金プラチナ短期相場観
米住宅市場、景況感回復も着工・許可件数は低調
更新日:2024年11月20日(水)
米10月の住宅着工件数は131.1万戸。市場予想の133.7万戸を下回り、9月の135.3万戸も下回って2ヵ月連続減少。4年1ヵ月ぶり低水準となった7月(126.2)以来、3ヵ月ぶりの低水準。
6ヵ月平均では132.48万戸となり、4年1ヵ月ぶりの低水準。トレンドとしては減少傾向が継続。
建設許可件数は141.6万戸。市場予想の143.5万戸を下回り、9月の142.5万戸も下回って2ヵ月連続減少。3ヵ月ぶりの低水準、2023年以降では3番めの低水準。
6ヵ月平均では142.8万戸となり、これも4年1ヵ月ぶりの低水準。トレンド的には許可件数も減少傾向が継続中。
ハリケーンの影響で南部が大幅減となったことが影響した模様。
なお、前日に発表された11月のNAHB住宅市場指数は46となり、7ヵ月ぶり高水準。節目の50こそ下回るものの、住宅市場の景況感としては、予想以上に回復基調が進行。特に販売見通しは2年7ヵ月ぶり高水準と、今後の回復継続の可能性も示唆。
ただし、見通し急上昇の背景には、トランプ政権とトリプルレッドに伴う規制建和などへの期待感などもあるとの見方も。その一方で業界としては依然、労働力不足や供給不足、資材費の上昇などの逆風も。とくに建築業界は移民労働者の最大雇用主の一つでもあり、移民規制強化となれば労働力不足に拍車がかかる可能性も。
米住宅市場では、景況感回復基調の先行き不透明感とともに、着工・許可件数の下げ止まりと回復に向けた不透明感も漂います。
19日のNY金は+16.4ドル、0.63%の続伸。11月8日(2694.8)以来、10日ぶりの高値。時間外スタート時点の2610ドル台半ばが安値となって堅調推移、ロンドン序盤に2630ドルトライ、NY朝には高値で2640ドル台前半まで上昇。ドル安一服でNY午後には一時2630ドル割れへと反落もNY引け後には2630ドル台半ばへと下げ渋り。10月末最高値(2801.8)から11月安値(2541.5)の38.2%戻し(2640.9)を達成し、一定の反発をこなして一服感も。半値戻し(2671.7)から61.8%戻し(2702.4)の水準は9月末から10月前半にかけて保ち合いを形成した水準でもあり、次の上値トライ目標かつ、レジスタンスにもなりやすい水準。下方向へ2570ドルの節目を割り込むようなら2520ドル近辺までを目安に一段安の展開にも。
NYプラチナは+4.1ドル、0.42%高で4日続伸。11月7日(999.1)以来、2週間ぶりの高値。970ドル台での保ち合い推移となったアジア時間からロンドン序盤には970ドル割れの安値をつけて反発、NY朝には980ドルトライ、下値も970ドル台後半へと切り上げながら、NY引け後も980ドルラインでの攻防継続。10月高値(1064.6)から11月安値(932.3)の38.2%戻し(982.8)を達成も、この水準が目先の抵抗水準となるかどうかの攻防へ。突破できれば半値戻し(998.5)から1000ドルの節目との攻防へ、これも突破できれば1040ドル近辺までを目標に高値圏再トライの展開へ。下方向へ940ドルを維持できない場合には920ドル近辺へと一段安トライへ。
ドル円は+5銭、0.03%の小幅続伸。前日NY市場から続いた軟調推移はこの日の東京時間午前まで継続、154円60銭台から153円90銭台まで下落して反発すると東京市場終了後には154円60銭台まで戻す、下に行って来い。欧州時間にはウクライナが米国から供与された長射程弾道ミサイルシステム「ATACMS」でロシアの軍事施設を攻撃、ロシアは核ドクトリン改定、などの報道を受けて153円20銭台まで、1円以上の急落。この日の安値をつけた後はNY朝にかけて154円20銭までのレンジで上下動、ロシアのラブロフ外相の「核戦争が起こらないようあらゆる手を尽くす」発言などで地政学リスクへの警戒感緩和とともにNY午後には154円半ばから後半へ。結果的に20日移動平均線(153.49)にもサポートされる形で下に行って来い、下ヒゲを残してのほぼ横ばい推移。155円台での上値の重さを確認した前日に続き、この日は154円割れでの底堅さも確認した格好に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場11/19終値とチャート
20日の国内金価格は+172円、1.21%の大幅続伸。11月11日(14443)以来、10日ぶりの高値。14140円の節目上抜けに伴う短期上値目標14200円近辺到達後も一段高、最高値(15025)から11月安値(13944)の38.2%戻し(14357)も達成し、反発局面一服となりやすい状況にも。上値トライへの勢いを強めるためには半値戻し(14485)から21日移動平均線(14492)が次の上値トライ目標に。
プラチナ価格は+37円、0.71%の続伸で11月8日(5318)以来、2週間ぶりの高値。5110円の節目上抜けに伴う短期上値目標5170円近辺到達後も一段高となり、10月高値(5586)から11月安値(5056)の38.2%戻し(5258)も射程圏内に。これも達成できれば21日移動平均線(5277)超えも意識され、上値再トライに向けた勢いも回復へ。90日移動平均線(5042)から5060円の節目が当面の下値サポート、割れると5000円の大台割れリスク。
※参考:金プラチナ国内価格11/20とチャート
- 2024年11月20日(水)時点の相場
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国内金 : 14,364 円 11/20(水) ▲172(1.21%) 国内プラチナ : 5,235 円 11/20(水) ▲37(0.71%) NY金 : 2,631.0 ドル 11/19(火) ▲16.4(0.63%) NYプラチナ : 978.6 ドル 11/19(火) ▲4.1(0.42%) ドル円 : 154.68 円 11/19(火) ▲0.05(0.03%)
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