金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

PCEは予想どおりの減速基調継続、サービス価格は高止まり

更新日:2023年1月28日(土)

PCE・コアPCE・トリム平均PCE・メディアンPCE 2022年12月FRBが金融政策の指針とするPCEインフレは2022年末に期待どおりの鈍化傾向持続で当面の利上げペース減速をサポート。差し当たり、市場の早期緩和期待の阻害要因にもならず。
米商務省発表の12月PCEは前年比+5.02%。11月の+5.54%から一段と低下して3ヵ月続落、2021年9月(4.65)以来、1年3ヵ月ぶりの低水準。ただし5%超は15ヵ月連続。
食品とエネルギー関連を除くコアPCEは前年比+4.42%。これもほぼ市場予想どおりで11月の+4.68からは着実に低下、3ヵ月続落で2021年10月(4.31)以来、1年2ヵ月ぶりの低水準。ただし4%超は15ヵ月連続。

内訳として、商品価格は前年比+4.6%となり、11月の+6.1%から大幅鈍化。昨年3月と6月の+10.6%でピークアウト後は6ヵ月連続の低下となり、2021年4月(4.5)以来、1年8ヵ月ぶり低水準。
一方、サービス価格は前年比+5.2%で11月からは変わらず。10月に+5.5%でピークアウトの可能性を示した翌月に小幅低下で横ばい推移。5ヵ月連続5%台での高止まり状態にも。
なお、商品価格のインフレ率がサービス価格を下回るのは2021年2月以来、1年10ヵ月ぶり。

PCE構成品目の上下20-30%をカットして算出する、ダラス連銀のトリム平均PCEは前年比+4.42%。11月の+4.59%を下回り、ピークとなった8月の+4.75%からは4ヵ月続落となって7ヵ月ぶりの低水準。ただし4%台は8ヵ月連続。
価格変動分布50%台の品目で算出する、クリーブランド連銀のメディアンPCEは前年比+5.39%。11月の+5.56%から低下し、ピークとなった8月の+5.81%からは4ヵ月続落となって半年ぶりの低水準。ただし5%台は7ヵ月連続、4%超は12ヵ月連続。
インフレ鈍化傾向は2022年末までは着実に進行中、ただし依然として歴史的高水準。変動ペースの緩やかなサービス価格の減速動向が2023年の注目ポイントにもなりそうです。

NY金・日足チャート 2022/12/21 - 1/2727日のNY金相場はわずかに-0.6ドル、0.03%の小幅続落で1月23日(1928.6)以来、4日ぶりの1930ドル割れ。変動値幅18.9ドル、今年の平均26.7ドルの7割で今年4番めの小動きとなったこの日、高値は時間外序盤とNY市場でPCE発表直後につけた1935.4ドル。ほぼ1920ドル台までのレンジで保ち合いとなったなか、PCE後のドル安が一時的となって反転した流れでは1916.5ドルの安値をつけてNY引けにかけては1930ドル近辺へと反発。安値は1月23日(1912.5)以来の水準も、5日連続1910ドル台から1920ドルまでの水準で下ヒゲを切り返す底堅さも。しかし年末年始以降、水準を切り上げてきた流れも失速し、調整局面入りの様相にも。FOMCを経て多少の調整を挟んで次の展開へ、という状況にも。1900ドルから1940ドル台までが当面の主要レンジとなり、抜け出すようなら上方向へは1960ドル台まで、下方向へは1880ドル近辺まで。
週間ベースでは+1.2ドル、0.06%高でなんとかプラス圏を維持して6週続伸。6週続伸は2020年8月以来、2年半ぶり。

NYプラチナ・日足チャート 2022/12/21 - 1/27NYプラチナは-6.2ドル、0.61%安で3日続落。12月22日(984.6)以来、5週間ぶりの安値。時間外序盤の1029.6ドルが高値となって軟調推移が継続、ロンドン序盤にかけて1010ドル付近へと水準を切り下げるとロンドン・NY市場にかけては1020ドル近辺までのレンジで保ち合いとなって下げ渋り。NY市場で一時的に金が急落した場面では1004.1ドルまで下落もNY引け後には1020ドル近辺を回復。短期下値目安1020ドル近辺では下げ渋る展開となって下落局面一服の様相も、FOMCを控えて1000ドルの大台前後までが引き続き一段安への警戒水準に。
金との価格差は912.6ドル、7月5日(913.2)以来、6ヵ月半ぶりの水準へと拡大。
週間ベースでは-31.0ドル、2.96%安で3週続落。3週続落は8月以来、5ヵ月ぶり。

ドル円・日足チャート 2022/12/26 - 1/27ドル円は40銭のドル安円高、0.31%の反落。東京朝に130円を割れると129円50銭近辺へ、下値も限定的となって下げ渋ると日銀の共通担保資金供給オペ実施通告を受けて円安優勢となって130円台を回復。東京市場終了直後には130円20銭台まで上昇も130円台では上値も重く、欧州・NY時間にかけては129円80銭台を中心に小幅揉み合い推移。市場予想どおりとなった12月PCEの結果にも反応は限定的となり、一時的に129円50銭台まで下落後には130円まで反発する場面も。この日も20日移動平均線(130.39)にしっかり上値を押さえられ、129円半ばまでの保ち合いレンジ上限を切り下げる形にも。FOMC通過後に上下どちらかへのブレイクで次のトレンド形成へも。
週間ベースでは+25銭、0.19%の続伸。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場1/27終値とチャート

2023年1月28日(土)時点の相場
国内金8,807 円 1/27(金) ▼30(0.34%)
国内プラチナ4,612 円 1/27(金) ▼70(1.50%)
NY金1,929.4 ドル 1/27(金) ▼0.6(0.03%)
NYプラチナ1,016.8 ドル 1/27(金) ▼6.2(0.61%)
ドル円129.83 円 1/27(金) ▼0.40(0.31%)

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