金プラチナ短期相場観
大幅利上げ観測後退でドル円調整、国内金は三角保合い上抜け失敗
更新日:2022年8月15日(月)
米国の7月インフレ指標が軒並み低下し、インフレ圧力緩和とピークアウト観測が強まるとともに、ミシガン大消費者信頼感指数からは消費マインド低迷状態もいったん底打ちの兆しにも。これを受けてFRBの0.75%利上げ継続予想が後退、次回9月には0.50%利上げ優勢へと形成逆転とともに米株は上昇の勢いを強め、NY金も保ち合い傾向ながらも堅調気味の展開に。その一方で調整局面一服となっていたドル円は月初に雇用統計の好結果を受けて反発の勢い加速も、第2週のインフレ鈍化で巻き戻し。
ドル円の失速状態を反映する形で国内金価格は三角保合い上抜けに失敗。日足・一目均衡表では転換線と基準線(ともに8345)を上回る一役好転状態。先週高値では6月高値から上値を切り下げる抵抗線をわずかに上抜けながらも雲の下限(8521)にぶつかって反落。8月末に向けてはこの三角保合い上限ラインは8400円近辺へと低下し、雲のねじれ発生とともに8521円で水平状態の雲の下限が上限へと入れ替わり、これらを上抜けることになれば三角保合い上抜けとともに三役好転へ。8400円から8500円台前半が、国内金価格にとって当面の重要な攻防水準に。
週明け時間外のNY金は1810ドル台後半から前半へとやや軟調なスタート。為替ドル円は133円50銭台から一時133円割れを試して133円30銭台へと反発、週明けから落ち着かない展開。
15日の国内金価格は+57円、0.68%の反発。ゆるやかな上昇に転じた21日移動平均線(8326)を上抜け、その勢いを強める9日移動平均線(8373)にサポートされた格好にもなり、6月高値(8859)から8月安値(8168)の38.2%戻し(8432)を回復。短期的には上昇トレンドを維持する形となり、わずかな上昇軌道を維持する90日移動平均線(8477)も上抜けることができれば中期トレンドも回復傾向へ。下方向へは8370円の節目を割れると短期トレンドも巻き戻し、8300円近辺までが下値目安にも。
ドル円の失速状態をこなしながらも米株の堅調推移に追随する形となったNYプラチナの堅調推移にサポートされた国内プラチナ価格は、一目均衡表の雲のねじれ付近で一段高となって三役好転。中期的に重要な水準も上抜けての強気相場入り。中長期的には2021年2月高値(4798)を起点にゆるやかに上値を切り下げるレジスタンスラインと、2020年3月安値(2422)を起点に下値を切り上げるサポートラインとで形成する三角保ち合い半ばを超え、縮小するレンジ上限方向へと向い始めた様子も。まずは保ち合いレンジ上半分、三役好転状態を維持できるかどうかが当面の課題にも。
週明け時間外のNYプラチナは966ドルまで小幅に上昇して失速、960ドル割れへと軟調推移。
プラチナ価格は+35円、0.79%の続伸。6月高値(4682)から7月安値(4070)の半値戻し(4376)でサポートされて短期上昇基調を再開し、4410円の節目上抜けに伴う短期上値目標4450円近辺に到達。61.8%戻し(4448)も達成し、今年2月以降の保ち合いレンジ下半分での推移から抜け出して上方シフトの兆し。短期的には上昇一服の可能性、下方向へはレンジ中央ライン、半値戻し(4376)が重要なサポート。これを割れると1回目のレンジ上方シフトトライは失敗。4300円近辺までを短期下値目安にレンジ下半分に押し戻される形にも。
※参考:金プラチナ国内価格8/15とチャート
- 2022年8月15日(月)時点の相場
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国内金 : 8,432 円 8/15(月) ▲57(0.68%) 国内プラチナ : 4,462 円 8/15(月) ▲35(0.79%) NY金 : 1,815.5 ドル 8/12(金) ▲8.3(0.46%) NYプラチナ : 959.4 ドル 8/12(金) +-0.0(0.00%) ドル円 : 133.49 円 8/12(金) ▲0.51(0.38%)
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