金プラチナ短期相場観

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ユーロ圏消費者物価は1年半ぶり低水準、国別では1-10%

更新日:2023年8月1日(火)

ユーロ圏消費者物価指数 HICP 2023年7月速報欧州連合(EU)統計局発表の消費者物価指数(HICP)のユーロ圏7月速報値は前年比+5.3%となり、6月の+5.5%から低下。3ヵ月続落となって2022年1月(5.1)以来、1年半ぶりの低水準。インフレ鈍化が進行し、第2四半期GDPが前期比+0.3%となり、第1四半期の-0.1%から上昇してプラス成長を回復した流れ継続への期待感も高まる流れとなり、ECBの利上げ打ち止めのサポート材料にも。

ただし、消費者物価のコア指数では前年比+5.5%となって6月からは変わらず横ばい推移。また、サービス価格は前年比+5.6%となって6月の+5.4%から再加速の兆しにも。
ユーロ圏内、国別でもバラつきが。
<主要国>
ドイツ:前年比+6.5%=前月から-0.3、1年3ヵ月ぶり低水準となった5月(+6.3%)以来2ヵ月ぶり低水準。
イタリア:+6.4%=-0.3、3ヵ月続落で1年3ヵ月ぶり低水準。
フランス:+5.0%=-0.3、3ヵ月続落で1年5ヵ月ぶり低水準。
スペイン:+2.1%=2年3ヵ月ぶり低水準となった6月(+1.6%)から+0.5の反発。
<高インフレ国>
スロバキア:+10.2%=-1.1で5ヵ月続落、1年4ヵ月ぶり低水準。
クロアチア:+8.1%=-0.2で1年4ヵ月ぶり低水準。
リトアニア:+7.1%=-1.1で10ヵ月続落、1年10ヵ月ぶり低水準。
オーストリア:+7.0%=-0.8で3ヵ月続落、1年4ヵ月ぶり低水準。
<低インフレ国>
ベルギー:+1.6%=1年11ヵ月ぶり低水準となった6月から横ばい推移。
ルクセンブルグ:+2.0%=2年4ヵ月ぶり低水準となった6月から+1.0、10ヵ月ぶりの反発。
スペイン
キプロス:+2.4%=-0.4で12ヵ月続落で2年1ヵ月ぶり低水準。

なお、ユーロ圏内でのインフレ率の高低差は7月速報では8.6%。インフレ率低下とともに高低差も縮小し、年初の15%台からは大きく縮小。それでも1%台から10%台まで、大きな開き。
インフレ率でユーロ圏の水準を下回るフランスとスペインはGDPでもプラス成長となり、ユーロ圏の水準を上回る高インフレが続くドイツはゼロ成長、イタリアはマイナス成長と苦戦中。

NY金・日足チャート 2023/6/26 - 7/3131日のNY金は+9.3ドル、0.47%の続伸。5月15日(2022.7)以来2ヵ月半ぶり高値圏での一段高。時間外は1990ドル台後半から前半へと軟調気味に推移、ロンドン市場では一時1990ドル割れを試す場面もありながら、これが安値となって切り返し。米10年債利回りが4%付近で頭打ちとなって反落した流れにも連れ、NY朝にかけて2000ドルの大台を回復すると高値では2010ドルまで上昇。ただし2010ドルがいったん上限となる形で上値を押さえられ続けるとNY引け後には2000ドル付近へと反落。利上げ打ち止め観測優勢の勢いにサポートされた感も、短期上値目標2000ドル近辺到達でいったんは落ち着きそうな状況にも。5月高値(2085.4)から6月安値(1900.6)の半値戻し(1993.0)近辺が下値サポートとなるようなら、61.8%戻し(2014.8)近辺までが目先の上限にも。

NYプラチナ・日足チャート 2023/6/26 - 7/31NYプラチナは+14.9ドル、1.58%高で4日ぶりの反発。960ドルの節目割れに伴う短期下値目安、6月安値(894.2)から7月高値(1003.7)の61.8%戻し(936.0)を達成後に十字線形成を挟んで反発。ゆるやかに上昇する20日移動平均線(956.5)を上抜け、38.2%戻し(961.9)を回復。980ドルの節目を上抜けることができれば反発局面再開へ、1000ドルの大台回復が短期上値目標に。逆に当面の下値サポートとなる940ドルを下抜けてしまうと920ドル近辺までの一段安も。

ドル円・日足チャート 2023/6/27 - 7/31ドル円は110銭のドル高円安、0.78%の続伸。週末の急反発から一服となった週明け東京市場朝には141円ちょうど付近から140円70銭近辺まで下押し、これが安値となって押し目買いの展開へ。日銀の国債買い入れオペに伴い、株高にも連れて午後には141円90銭台まで上昇。東京市場終了後には141円50銭台までの下押しを挟んで欧州時間には142円台半ばへ、NY朝には一時142円70銭付近まで上昇。米7月シカゴPMIが予想を下回ったこともきっかけに142円付近まで反落も、NY午後にかけても142円台を維持。今朝の東京市場では142円台後半へと一段高。141円90銭の節目を上抜けたことから短期的にはもう一段の上値トライへ、上値目標は143円台回復、6月末高値(145.07)から7月安値(137.24)の76.4%戻し(143.22)近辺までが目安に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/31終値とチャート

1日の国内金価格は+135円、1.39%の大幅続伸。前日に続き今年4番めの上げ幅となって7月5日(9772)以来、4週間ぶりで今年19回めの過去最高値更新。強気パーフェクトオーダーの勢いのまま、一段高となって9740円の節目を上抜け、これに伴う短期上値目標9800円台に到達。短期的には上値トライ一服の様相も、中期的には一段高への可能性も示唆。7月中旬安値(9499)を底値に5月安値(9528)、7月末安値(9529)と合わせて逆三尊を形成し、ネックラインとなる7月高値(9772)を上抜けたことでこれを完成。想定可能な最大上昇値幅273円(=9772-9499)分上昇した場合の水準は10045円(=9772+273)。

プラチナ価格は+129円、2.81%の大幅続伸。上げ幅としては今年の絶対値平均50円の2.58倍、3ヵ月ぶりで今年5番めの大幅高。今年最大の下げ幅となった7月28日の急落分をこの2日間でなんとか取り戻した格好となり、保ち合い下放れによる急落をなかったことにして保ち合い水準に回帰。目先、4740円の節目を上抜けることができれば形成逆転、上値トライの流れとなって当面の上値目標は6月中旬の戻り高値水準4850円近辺まで。
※参考:金プラチナ国内価格8/1とチャート

2023年8月1日(火)時点の相場
国内金9,831 円 8/1(火) ▲135(1.39%)
国内プラチナ4,712 円 8/1(火) ▲129(2.81%)
NY金2,009.2 ドル 7/31(月) ▲9.3(0.47%)
NYプラチナ958.6 ドル 7/31(月) ▲14.9(1.58%)
ドル円142.27 円 7/31(月) ▲1.10(0.78%)

7/31(月)のその他主要マーケット指標

求人件数減少継続、ISM製造業景況指数は9カ月連続で活動縮小 8/2(水)

ユーロ圏消費者物価は1年半ぶり低水準、国別では1-10% 8/1(火)

日銀YCC柔軟化を受けて市場は乱高下、国内金も弾力的に急反発 7/31(月)

日銀YCC運用柔軟化の混乱一服、米PCE鈍化でもドル円買い戻し 7/29(土)

米GDP上振れでドル高・NY金急落、YCC修正報道で円高急進 7/28(金)


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