金プラチナ短期相場観
ダブルトップ形成の国内金、調整継続なら9500円も
更新日:2023年7月10日(月)
米6月雇用統計では雇用者数が市場予想ほどは伸びなかったものの悲観するような状況でもなく、賃金上昇率は高止まり。この結果を受けてドル安が進行してNY金は反発へという展開のようにも見えたものの、実際にはそれ以前にスタートしていた流れが若干勢いを増したような格好にも。とりわけドル円などではドル高円安の流れが、NY金は軟調推移がそれまで続き、格好の巻き戻しポイントとなったような状況のようにも。
これを受けて7月FOMCでの利上げ予想もそれほど変化はなく、0.25%追加利上げの確率は1週間前の80%台から90%台へと上昇した状態でほぼ変わらす。さらにその先の9月にも追加0.25%利上げ予想も1週間前の20%程度から24%へと上昇して横ばい推移。7月利上げがほぼ確実視される現状、市場のテーマは既に9月の追加利上げ動向へ。それを左右する最初のチェックポイントが今週水曜日。米6月CPIの結果次第で9月利上げ観測後退で反転した流れ継続か、9月利上げ予想加速で雇用統計以前のトレンドへの回帰となるか。
週明け時間外のNY金は1930ドル付近、週末水準での小動き。NYプラチナは週末の910ドル台半ばから920ドル回復トライ。ドル円は142円20銭台から東京市場スタート直後の株高の流れに追随して142円50銭台へ。
10日の国内金価格は-37円、0.38%安で3日続落。6月15日(9568)以来、3週間ぶりの安値。雇用統計前から調整局面がスタートしていたドル円の下げ幅が拡大し、NY金の反発では補い切れずに国内金価格も調整局面継続。短期的には9670円の節目割れに伴う下値目安、6月安値(9568)付近となる9570円近辺までを目指す流れが進行、もう少しの下げ余地も。
日足一目均衡表では転換線(9695)、基準線(9670)を下抜け、遅行線も26日前の水準(9652)を下抜けて二役逆転。9560円から週末に9609円へと上昇する雲の上限が目先のサポート候補。この近辺は4月末安値(9341)から7月高値(9772)の38.2%戻し(9607)、5月以降の三角保ち合い先端部分も重なり、比較的強めのサポートとなる可能性も。その一方で6月高値(9762)と7月高値で形成するダブルトップのネックライン(9631)を割り込み、最高値圏でのダブルトップを完成。この値幅(131)分さらに下落した場合の水準は9500円。61.8%戻し(9506)にも相当。調整局面継続なら、国内金価格はこの夏9500円程度までの下落も想定可能か。
プラチナ価格は-6円、0.13%の小幅安で3日続落。3月30日(4444)以来、3ヵ月ぶり安値圏で下げ止まり切れず。4550円の節目割れに伴う短期下値目安、2月安値(4289)から5月高値(5197)の76.4%戻し(4503)近辺にほぼ到達したことから、そろそろ調整一服にも都合の良いところだが。
日足一目均衡表では、下落基調が続く転換線(4575)がレジスタンスとなって三役逆転継続。遅行線も26日前の雲の下限(4732)を維持し切れずに大きく下抜け、軟調局面は一段と進行。ただし5月以降は斜行三角保ち合いを形成し、その先端部分に差し掛かる状態となっていることも反発への可能性を示唆。
※参考:金プラチナ国内価格7/10とチャート
- 2023年7月10日(月)時点の相場
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国内金 : 9,618 円 7/10(月) ▼37(0.38%) 国内プラチナ : 4,506 円 7/10(月) ▼6(0.13%) NY金 : 1,932.5 ドル 7/7(金) ▲17.1(0.89%) NYプラチナ : 918.5 ドル 7/7(金) ▲8.8(0.97%) ドル円 : 142.10 円 7/7(金) ▼1.96(1.36%)
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