金プラチナ短期相場観
米11月PCEは予想を下回るも下げ渋り、インフレ鈍化は停滞期
更新日:2024年12月21日(土)
米11月の個人消費支出物価指数、PCEは予想を下回ってドル高一服。
総合指数、PCEは前年比+2.44%。市場予想の+2.5%を下回り、前月からは+0.14%、3年7ヵ月ぶり低水準の9月から続伸で4ヵ月ぶりの高水準。
食品とエネルギーを除くコアPCEは前年比+2.82%。市場予想の+2.9%を下回り、前月からは+0.02%の小幅続伸で7ヵ月ぶりの高水準。
米金融当局が注目する住宅とエネルギーを除くサービス業の価格指数、スーパーコアPCEサービス価格(SPコアs)は前年比+3.51%。半年ぶり高水準となった10月から変わらず。
セクタ別では、
モノの価格が前年比-0.4%。10月の-1.0%を上回って続伸、4ヵ月ぶり高水準。7ヵ月連続前年割れとなるなかでは下げ渋り。
サービス価格は前年比+3.8%。10月の+3.9%から低下、2ヵ月ぶり低水準。7月と9月の+3.7%を上回り、6月以降は7ヵ月連続3.8%前後での推移で下げ渋り。
ダラス連銀のトリム平均PCEは前年比+2.69%。前月からわずかに-0.01%の反落、3年ぶり低水準となった9月(2.66)を小幅に上回り、3年4ヵ月では2番めの低水準。4ヵ月連続2.7%前後で下げ渋り。
クリーブランド連銀のメディアンPCEは前年比+3.12%。前月から-0.02%の反落、2年11ヵ月ぶり低水準となった9月(3.10)をわずかに上回り、3年1ヵ月では2番めの低水準。3ヵ月連続3.1%台で下げ渋り。
個人消費支出の物価インフレ再加速の兆しは、予想された程加速はせず、しかし、指数全般でゆるやかな上昇、もしくは下げ渋り傾向が継続。インフレ鈍化の停滞期は続きます。
この状態が来年も続くのか、低下基調再開となるのか、反発基調へと向かうのか、追加利下げ観測をめぐっての思惑は、今後も不安定な展開が予想されそうです。
20日のNY金は+37.0ドル、1.42%の大幅高で7日ぶりの反発。アジア時間の2600ドル台前半が安値、3日連続2600ドルの大台前後で下げ渋る展開となり、2640ドル台の節目割れに伴う短期下値目安2600ドル前後に到達後の自律反発再トライへ。ドル高一服となった流れにもサポートされ、ロンドン市場にかけて2620ドル台を回復するとNY朝には米11月PCEが市場予想を下回ったことを受けて米10年債利回りも小幅に急低下、NY午後につけた高値は2650ドル台。NY引け後には2640ドル近辺へと失速し、90日移動平均線(2644.1)との攻防は継続。反発局面継続に向けては90日線突破が目先のポイントに、地合い回復に向けては12月高値(2761.3)と12月安値(2596.7)の38.2%戻し(2659.6)から半値戻し(2679.0)辺りまで反発できるかどうか。
週間ベースでは-30.7ドル、1.15%の反落。
NYプラチナは+12.9ドル、1.40%高で3日ぶりの反発。時間外は920ドル台で揉み合う形で下げ渋り、一時的には920ドルをわずかに割り込みながらも前日安値付近で切り返すとロンドン・NY市場にかけて930ドル台へと反発。NY金の反発局面に追随もNY午後につけた高値は930ドル台後半まで。NY引け後には失速も930ドルをなんとか維持した状態。920ドルが当面の底値となりそうな状況ながら、11月以降、上値を押さえられ続けた20日移動平均線(943.7)が目先の強めのレジスタンスにも。これをしっかり突破して950ドルの節目も上抜けると一段高トライへ、1000ドルの大台付近を目指す反発局面形成へと向かう可能性。920ドルの節目を割れるようだと反発失敗、860ドル台を目安に一段安トライへ。
週間ベースでは+12.1ドル、1.31%高で4週ぶりの反発。
ドル円は-98銭、0.62%安で3日ぶりの反落。東京朝には前日高値を上回って7月17日(158.60)以来、5ヵ月ぶり高値となる157円90銭台まで上昇して失速。関係者からの円安けん制発言もあり、日銀の利下げ先送りで加速した円安の流れもようやく一服。157円近辺での保ち合いとなって東京市場を終えると欧州時間には156円60銭台へ、NY朝にはPCEの下振れを受けて156円30銭台まで小幅に一段安、米10年債利回り低下とともにドル高の巻き戻しも強まったNY午後には156円近辺へ。しかし156円割れでは下げ渋り、NY終盤には156円40銭台へと反発。目先、もう一段の調整目安としては12月安値(148.65)から高値(157.93)の38.2%戻し(154.39)近辺も。157円50銭の節目上抜けへと切り返すようなら158円半ばまでの一段高も。クリスマスウィークの閑散期で円安再加速となれば159円台トライへも。
週間ベースでは+278銭、1.81%高で3週続伸。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場12/20終値とチャート
- 2024年12月21日(土)時点の相場
-
国内金 : 14,391 円 12/20(金) ▲290(2.06%) 国内プラチナ : 5,054 円 12/20(金) ▲76(1.53%) NY金 : 2,645.1 ドル 12/20(金) ▲37.0(1.42%) NYプラチナ : 936.4 ドル 12/20(金) ▲12.9(1.40%) ドル円 : 156.45 円 12/20(金) ▼0.98(0.62%)
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