金プラチナ短期相場観

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米CPIは3月も上振れ、インフレ高止まりで利下げ先送りへ

更新日:2024年4月11日(木)

CPI×コアCPI×メディアンCPI×16%トリム平均CPI×スティッキーCPI 2024年3月1月、2月に続いて3月までもCPIは上振れ。米消費者物価インフレは予想以上に下げ渋り。
CPIは前年比+3.48%。市場予想の+3.4%を上回り、前月から+0.33%で続伸、9月(3.70)以来、半年ぶりの高水準。
コアCPIは前年比+3.80%。市場予想の+3.7%を上回り、2年10ヵ月ぶり低水準となった2月(3.75)から+0.05%、12ヵ月ぶりの上昇で2ヵ月ぶりの高水準。
セクタ別では、
サービス価格(ウェイト60.95%)が前年比+5.4%。2月の+5.2%から加速。モノの価格(W18.81%)は前年比-0.7%で1-2月の-0.3%から低下、3ヵ月連続の前年割れ。
エネルギー価格(W6.75%)は+2.1%で2月の-1.9%から急騰、13ヵ月ぶり高水準でプラス転換。食品価格は+2.2%で横ばい。
主要項目別では、
帰属家賃(ウェイト26.71%)が前年比+5.9%。2月から-0.1%で11ヵ月連続小幅低下で1年7ヵ月ぶりの低水準。賃貸住宅(W7.64%)は+5.7%。前月から-0.1%で11ヵ月連続低下で1年10ヵ月ぶり低水準。
自動車保険(W2.85%)は+22.2%。前月から+1.6%で4ヵ月連続+20%超、少なくとも2018年以降では最高。

クリーブランド連銀発表のメディアンCPIは前年比+4.55%。前月から-0.03%とわずかに低下。過去最高の昨年2月(7.08)からは13ヵ月続落で2年2ヵ月ぶりの低水準。
16%トリム平均CPIは+3.61%。2年半ぶり低水準となった前月から+0.1%で18ヵ月ぶりの反発。2年半では2番めの低水準。
アトランタ連銀発表のスティッキーCPIは+4.46%。2年1ヵ月ぶり低水準の前月から+0.07%。2ヵ月ぶりの反発、2年2ヵ月では2番めの低水準。

インフレ高止まりで利下げ開始予想は年後半へと先送り、ドル高急進となり、さすがのNY金もいったん調整。

10日のNY金は-14.0ドル、0.59%安となって4日ぶりの反落。アジア時間には2370ドル付近から2380ドル手前まで小幅に上昇、前日の過去最高値には届かず失速するとロンドン・NY朝にかけて2370ドル割れ。米3月CPI上振れに対して急落で反応すると安値では一時2340ドル割れ、その後は2370ドル近辺まで買い戻される場面もあったものの、急騰後の米10年債利回りとドルの高止まりを受けて2350ドル近辺へと押し戻された格好にも。
上値トライ一服後の調整としては3月半ば安値(2149.2)から最高値(2384.5)の23.6%戻し(2329.0)にも少し届かず、もう少しの調整余地も。また、2300ドルの節目を割り込むと2280ドル近辺までの一段安も。逆に2370ドル超へと切り返す展開となった場合には2400ドルの大台トライを目指す流れに。

NYプラチナは-7.7ドル、0.78%安で3日ぶりの反落。990ドル付近で小康状態となったアジア時間から、ロンドン時間には990ドル台後半へと上値トライも大台手前では上値も重く、前日高値にも届かず失速。CPI後にはNY金の急落に追随して980ドル割れへ、安値では970ドル台前半で下げ渋るもNY引けにかけての反発も980ドル近辺までと限定的。前日の大台到達で上値トライ一服となり、3月半ば安値(891.5)から4月高値(1001.2)の23.6%戻し(975.3)を達成した状態に。
もう一段の調整なら38.2%戻し(959.3)から半値戻し(946.4)近辺までが目安に。990ドル超へと切り返す展開となれば大台再トライで1010ドル程度までが短期上値目安に。

ドル円は+140銭、0.92%の大幅反発で1990年6月28日(153.17)以来、33年9ヵ月ぶりのドル高円安水準。151円70銭台を中心に小幅揉み合い推移で東京・欧州時間を通過、NY朝には米3月CPIがまたしても予想を上回る結果となったことを受けて151円80銭近辺から152円50銭近辺へと急騰。米10年債利回りが4ヵ月ぶり高水準となる4.5%台へと急騰後も4.54%台へとジリジリと水準を切り上げた流れにも連れてNY午後には152円90銭台まで上昇、NY終盤には一時153円20銭台まで一段高。152円ラインで警戒された介入もなく、151円70銭の節目上抜けに伴う短期上値目標153円台に到達。
達成感から調整へと向かえば3月安値(146.48)から4月高値(153.23)の23.6%戻し(151.64)近辺までが当面の下値目安に。追加材料や利下げ先送り観測が一段と強まるなどして一段高へと向かうようなら1990年6月高値圏155円近辺が意識される可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/10終値とチャート

11日の国内金価格は-1円、0.01%安で4日ぶりの小反落。NY金の最高値更新一服による調整を円安急進で相殺してしまった格好となり、3日連続過去最高値更新後もほぼ同水準を維持しての高止まり。ドル円に一服感も漂い、3月PPI上振れなど追加のタカ派材料がなければ多少の調整も。3月末安値(11536)から最高値(12578)の23.6%戻し(12332)近辺までが当面の調整目安に。4月の絶対値平均101円上昇した場合には12678円、下落なら12476円。

プラチナ価格は-36円、0.7%安で3日ぶりの反落。調整幅としてはやや控えめとなり、3月末安値(4736)から今年高値(5161)の23.6%戻し(5061)程度まで、もう少しの調整余地も。少し勢いづけば38.2%戻し(4999)、5000円の大台近辺までがサポート候補にも。5170円超へと切り返すようなら昨年5月高値5197円トライへ、5200円の大台回復が短期上値目標に。
※参考:金プラチナ国内価格4/11とチャート

2024年4月11日(木)時点の相場
国内金12,577 円 4/11(木) ▼1(0.01%)
国内プラチナ5,125 円 4/11(木) ▼36(0.70%)
NY金2,348.4 ドル 4/10(水) ▼14.0(0.59%)
NYプラチナ976.4 ドル 4/10(水) ▼7.7(0.78%)
ドル円153.16 円 4/10(水) ▲1.40(0.92%)

4/10(水)のその他主要マーケット指標

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