金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

1日に2円も3円も動いてドル円は一時142円割れ

更新日:2022年9月10日(土)

金・プラチナ・ドル円の1日当たりの変動値幅・月間平均 2022年9月9日為替相場が「1日に2円も3円も動く」のは急激な変動で「企業の経営方針を不安定にし、将来の不確実性を高めてしまう」ため好ましくない、との黒田日銀総裁発言を受けてこの日のドル円は円高ドル売りが進行。
NY終値では前日から1円40銭超のドル安円高水準へと下落。この日の高値144円10銭台から安値141円50銭台までの変動値幅は2円60銭余り。今週だけでも6日と7日に続いて2円超の大幅変動となり、先週末の変動値幅90銭余り、今週月曜には50銭台と小康状態から再びボラティリティは拡大傾向に。
結果的に1日当たりのドル円の変動値幅は、月間平均で9月は現時点で1.70円。6月と8月の1.55円を上回り、コロナショックで乱高下となった2020年3月の1.95円以来、2年半ぶりの大幅変動月となりつつあります。

年間平均では今年ここまでで1.18円となり、2021年の0.58円の倍、2020年の0.70円も大きく上回り、2016年平均の1.21円以来、6年ぶりの高ボラティリティの年。
なお、2008年平均は1.41円、2009年は1.21円となっていました。
ちなみに、1日に3円以上動いたのは、今年は8月と6月、3月に合計4日。昨年は1日もなく、2020年は3月に3日、それ以前は2016年に4日など。
1日に2円以上動くことは珍しくなく、今年はその頻度が高めとなってはいますが、3円以上も動くことは近年でも珍しく、それなりのサプライズ・イベントがトリガとなるケースが多いようです。

24年ぶりのドル高円安水準を更新し、145円(近辺)という節目となりうる水準をつけて急反落となった現状、ボラティリティが一段と拡大する状況からもドル円のピークアウトへの警戒感も高まる状況にもなってきたかもしれません。
しかし、9月に入ってから3円以上動いた日はまだありません。
ドル円が1日に3円も動いたら、要注意サインです。

NY金・日足チャート 2022/8/5 - 9/99日のNY金相場は+8.4ドル、0.49%の反発で8月30日(1736.3)以来、10日ぶりの高値。時間外は1720ドル近辺から反発、米10年債利回りが3.3%割れへと低下、ドル安基調にも支えられてアジア時間に1730ドル台へ、ロンドン市場では1740ドルの攻防へ。しかし1740ドルで上値を押さえられる状態がNY朝まで続くと巻き戻しの展開へ、1720ドル台前半まで急反落もNY午後には1720ドル台後半へと下げ渋り。日足レベルでは上下動を繰り返す鯨幕相場が続くなか、上値も下値もわずかに切り上げ続ける反発基調。上ヒゲ陽線となった週末のこの日は実質十字線で依然、方向感は定まらず。次週、FOMCの1週間前でも米CPIの結果などをきっかけに動き出す可能性にも要警戒か。目先、上方向には1730ドルの節目を超えると1750ドル近辺を目標に反発基調加速へ。下方向へは1720ドルの節目を下抜けると1700ドルの大台割れへ、1690ドル程度までを目安に下値トライ再開へ。
週間ベースでは+6.0ドル、0.35%の小幅高で4週ぶりの反発。

NYプラチナ・日足チャート 2022/8/5 - 9/9NYプラチナは+10.5ドル、1.21%高で5日続伸。8月19日(888.0)以来、3週間ぶりの高値。5日続伸は6月以来、3ヵ月ぶりで今年2度め。時間外は870ドル付近からロンドン序盤の880ドル台まで小幅上昇も、NY朝にかけては金の反落局面に追髄、一時870ドル割れもNY午後には870ドル台へ。8月高値(974.6)から9月安値(796.8)までの38.2%戻し(864.7)達成後の一段高も、880ドルの節目でいったん上値を押さえられた格好に。この節目を突破できれば、さらに一段高の展開も見込まれ、8月高値から9月安値の61.8%戻し(906.7)、90日移動平均線(909.5)辺りまでが短期上値目標に。
週間ベースでは+58.6ドル、7.16%高で4週ぶりの反発。5月30日からの週(+73.4ドル、7.78%)以来3ヵ月ぶりで今年3番めの大幅高。

ドル円・日足チャート 2022/8/8 - 9/9ドル円は144銭のドル安円高、1.0%安となって11日ぶりの反落。2日前に145円寸前で上値を押さえられて失速し、上ヒゲ陽線となった次の日には144円を挟んで十字線に近い足形。そしてこの日は大陰線となってピークアウトの可能性も示唆しながらも、長めの下ヒゲを残して下げ渋り。財務省・日銀・金融庁の3者会合だけでは効果がなく、この日は黒田日銀総裁や鈴木財務相からの円安牽制発言などから円買いドル売り優勢の展開に。東京時間に143円を割れると欧州時間には142円割れ、一時141円50銭近辺まで下落。NY市場では3.3%割れの米10年債利回りが3.3%台回復へと反発した流れにも連れて142円台半ばまで反発。結果的に8月安値から9月高値の23.6%戻し(141.54)を達成し、早々と調整終了の可能性も残しての切り返し。次週、CPI結果確認まではいったん落ち着く展開も予想されるものの、その後は調整再開となれば次の下値目安は38.2%戻し(139.41)近辺も。逆に反発方向へ144円台再浮上となれば上値トライ再開、145円台再トライへも。
週間ベースでは+2.41円のドル高円安、1.72%高で4週続伸。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/9終値とチャート

2022年9月10日(土)時点の相場
国内金8,642 円 9/9(金) ▼56(0.64%)
国内プラチナ4,387 円 9/9(金) ▲42(0.97%)
NY金1,728.6 ドル 9/9(金) ▲8.4(0.49%)
NYプラチナ876.9 ドル 9/9(金) ▲10.5(1.21%)
ドル円142.64 円 9/9(金) ▼1.44(1.00%)

9/9(金)のその他主要マーケット指標

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