金プラチナ短期相場観
日銀利上げ×FRB利下げ示唆=ドル円150円割れ
更新日:2024年8月1日(木)
米FRBはFOMCで現状維持、FF金利を5.25-5.50%、およそ20年ぶり高金利での据え置きを決定。ただしパウエルFRB議長は会見で次回9月FOMCでの利下げの可能性も示唆。
その12時間前、0.25%への利上げを決定した日銀の植田総裁は会見で、年内追加利上げも辞さないタカ派的な姿勢も。
ハト派転換のFRBとタカ派転換の日銀、という構図は予想どおりながら、いずれも予想よりも積極姿勢も見られたことなどからドル円はこの日、150円割れ。
7月の急落でドル円は、161円90銭台の高値から月末安値149円60銭台まで、12.34円、7.62%の大幅下落に。
なお、今朝の東京市場では売り圧力が一段と強まって一時148円50銭台まで下落。
7月高値からの下落幅は13.44円、下落率は8.30%。
過去の大幅調整局面では、
2023年11月高値(151.91)から12月安値(140.26)まで、11.65円7.67%の下落。
その前には、
2022年10月高値(151.94)から2023年1月安値(127.21)まで24.73円、16.28%の下落。
今回の下落率が16%に到達した場合の水準=161.95-25.91=136.04。
日本の実質賃金がプラス圏となってさらに上昇が見込めそうな状況となり、貿易赤字から黒字へと転換し、グローバル企業が増加し、日本株及び日本円に投資したいと考えるグローバル投資家が増加し、日本の経済成長率が大幅に回復し、経済規模でドイツを再逆転し、インドにもなかなか抜かれない状況となるなどし、
日米金利差が今後大幅に縮小し、ドル円が7月高値を超えることなく下落基調が続いて1ドル136円程度に達した場合、
2021年以降のドル高円安トレンドは完全に終了した可能性が高まりそうです。
31日のNY金は+21.1ドル、0.86%の続伸。7月16日(2467.8)以来2週間ぶり、今年24回めの最高値更新。アジア時間の2450ドル近辺が安値となり、2460ドル台へと水準を切り上げてロンドン・NY朝へ。NY市場では米10年債利回り低下とドル安局面に連れて2470ドル近辺へと小幅に上昇、NY引け後には予想通りのFOMCと9月利下げの可能性も示唆したパウエルFRB議長会見を受けて2480ドル台へと一段高、高値では2490ドル台半ばまで上昇。FOMCはサプライズではなかったと思われるものの、想定よりもハト派的と見る向きも多かった模様。2500ドルの大台手前では一服も、雇用統計の結果次第では一時的な上振れで大台超えも。直近の短期上値目標2450ドル近辺が当面のサポート候補に。
月間ベースでは+133.4ドル、5.70%の反発。
NYプラチナは+15.4ドル、1.59%高で3日続伸。7月17日(1008.1)以来、2週間ぶりの高値。アジア時間の970ドル近辺が安値となってこの日も堅調局面継続、ロンドン・NY朝にかけて980ドルを突破するとNY市場では980ドル台を維持しての小幅保ち合い推移、NUY引け後にはFOMCを経て980ドル台後半へと下値を切り上げ。ただし上値は990ドル付近で上げ渋り。970ドルの節目上抜けに伴う短期上値目標1000ドルの大台付近に向けてもう少しの上昇余地も。ただし90日移動平均線(984.7)から990ドルまでが目先の抵抗帯に。
金との価格差は1486.6ドルとなり、2日連続で過去最大を更新。
月間では-27.7ドル、2.73%の続落。
ドル円は-266銭、1.74%の大幅続落で3月18日(149.17)以来、4ヵ月半ぶりのドル安円高水準に。東京朝からやや不安定な動きで152円台から153円台前半までのレンジで上下動、152円80銭近辺に収束して日銀の0.25%利上げを受けて151円60銭近辺まで急落後には153円80銭台まで急反発でこの日の高値、ある程度の織り込みもあった様子。しかし植田日銀総裁会見を経て、利上げ継続への可能性も意識されたことから円高圧力が強まり、欧州時間にかけて150円ちょうど近辺まで一段安。NY朝には低調なADP雇用の結果を受けて149円70銭近辺へと下落、午後には予想通り現状維持のFOMC結果を受けて151円20銭台まで上昇。しかしパウエルFRB議長会見では9月利下げの可能性が示唆されて149円60銭台まで下落。今朝の東京市場では一段と、急激な売り圧力が強まって一時148円50銭近辺まで下落。12月安値(140.26)から7月高値(161.95)の61.8%戻し(148.55)を達成したことでやや一方的な売りに一服感も。
月間では-10.86円、6.75%の大幅反落。2022年11月(-10.64円、7.15%)以来、1年8ヵ月ぶりの急落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/31終値とチャート
1日の国内金価格は-53円、0.41%の反落で7月26日(12770)以来、1週間ぶりの安値。サポートされつつあった上昇軌道の90日移動平均線(12873)を下抜け、12870円の節目も下抜けて戻り売りの様相に。90日線割れが一時的でなければ軟調局面がもう少し続きやすい状態に。6月半ばの押し目形成水準12740円近辺までが短期下値目安に。90日線超へと切り返す展開となれば反発局面形成トライ、13000円の大台回復が短期上値目標に。
プラチナ価格は-21円、0.41%安で4日ぶりの反落。反発局面は急降下する9日移動平均線(5143)手前で失速、戻り売りの流れへの警戒感再燃。5040円の節目割れへと安値更新なら下落局面再開、5000円の大台割れリスクが高まり、4950円程度までを目安に一段安トライへ。逆に5120円超へと切り返し、9日線も上抜けると反発局面再トライ、5180円程度までが短期上値目標に。
※参考:金プラチナ国内価格8/1とチャート
- 2024年8月1日(木)時点の相場
-
国内金 : 12,858 円 8/1(木) ▼53(0.41%) 国内プラチナ : 5,096 円 8/1(木) ▼21(0.41%) NY金 : 2,473.0 ドル 7/31(水) ▲21.1(0.86%) NYプラチナ : 986.4 ドル 7/31(水) ▲15.4(1.59%) ドル円 : 150.03 円 7/31(水) ▼2.66(1.74%)
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