金プラチナ短期相場観
下げ渋るユーロ圏、逃げる米国、12月総合PMI速報では格差拡大
更新日:2024年12月17日(火)
ユーロ圏総合PMIは12月速報で反発、下げ渋るも2ヵ月連続節目50割れ。
ユーロ圏総合PMIは49.5。10ヵ月ぶり低水準となった11月(48.3)からは+1.2の反発。しかし直近10ヵ月では2番めの低水準。
新規受注が持続的に減少し、生産は縮小。人員削減ペースは4年間で最速。ドイツ、フランスの低迷は続くものの、状況はわずかに緩和。
スペイン、アイルランドなどに支えられる状況は12月も変わらない様子。
ドイツの総合PMIは47.8。10ヵ月ぶり低水準となった前月からは+0.6の反発。ただし6ヵ月連続の節目50割れ、9ヵ月では3番めの低水準。
フランスは46.7。10ヵ月ぶり低水準の前月からは+0.8、4ヵ月ぶりの反発。しかし4ヵ月連続の50割れ。11ヵ月で2番めの低水準。
ユーロ圏製造業PMIは45.2。前月から変わらず、今年2番めタイの低水準、2年6ヵ月連続節目50割れ。
ドイツが42.5で前月から-0.5の低下で3ヵ月ぶり低水準、フランスは41.9で前月から-1.2、3ヵ月続落で4年7ヵ月ぶり低水準。フランスがドイツを下回るのは11ヵ月ぶり。
ユーロ圏のサービス業PMIは51.4。+1.9の反発で2ヵ月ぶり節目50超。
ドイツが51.0で前月から+0.7の反発で2ヵ月ぶり50超、フランスは48.2で10ヵ月ぶり低水準の11月からは+1.3の反発も4ヵ月連続50割れ。フランスがドイツを下回るのは4ヵ月連続。
米国は急騰。総合PMIは56.6。前月から+1.7、3ヵ月続伸で2年9ヵ月ぶりの高水準。1年11ヵ月連続節目50超。
製造業PMIが48.3で3ヵ月ぶりの反落、6ヵ月連続節目50割れに対し、サービス業PMIは58.5。+2.4の続伸で3年2ヵ月ぶりの高水準。
16日のNY金は-5.8ドル、0.22%安で3日続落。12月6日(2659.6)以来、10日ぶりの安値。アジア時間には先週末安値を下回るも2660ドル割れを回避して切り返し、2670ドルを挟んでの小幅保ち合い推移。ロンドン・NY朝にかけては米10年債利回り低下局面に連れて2680ドル台へ、巻き戻しの流れとなったNY市場では2670ドル近辺へと反落。小幅に上に行って来いとなって小さな十字線を形成し、反発に転じた20日移動平均線(2669.8)にもサポートされたような格好にも。現状を反映するように、反発の勢いには欠けるものの、なんとか下げ渋る状態でFOMC待ちへ。FOMCでタカ派見通しが強まるようだと軟調方向へ、2640ドル台の下値サポートを割れると2600ドルの大台割れトライの展開にも。
NYプラチナは+17.5ドル、1.89%高で3日ぶりの反発。アジア時間には先週末安値をわずかに下回って9月6日(915.8)以来、3ヵ月ぶり安値をつけながらも920ドル割れを回避して下げ渋り。ロンドン・NY朝にかけては930ドル手前での揉み合いを経てNY市場では反発へ、940ドル台へと水準を切り上げると高値では940ドル台後半まで上昇、NY引け後も940ドルをなんとか維持。930ドルの節目割れに伴う短期下値目安900ドル近辺トライへの流れは早々に巻き戻され、920ドルから960ドルまでのレンジで保ち合い継続へ。20日移動平均線(951.2)が目先のレジスタンスにもなり、突破できれば960ドルの上限トライへ、これも突破できれば短期上値目標は990ドル近辺。あらためて920ドルの下限を割れると900ドルの大台割れへ、短期下値目安は880ドル程度まで。
ドル円は+47銭、0.31%高で6日続伸。11月25日(154.22)以来、3週間ぶりの高値。6日続伸は6月以来、半年ぶりで今年3度め。東京朝には153円70銭近辺から153円30銭台まで軟調推移、これが安値となって押し目買い、午前中に153円90銭台まで反発。154円付近で跳ね返されると欧州時間序盤にかけて153円40銭台まで失速、しかし東京朝の安値手前で下げ渋ると153円台後半へと持ち直し、NY市場では154円トライ。日銀の利上げ見送り観測や米総合PMIの上振れなども材料に高値では154円40銭台まで上昇、NY終盤にかけて失速も154円台を維持。FRBのタカ派見通しと日銀の利上げ見送りを織り込む形でドル高円安の流れが止まらない状況も、11月高値(156.75)から12月安値(148.65)の76.4%戻し(154.84)付近となり、事実確認後には巻き戻しの流れが急速に進行する可能性も。200日線(152.11)辺りまでが当面のサポート候補に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場12/16終値とチャート
17日の国内金価格は+69円、0.48%高で3日ぶりの反発。12月安値(13896)から12月高値(14549)の38.2%戻し(14300)をほぼ達成後の切り返しで、反発局面再開に向けた流れ維持へ。下からは21日移動平均線(14214)をゴールデンクロスした9日移動平均線(14223)がサポートへと向かい、14550円の節目トライへも、これを突破できれば14600円台回復へ。ただし14300円割れへと失速なら反発局面腰折れリスク、14200円近辺までが短期下目安に。
プラチナ価格は+108円、2.19%の続伸で11月25日(5194)以来、3週間ぶりの高値。一度跳ね返された5000円の大台回復再トライに成功、9日移動平均線(4947)、90日移動平均線(4991)、21日移動平均線(5007)もまとめて上抜け、強めの抵抗帯となる前に節目を突破して一段高トライへ。FOMC直前というタイミングの悪さもあるものの、流れとしては5100円近辺までが短期上値目標に。
※参考:金プラチナ国内価格12/17とチャート
- 2024年12月17日(火)時点の相場
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国内金 : 14,372 円 12/17(火) ▲69(0.48%) 国内プラチナ : 5,038 円 12/17(火) ▲108(2.19%) NY金 : 2,670.0 ドル 12/16(月) ▼5.8(0.22%) NYプラチナ : 941.8 ドル 12/16(月) ▲17.5(1.89%) ドル円 : 154.14 円 12/16(月) ▲0.47(0.31%)
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