金プラチナ短期相場観

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NY連銀製造業景況指数は低調もNY連銀総裁発言でドル買い

更新日:2023年12月16日(土)

NY連銀製造業景況指数 2023年12月NY連銀の低調な指標結果を、NY連銀総裁がハト派否定発言でカバー。ドル一段安も警戒された流れをいったん下支え。

12月のNY連銀製造業景気指数は-14.5。市場予想の2.0を下回り、11月の9.1からも急反落となって4ヵ月ぶりの低水準に。
上下動の激しいこの指標は、6ヵ月移動平均では-4.33。1年4ヵ月ぶり高水準となった11月(-0.82)から反落。プラス圏回復目前での失速となり、1年5ヵ月連続マイナス圏推移。
構成指数では、新規受注が-11.3。3ヵ月続落、3ヵ月連続マイナス圏で4ヵ月ぶりの低水準。出荷も-6.4で4ヵ月ぶりの低水準。
受注残は-24.0。3ヵ月続落で2014年12月以来、9年ぶりの低水準。入荷遅延も-15.6となって2009年1月以来、14年10ヵ月ぶりの低水準。
需要の落ち込みを示唆。

この指標発表と前後してNY連銀のウィリアムズ総裁の「利下げについて語るのは時期尚早」との発言が伝わり、一時ドルの買い戻しが急速に進行。
来年3月の利下げを織り込む市場の前のめり姿勢を諫めるように、「利下げについて協議しているわけではない」と早期利下げを否定。少なくとも3月までは据え置きの可能性も十分にある、というフラットな状態に戻しておきたい、といった思惑も見え隠れ。
これに加勢する形でアトランタ連銀のボスティック総裁も、24年には2回の利上げを想定していることを表明しながらも「その時期は第3四半期」との発言。
その一方で、シカゴ連銀のグールズビー総裁は「3月会合での利下げの可能性は排除しない」発言も。
FOMCメンバー内でも見方が分かれる「3月利下げスタートの可否」については、当面の市場のテーマということにもなりそうです。

NY金・日足チャート 2023/11/10 - 12/1515日のNY金は-9.2ドル、0.45%安で3日ぶりの反落。2050ドルの節目突破をかけた攻防状態となったアジア時間を経て、ロンドン・NY市場にかけて上値トライへ。2050ドル台後半へと水準を切り上げての推移も2060ドルには届かず、米12月のNY連銀製造業景況指数が予想外に低調となったことを受けてこれも突破かと思いきや、同時間帯でのNY連銀ウィリアムズ総裁の早期利下げ否定発言を受けて急反落。2060ドル手前で跳ね返された勢いで2050ドルを割り込んで2040ドル付近まで下落、NY午後にかけていったんは2050ドル台回復も戻り売り。アトランタ連銀ボスティック総裁も早期利下げ否定に加勢したこともあり、NY引けにかけて2040ドル割れ。引き続き2050ドルが強めの抵抗水準となり、目先しばらくは材料不足の感も、突破できたなら2080ドル近辺を目標に上値トライ再開の可能性も。ゆるやかに上昇する20日移動平均線(2024.1)が引き続き下値サポート候補。
週間ベースでは+21.2ドル、1.05%の反発。

NYプラチナ・日足チャート 2023/11/10 - 12/15NYプラチナは-15.3ドル、1.58%の反落。930ドル台の節目超えに伴う短期上値目標970ドル程度に到達後の調整局面形成へ。時間外には960ドル台での小幅揉み合い推移、ロンドン・NY朝にかけては970ドル台前半へ、前日高値をわずかに上回りながらも970ドル台では上値も重く、NY市場では金の急反落にも追随。200日移動平均線(962.8)超えも維持できず、安値では940ドル台前半まで下落してNY引けにかけて950ドル台へと自律反発、NY引け後には950ドル割れ。右肩上がりの20日移動平均線(928.8)が目先の下値サポート候補となり、970ドルの節目を上抜けることができれば990ドル付近までを短期目安に上値再トライへ。
週間ベースでは+32.8ドル、3.57%高で3週ぶりの反発。

ドル円・日足チャート 2023/11/13 - 12/15ドル円は28銭のドル高円安、0.2%高となって4日ぶりの反発。前日までの急落局面一服となってボラティリティも縮小、142円ラインを挟んでの保ち合い推移に。前日の下ヒゲからの余韻で東京朝には141円80銭台から142円40銭台まで上昇。しかしこれが高値となり、7ヵ月ぶりに下抜けたばかりの200日移動平均線(142.53)がレジスタンスに切り替わってしまった可能性も残して反落。欧州時間には141円40銭台まで軟調気味に推移、NY市場ではNY連銀ウィリアムズ総裁のタカ派寄りの発言を受けて142円40銭台へと急反発。またしても200日線に跳ね返される格好となって141円40銭台へと反落も、この日の安値をつけて切り返すとNY終盤には142円台を回復。引き続き200日移動平均線(142.53)回復が下げ止まりへの必要条件、7月安値(137.24)から11月高値(151.91)の76.4%戻し(140.70)が当面の下値サポート候補。
週間ベースでは-2.8円、1.93%安で5週続落。5ヵ月ぶりで今年4番めの急落。5週続落は2010年10月以来、13年2ヵ月ぶり。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場12/15終値とチャート

2023年12月16日(土)時点の相場
国内金10,182 円 12/15(金) ▼23(0.23%)
国内プラチナ4,746 円 12/15(金) ▲82(1.76%)
NY金2,035.7 ドル 12/15(金) ▼9.2(0.45%)
NYプラチナ952.6 ドル 12/15(金) ▼15.3(1.58%)
ドル円142.19 円 12/15(金) ▲0.28(0.20%)

12/15(金)のその他主要マーケット指標

日銀・金融政策転換期と国内金価格高騰トレンド転換期 12/18(月)

NY連銀製造業景況指数は低調もNY連銀総裁発言でドル買い 12/16(土)

NY金は6年、プラチナも5年連続上昇、でも今年は苦戦の12月 12/15(金)

ハト派傾斜、12月FOMCドットチャートは2024年に利下げ3回 12/14(木)

米11月CPIは予想通りの鈍化、コアCPIは8ヵ月連続低下 12/13(水)


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