更新日：2022年11月28日(月)
わずかなインフレ鈍化の兆しにやや過剰反応した市場では、早期利上げ停止の楽観見通しも台頭。しかしこれを牽制するようなFRB高官発言などもあり、インフレ収束への長い道のりと、それに伴う利上げ継続やむなしとの思惑も交錯。利上げペース鈍化見通しなどから大幅調整となったドル円も足下ではやや下げ渋りの兆候も。これに呼応する形で急反発局面を形成したNY金も一服状態に。結果的に円安サポートが外された国内金価格はNY金にしっかりサポートされて下げ渋り、ただし反発も限定的に。
ターミナルレート予想は現時点で来年半ばに5.00-5.25％。今週末の雇用統計の結果を受けて、この予想も微妙に変化することも予想されます。微妙に揺れ動く利上げの終着点見通しと同様に、国内金価格も高値圏での保ち合いを維持しながら、微妙に揺れ動く展開が続きそうな状況に。
11月第5週、月末の週明け時間外のNY金は1750ドル近辺、先週末からわずかに軟調。NYプラチナも980ドル台後半から前半へと小幅に水準を切り下げてのスタート。為替ドル円は週末の139円10銭台から40銭台へと小幅に急騰スタート後に戻り売りとなって139円割れ。
28日の国内金価格は+35円、0.41％高で3日ぶりの反発。8620円の節目割れに伴う短期下値目安8530円近辺到達後の自律反発となって下落局面一服。ただし下押し圧力優勢となる状況は変わらず、8530円が当面の下値サポートとなり切れない場合には8500円割れへと一段安の展開にも、11月安値8490円近辺までが下値目安に。地合い回復に向けては21日移動平均線（8617）回復が目安にも。
日足一目均衡表では、基準線（8619）を下抜け、遅行線も26日前の価格水準（8643）との揉み合いから下抜け、雲の上限（8561）は先週末に一度は下抜けながらも再度上抜け、ギリギリ一役好転。9月27日（8280）と11月4日（8494）とを結ぶ下値サポートラインを下抜けて斜行三角保合い崩れとなり、今年春以降の中期保ち合いレンジ（8200-8860）半ばでの軟調局面。当面のサポート候補は雲の上限から下限（8495）、6月高値から8月安値の半値戻し（8514）、90日移動平均線（8487）など。中期保ち合いレンジ半ばは強めのサポートとなる可能性もある反面、これらを下抜けた場合には短期主要レンジ下方シフトへと向かう可能性も。
プラチナ価格は-24円、0.5％安で3日続落。11月4日（4744）以来、3週間ぶりの安値となり、4780円の節目割れに伴う短期下値目安4740円近辺に到達。短期的な一服感を、斜行三角保合い下放れの勢いが上回るようだと11月安値を更新しての一段安も、9月安値（4052）から11月高値（5076）の38.2％戻し（4685）辺りまでがさらなる下値警戒水準にも。反発方向へは21日移動平均線（4883）から4890円近辺までが当面の抵抗水準。これを上回ることができれば4950円近辺までの反発局面形成へも。
一目均衡表では基準線（4831）との攻防状態からこれを大きく下抜けて一役逆転。二役好転は維持しながらも、遅行線は26日前の水準（4700）を上回りながらも目先は下抜けの可能性も高まる状況にも。価格水準を大きく下回る雲の上限（4555）も12月半ばにかけては4700円台から4800円台へと急騰。9月安値から11月高値の38.2％戻し（4685）は重要なサポート候補。今年10月初旬までの保ち合いレンジ上限となっていたこのラインを割り込むようだと、中期保ち合いレンジ内へと回帰することにも。
※参考：金プラチナ国内価格11/28とチャート
2022年11月28日(月)時点の相場
国内金：8,573 円 11/28(月) ▲35(0.41％)
国内プラチナ：4,744 円 11/28(月) ▼24(0.50％)
NY金：1,754.0 ﾄﾞﾙ 11/25(金) ▲8.4(0.48％)
NYプラチナ：987.8 ﾄﾞﾙ 11/25(金) ▼9.0(0.90％)
ドル円：139.17 円 11/25(金) ▲0.55(0.40％)