金プラチナ短期相場観
円高圧力急進、国内金価格も過去最高値更新トライ一服
更新日:2023年9月11日(月)
週明けの朝は為替が円高方向へ大きく窓を開けてスタート。1ドル=147円80銭近辺で週末を終えていたドル円は週明け早朝には146円台後半から147円20銭台まで戻してやや失速。週末の報道で植田日銀総裁が年内にもマイナス金利解除を含めた政策変更の可能性などに言及したことが材料視されたとの見方が有力。ただ、背景的には既に織り込み始めていることでもあり、米国が利上げ最終局面にあり、ドル高円安基調もピーク水準間近との思惑もあって介入警戒感も高まる状況なども意識され、閑散時間を狙った仕掛け的な売りが入った可能性も。
時間外のNY金は週末の1940ドル付近から小幅乱高下を挟み、ドル安にサポートされる格好となって1940ドル台半ばへと小幅に上昇。NYプラチナも890ドル台半ばから後半へ。
11日の国内金価格は先週末から-22円、0.22%安で3日続落。8月29日(9886)以来、2週間ぶりの安値。最高値圏での保合い崩れへの警戒感も高まりつつあった状況から、今朝の円高圧力に押されて9930円の節目割れ。8月末高値(9986)と9月6日の最高値(9991)とで小さなダブルトップを形成し、ネックラインとなる9月1日の水準(9930)を下回ったことから、ダブルトップの値幅30円程度の下落となれば9870円。7月安値(9499)から最高値までの23.6%戻し(9875)も重なる9870円近辺までが短期下値目安に。ただし水曜日の米CPI結果などをきっかけに切り返す展開となって1万円超へと向かえば、10100円程度までの一段高となる可能性も。
日足・一目均衡表では転換線(9956)を下回って三役好転崩れ。4月以降の中期上昇チャネル上限ラインを超えて行き過ぎた流れは巻き戻された格好にも。当面の下値サポート候補としては、21日移動平均線(9846)、4月安値(9341)から9月最高値の23.6%戻し(9838)、基準線(9823)など。
プラチナ価格は-76円、1.62%安となって7日続落。8月18日(4557)以来、3週間ぶりの安値。7日続落は今年最長で昨年12月以来、9ヵ月ぶり。10日続伸直後の7日続落でRSIはようやく中立を下回る47。値幅的には8月安値(4461)から高値(4965)の61.8%戻し(4654)も突き抜けての一段安、76.4%戻し(4580)も目前。これも下回るようだと次のサポート候補は重要な節目となる4500円の大台近辺。これを割れると中期トレンドも崩れて4400円割れも意識されるような展開にも。
日足・一目均衡表では転換線(4784)と基準線(4713)、雲の上限(4817)と下限(4639)などをまとめて下抜けて二役逆転。遅行線は26日前の価格水準(4583)をわずかに上回り、これが目先のサポート候補にも。その下には2月安値(4289)から5月高値(5197)の76.4%戻し(4503)が中期的にも重要なサポート。
※参考:金プラチナ国内価格9/11とチャート
- 2023年9月11日(月)時点の相場
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国内金 : 9,921 円 9/11(月) ▼22(0.22%) 国内プラチナ : 4,603 円 9/11(月) ▼76(1.62%) NY金 : 1,942.7 ドル 9/8(金) ▲0.2(0.01%) NYプラチナ : 894.8 ドル 9/8(金) ▼14.8(1.63%) ドル円 : 147.80 円 9/8(金) ▲0.51(0.35%)
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