金プラチナ短期相場観
ドイツIFO景況感は見通し悪化で失速、5月は3ヵ月ぶり低水準
更新日:2023年5月25日(木)
今週発表されたドイツの総合PMIは5月速報で54.3となって7ヵ月続伸、13ヵ月ぶり高水準へと好調維持。サービス業PMIが57.8で6ヵ月続伸、1年9ヵ月ぶり高水準となって牽引。42.9で4ヵ月続落、3年ぶり低水準となった製造業PMIをカバーする格好となっていました。
この日発表された5月のIFO景況感指数は91.7となり、14ヵ月ぶり高水準となった4月(93.4)からは-1.7。7ヵ月ぶりの反落となって3ヵ月ぶりの低水準。現況指数が前月比-0.3の小幅低下に対して期待指数が-3.1の低下。先行き見通し悪化により、好調を維持してきたIFO景況感指数が崩れ始めてきた格好に。
不確実性指数も13ヵ月ぶり低水準となった3月で底打ち、2ヵ月連続の上昇で3ヵ月ぶり高水準。
業種別では製造業が0.3となり、前月比-6.0の急低下で続落、4ヵ月連続プラス圏も4ヵ月ぶり低水準。期待感が特に悪化。期待の悪化は、ほぼすべての業種でも同様。
サービス業は6.8で5ヵ月連続プラス圏も続落、前月比-0.1とほぼ横ばい推移ながら3ヵ月ぶり低水準。
製造業ではPMIが先行していた悪化基調にIFOの指標もここにきて急速に追随する形に。サービス業と総合では好調を維持するPMIに対してIFOでは徐々に悪化の兆し。
製造業でもサービス業でも、PMIでもIFOでも、見通し悪化は共通しており、回復基調腰折れと夏場に向けての景気悪化が見込まれそうな状況に。
とりあえずドイツのサービス業PMIと総合PMIも、今後は指数の低下も予想されそうです。
24日のNY金は-9.9ドル、0.5%安で3日続落。5月18日(1959.8)以来、1週間ぶりの安値。下ヒゲ十字線となった前日の流れを受け、ほぼ1970ドル台での保ち合いで時間外を通過するとNY朝にかけては前日高値を上抜けて1980ドル台後半まで上昇。しかし1週間前の5月18日高値(1988.8)付近で失速すると、米長期金利上昇とドル高の流れを受けて急反落、NY午後には安値で1960ドル割れ。NY引けにかけては自律反発も、引け後には1960ドル近辺での攻防に。抵抗水準1980ドル台での上値の重さを確認し、1950ドルの下値サポートも維持したものの、目先は債務上限問題によるサポートよりも追加利上げへの警戒感による下押し圧力が若干優勢の状況にも。1950ドルの節目を割れた場合、90日移動平均線(1946.4)も完全に下抜けると一段安への警戒感が高まる状態に。昨年11月安値(1618.3)から5月高値(2085.4)の38.2%戻し(1907.0)近辺、1900ドルの大台近辺までが意識される可能性。
NYプラチナは-28.1ドル、2.66%の大幅続落で4月12日(1027.5)以来、6週間ぶりの安値。1050ドル台後半での小幅揉み合い推移となったアジア時間には、一時1060ドル台前半までの小反発で力尽きた格好となって戻り売り。ロンドン市場で1050ドル台のサポートを割れるとNY市場では1030ドル割れへと一段安、自律反発で1030ドル台回復を試すも限定的に。1050ドル台の節目割れに伴う短期下値目安1000ドルの大台前後を目指す流れが急速に進行。水平状態の90日移動平均線(1018.1)にいったんサポートされるかどうか。
ドル円は87銭のドル高円安、0.63%の上昇で昨年11月23日(139.61)以来、半年ぶりの高値。東京市場では日経平均の下落にも連れる格好となって138円60銭台から138円20銭台へと軟調推移、東京市場終了後には138円70銭台へと反発も、保ち合い上限138円80銭では上値を押さえられて失速。欧州時間の軟調推移も138円30銭台までにとどまり、NY市場ではウォラーFRB理事の「引き締め終了は時期尚早」発言を受けて金利上昇とドル高の流れが強まって139円トライへ、NY終盤にかけて139円40銭台まで上昇し、今朝の東京市場では139円60銭台へと一段高。138円80銭の節目突破で高値保ち合い上放れ、これに伴う短期上値目標139円台後半にも到達。目先は一服感も、勢い余って節目の140円トライへも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/24終値とチャート
25日の国内金価格は-37円、0.38%安となって4日ぶりの反落。9600円の節目上抜けに伴う短期上値目標9700円トライには失敗、5月19日(9528)以来の安値へと巻き戻し。勢いにも欠け、調整局面からも抜け出し切れない状態での上値トライには少し無理があった様子。9日移動平均線(9593)もわずかに下抜けて上値の重さも露呈。それでも目先の上限9630円超へと抜け出すことができれば今年高値(9679)近辺再トライの可能性も。下値サポートは引き続き9520円台、高値保ち合い長期化に伴い重要度も増し、割れると大幅調整にも、下値目安は9400円近辺へ。
プラチナ価格は-116円、2.28%の大幅続落となって4月18日(4890)以来、5週間ぶりの安値。今年の絶対値平均51円の2.27倍、今年5番めの急落となって節目の5040円台を大きく割り込み、ダブルトップ、もしくは三尊天井のネックライン4980円も下抜け。短期下値目安としては4900円の大台ライン近辺まで。中期的には4700円台半ば辺りまでが意識される可能性も。
※参考:金プラチナ国内価格5/25とチャート
- 2023年5月25日(木)時点の相場
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国内金 : 9,592 円 5/25(木) ▼37(0.38%) 国内プラチナ : 4,968 円 5/25(木) ▼116(2.28%) NY金 : 1,964.6 ドル 5/24(水) ▼9.9(0.50%) NYプラチナ : 1,029.5 ドル 5/24(水) ▼28.1(2.66%) ドル円 : 139.46 円 5/24(水) ▲0.87(0.63%)
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