金プラチナ短期相場観

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住宅と製造業景況感で2年ぶり低水準、米指標悪化でドル全面安

更新日:2022年5月25日(水)

リッチモンド連銀製造業指数 2022年5月大幅利上げのその先のスタグフレーション懸念が続き、米株の大幅調整局面が続くなか、景気減速への警戒感が高まるような指標結果がポツポツと出始めてきたかもしれません。
この日発表された米住宅指標と地区連銀製造業景況感指数はいずれもコロナショック以来、2年ぶりの低水準となって一時ドル全面安の流れに。

米商務省発表の4月新築住宅販売件数は59.1万戸。市場予想の74.9万戸を大幅に下回り、下方修正された3月の70.9万戸からでも-16.64%の急減。水準としては2020年4月(58.2)以来、2年ぶりの低水準。前月比下落率では2013年7月(-20.21%)以来、8年9ヵ月ぶりの急減。
価格高騰と住宅ローン金利急上昇で既に減速感は見られ始めていた住宅市場、それでも予想以上の悪化に。

同時刻に発表された5月のリッチモンド連銀製造業指数は-9。市場予想の+10を大幅に下回り、4月(14)からも急低下。前月比-23.0ポイントはコロナショック時の2020年4月(前月比-49.0)以来、2年1ヵ月ぶりの急落。
構成指数でも出荷、受注残が2年ぶり低水準、新規受注は8ヵ月ぶり低水準で2年間では2番めの低水準、設備稼働率や雇用もコロナ以降では最低水準付近に低迷。半年先の見通しを示す期待指数も前月比-12.0の急低下で2年ぶりの低水準。

ソフトランディング可能と明言するパウエルFRB議長にとっても、警戒感が高まりそうな時期が訪れるかもしれません。

NY金・日足チャート 2022/4/20 - 5/2424日のNY金相場は+17.6ドル、0.95%高となって4日続伸。5月6日(1882.8)以来、20日ぶりの高値。時間外は1850ドル付近から小幅上下動で水準を切り上げ、NY市場では1860ドル台へ。米10年債利回りが1ヵ月ぶり低水準となる2.7%台半ばへと軟調推移、ドル安の流れが続いたことにもサポートされ、1ヵ月ぶりに20日移動平均線(1854.2)も上抜け。米指標悪化も追い風となって一時1870ドル手前まで上昇。20日線と1850ドル台の節目突破に伴う短期上値目標1880ドル近辺まで、若干の上昇余地も。4月高値(2003.0)から5月安値(1785.0)までの38.2%戻し(1868.3)を達成した状態となり、目標水準到達後の一服感が限定的となれば50%戻し(1894.0)近辺までが行き過ぎの目安にも。

NYプラチナ・日足チャート 2022/4/20 - 5/24NYプラチナは-7.4ドル、0.78%の反落。950ドルを挟んでの揉み合い推移となって値動きは限定的に。ロンドン序盤とNY午前に950ドル台後半まで上昇したのが高値となって950ドル台半ばに抵抗感、NY朝に一時940ドル割れもほぼ940ドルではサポートされ、NY引けにかけては940ドル台半ばへ収束。前日高値で950ドル台の節目上抜けに伴う短期上値目標970ドル台にほぼ到達した格好となって短期上値トライ一服、940ドルから950ドル台半ばまでのレンジでの保ち合い回帰。あらためて上方ブレイクとなれば5月高値圏980ドル台まで上値を伸ばす可能性も、下方ブレイクなら5月安値圏910ドル台までが短期下値目安に。

ドル円・日足チャート 2022/4/20 - 5/24ドル円は103銭のドル安円高、0.81%大幅続落。下落幅は今年の絶対値平均50銭の2倍、1円超の下落は今年3月以降だけで6回め、5月だけで3回め。水準としては4月15日(126.34)以来、ほぼ6週間ぶりの安値。東京朝には前日高値をわずかに上回る128円10銭付近まで上昇して失速、3日連続128円台前半、4日連続128円台で上値を押さえられると戻り売り。欧州時間には127円付近で一度は反発もNY時間には米株の軟調推移とともに米10年債利回りが2.8%割れへと急低下、米指標悪化も重石となってリスク回避のドル安円高の流れも急加速、127円を割れると一時126円30銭台まで急落。NY終盤には126円80銭台を回復して帳尻合わせ。短期下値目安127円割れを達成し、3月末安値(121.28)から5月高値(131.35)までの半値戻し(126.32)も達成。多少の行き過ぎから戻した格好にもなり、短期的には下値トライ一服となる可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/24終値とチャート

25日の国内金価格は-1円、0.01%の小幅安で4日ぶりの反落。8300円の節目上抜けに伴い、地合い回復に向けた流れがスタート、まずは短期上値目標8350円程度までを目指す展開はNY金の節目上抜けによって急加速へ、との可能性もあった状態をドル安円高で相殺。出だしでつまづきながらも今度はドル円の巻き戻しとなれば、遅れを取り戻す展開となる可能性も。勢い余れば8400円台も意識される可能性も。

国内プラチナ価格は-34円、0.8%の続落。垂れてきた21日移動平均線(4264)を9日移動平均線(4260)がデッドクロス、プレッシャーを強める抵抗帯に一段と押し下げられる形となって90日移動平均線(4223)もわずかに下抜け。上値再トライへの期待感を下値トライへの警戒感が徐々に上回る状況となり、4170円台の節目を下抜けるようだと一段安へ、今年2月と3月、4月の安値圏4100円近辺までが下値目安に。
※参考:金プラチナ国内価格5/25とチャート

2022年5月25日(水)時点の相場
国内金8,308 円 5/25(水) ▼1(0.01%)
国内プラチナ4,221 円 5/25(水) ▼34(0.80%)
NY金1,865.4 ドル 5/24(火) ▲17.6(0.95%)
NYプラチナ942.9 ドル 5/24(火) ▼7.4(0.78%)
ドル円126.86 円 5/24(火) ▼1.03(0.81%)

5/24(火)のその他主要マーケット指標

相関から逆相関へ、調整一服のドル、反発一服の金 5/26(木)

住宅と製造業景況感で2年ぶり低水準、米指標悪化でドル全面安 5/25(水)

ドイツIFO景況感は5月も改善、現況は7ヵ月ぶり高水準 5/24(火)

調整終了か継続か、トレンド転換点での攻防続く国内金価格 5/23(月)

今年の上げ幅を消すNY金、ドル高円安を上回る国内金価格 5/21(土)


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