金プラチナ短期相場観
回復基調のNY連銀製造業景況指数、10月は再びマイナス圏
更新日:2023年10月17日(火)
NY連銀製造業景況指数は10月に再びマイナス圏へ。
上下動を繰り返すNY連銀製造業景況指数の10月は市場予想の-5.0を上回る-4.6。9月の1.9からは-6.5ポイントの反落で2ヵ月ぶりの低水準でマイナス圏へと逆戻り。
大底を形成した1月(-32.9)と5月(-31.8)からの反発傾向は続くものの、なかなか安定してプラス圏回復とはならない状況。
6ヵ月平均では-7.63となり、10ヵ月ぶり高水準となった9月(-5.07)を下回り、5ヵ月ぶりの反落。基調としては5月(-15.92)で底打ち後は回復局面が継続も、15ヵ月連続のマイナス圏推移。
構成指数では、新規受注が9月から低下して再びマイナス圏へと反落し、受注残は-19.1。5ヵ月ぶり高水準の9月(-5.2)から急反落、6ヵ月連続マイナス圏で2020年5月(-20.3)以来、3年5ヵ月ぶりの低水準。需要低迷を示唆。
入荷遅延は-6.1。10ヵ月ぶり高水準となった9月(2.1)からは急反落となり、需要回復の可能性を示唆していた状況を否定する結果のようにも。
雇用は3.1。9月(-2.7)から急反発で3ヵ月ぶり高水準でプラス圏回復、平均労働時間も11ヵ月ぶり高水準で雇用情勢はそれほど悪くはない状況。
期待指数は23.1。1年半ぶり高水準の9月(26.3)から小幅に低下も、1年7ヵ月で2番めの高水準。
将来への期待感を込めて、見通しだけは高止まり。
16日のNY金は先週末から-7.2ドル、0.37%の反落。週末の急騰からは一服となり、週明け時間外は1940ドル台前半から1930ドル台へと水準を切り下げ、安値では1920ドル付近までで下げ渋り。ロンドン市場にかけてはドル安傾向の流れにも連れてゆるやかに反発、NY市場では1930ドル台を回復して小康状態に。イスラエルのガザ侵攻への警戒感は続きながらも関係各国の危機回避、紛争拡大回避に向けた画策などの動きもあり、状況を見守るようにリスク回避の流れも一服状態に。緊張感も続くなか、上昇一服のNY金は90日移動平均線(1938.5)と200日移動平均線(1939.4)との攻防状態にも。目先、1940ドル台までの抵抗水準を突破できれば一段高の展開へ、1970ドル付近までが短期上値目安に。下方向には心理的節目となる1900ドルの大台がサポート候補となるかどうか。
NYプラチナは+15.2ドル、1.72%の続伸で9月29日(915.9)以来、半月ぶりの高値。アジア時間には880ドル台から890ドル台へと小幅上昇後に失速、ロンドン市場にかけては880ドル台での保合いから安値では一時880ドル割れも、NY市場では反発。NY午後には890ドル台を回復し、高値では900ドルにもワンタッチ。しかし右肩下がりの20日移動平均線(900.9)にも上値を押さえられ、900ドルの大台ラインがレジスタンスにもなりかねない状況にも。目先、これをしっかり突破できれば短期的には920ドル程度までの上値余地も。
ドル円は6銭のドル安円高、0.04%の小幅続落。149円50銭を挟んでの小幅保合いに終始、東京午後の時間帯に一時148円30銭台まで下げたのが安値となり、ほぼ40銭付近が下限に。NY市場では米10年債利回りが4.72%台へと上昇したタイミングで一時149円70銭台まで上昇したのが高値となり、ほぼ60銭台が上限に。この日の変動値幅は38銭となって今年の平均130銭の30%弱、2日連続40銭未満となって今年3番めの小動き。150円付近の高値でダブルトップを形成しつつある状態にもなり、149円90銭の節目を超えて局面を打開できれば今年高値更新トライへ、150円台半ばまでが短期上値目標に。下方向へは148円50銭が比較的重要なサポートとなり、これを割れると高値保合い崩れとなって下値トライへ、147円近辺までが短期下値目安。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/16終値とチャート
17日の国内金価格は-34円、0.34%安で4日ぶりの反落。3年7ヵ月ぶりの大幅高で過去最高値更新後の調整となって10100円割れ、短期上値目標10200円付近を目指した流れは巻き戻しとなったものの、過去2番めの高値水準を維持して上値トライ一服状態のようにも。ゆるやかに上昇する90日移動平均線(9761)を9日移動平均線(9778)がゴールデンクロス、上昇し始めた21日線(9859)超えを目指す流れでサポートを形成。目先、10120円台の高値再更新へと切り返す展開となれば、あらためて9月高値(10063)から10月安値(9512)の123.6%戻し(10193)近辺、10200円付近までの短期上値目標再トライへ。
プラチナ価格は+28円、0.61%の続伸で10月2日(4741)以来、2週間ぶりの高値。続伸となったのも10月2日以来で、上下動を繰り返してきた流れからようやく抜け出し始めた可能性も示唆。ただし、保合いレンジを微妙に拡大する小さな逆三角保合いを形成中の可能性もあり、反落警戒感も。それでも4640円の節目を上抜けたことで上値トライへの流れがスタートした可能性。目先、21日移動平均線(4661)や90日移動平均線(4678)が抵抗線とならなければ、8月高値(4965)から10月安値(4484)の半値戻し(4725)近辺までが短期上値目標に。
※参考:金プラチナ国内価格10/17とチャート
- 2023年10月17日(火)時点の相場
-
国内金 : 10,090 円 10/17(火) ▼34(0.34%) 国内プラチナ : 4,648 円 10/17(火) ▲28(0.61%) NY金 : 1,934.3 ドル 10/16(月) ▼7.2(0.37%) NYプラチナ : 899.4 ドル 10/16(月) ▲15.2(1.72%) ドル円 : 149.53 円 10/16(月) ▼0.06(0.04%)
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