円80銭付近まで、50銭程の急騰。しかし、その後発表された米5月NAHB住宅市場指数が予想以上に悪化したこともあり129円付近まで、70銭程の急反落。それでも129円割れを回避すると129円30銭台を中心に小幅揉み合い推移となり、20日移動平均線(129.31)との攻防状態に。引き続き128円30銭から130円60銭までのレンジでの高値保ち合い継続も、やや上値が重くなってきた感も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/17終値とチャート
18日の国内金価格は-35円、0.42%安で3日ぶりの反落。1月末の今年安値(7244)から4月20日の最高値(8860)までの38.2%戻し(8243)達成後の自律反発も、最高値を起点に構成する下降チャネルの範囲内を抜け出せず。8300円が目先の上限となり、これを突破できれば上値再トライで8350円台辺りまでが短期上値目安に。8230円台の下限を割れると下落トレンド延長戦、8200円割れが短期目安に。
プラチナ価格は+42円、0.98%の反発。NYプラチナが短期下値目安のわずか手前で折り返した流れに連れる形となり、4330円の節目割れに伴う短期下値目安4240円近辺に対しては前日の4266円までで折り返し。21日移動平均線(4304)を上抜けた9日移動平均線(4331)を上抜けることができれば、直近の節目回復と強気のパーフェクトオーダー再開で反発基調再加速へも。下方向へは4260円台の節目を割れると反発基調腰折れ、90日移動平均線(4205)付近までが下値目安に。
※参考:金プラチナ国内価格5/18とチャート
- 2022年5月18日(水)時点の相場
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国内金 : 8,259 円 5/18(水) ▼35(0.42%) 国内プラチナ : 4,308 円 5/18(水) ▲42(0.98%) NY金 : 1,818.9 ドル 5/17(火) ▲4.9(0.27%) NYプラチナ : 943.4 ドル 5/17(火) ▲18.1(1.96%) ドル円 : 129.36 円 5/17(火) ▲0.26(0.20%)
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