金プラチナ短期相場観

ドイツのサービス業が好調、ユーロ圏9月PMIは16ヵ月ぶり高水準
更新日:2025年9月24日(水)
長いトンネルを抜け出したかに見えたユーロ圏製造業PMI、再び節目割れへと失速。
ユーロ圏の製造業PMIは9月速報で49.5。3年2ヵ月ぶりに節目50を回復した8月(50.7)から-1.2、9ヵ月ぶりの反落となって2ヵ月ぶりの50割れ。
節目50回復目前まで迫っていたドイツが8月から-1.4の反落、フランスは-2.4の急反落で2ヵ月ぶりの50割れへといずれも低調。
しかし、ドイツのサービス業がこれをカバーする形に。
ユーロ圏サービス業PMIは51.4。ドイツが52.5へと急反発で8ヵ月ぶり高水準。フランスは-1.4の反落で5ヵ月ぶり低水準、13ヵ月連続の50割れ。
この結果、総合PMIはユーロ圏が51.2となり、小幅ながら4ヵ月続伸、9ヵ月連続節目50超維持で16ヵ月ぶり高水準。ドイツが52.4へと急騰して16カ月ぶり高水準、フランスは48.4へと反落で13ヵ月連続50割れ。
ゆるやかながらも回復基調継続のユーロ圏は、この日OECDが発表した2025年の経済成長率見通しでも+1.2%と前回6月から+0.2の上方修正。
ただしドイツは+0.3%(前回から-0.1)、フランスは+0.6(前回から変わらず)。ユーロ圏主要2カ国が牽引役とはなり切れていない状況は変わらす。
米国の総合PMIは53.6。8月から-1.0の続落で3ヵ月ぶり低水準。節目50超は2年8ヵ月連続。
パウエルFRB議長が「インフレへのリスクは上方向、雇用へのリスクは下方向」と厳しい状況を指摘する米国は、製造業もサービス業も9月は失速、それでもユーロ圏と比較すれば依然、高水準での推移が継続。
OECDの見通しでも2025年の米国の成長率予想は+1.8%と前回から0.2%の上方修正。
23日のNY金は+40.6ドル、1.08%の大幅高で3日続伸。2日連続、今年37回めの最高値更新。3730ドルの節目突破に伴う短期上値目標3770ドル近辺到達後の一服感もほどほどに、一段高トライへ。アジア時間の3770ドル台前半がこの日の安値となり、3780ドル近辺での保ち合い推移から散発的な上値トライ、ロンドン序盤に史上初の3800ドルの大台を突破するとそのまま3820ドル台半ばまで上昇。最高値更新後の一服感からNY市場にかけて3810ドル割れ、NY引け後には3800ドルの大台割れへ。短期調整目安、かつサポート候補としては堅調推移の9日移動平均線(3721.9)近辺から3700ドルの大台近辺まで。
NYプラチナは+80.4ドル、5.64%高で4日続伸。2014年7月11日(1513.8)以来、11年2ヵ月ぶりの高値。上げ幅としては今年の絶対値平均騰落値幅18.4ドルの4.37倍、今年の急騰局面加速時の6月26日(+85.3ドル、6.41%)に次いで2番めの急騰。アジア時間には1420ドル割れの安値で下げ渋り、ロンドン序盤から上昇局面が加速。1440ドル台へと水準を切り上げ、NY金の一段高局面にも連れて一段高、NY金が失速したNY市場でも上昇局面は続き、NY午後には高値で1500ドルの大台超え。ただしNY引け後には1490ドル割れへと失速。1420ドルの節目突破に伴う短期上値目標1500ドル付近にしっかり到達して一服感も。9月初旬の高値圏1460ドル近辺が目先のサポート候補に。
ドル円は-6銭、0.04%の小幅安で3日続落。9月17日(147.01)以来、1週間ぶりの安値。祝日で休場の東京時間は147円60銭台から80銭台までのレンジで小幅保ち合い推移、欧州時間には147円50銭近辺まで下値を切り下げ、NY市場では147円90銭台まで上値を切り上げ、NY午後には147円40銭台まで下落する場面も、ほぼ方向感なく横ばい推移。この日の変動値幅は47銭程にとどまり、今年の平均143銭の3分の1で今年2番めの小動き。引き続き146円半ばから148円までのレンジで保ち合い継続、上抜けなら149円程度までの上値切り上げも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/23終値とチャート
24日の国内金価格は+309円、1.61%の大幅高で3営業日続伸。2営業日連続、今年30回めの最高値更新。19080円の節目突破に伴う短期上値目標19170円辺りには月曜日に到達してさらに一段高、勢いは止まらず6月高値(17508)から安値(16618)の300%戻し(19288)達成でも止まらず。次に意識されうる節目としては361.8%戻し(19838)も。目先の調整目安としては9月12日(18796)から最高値(19544)までの急騰値幅の23.6%戻し(19367)、38.2%戻し(19258)など。
プラチナ価格は+374円、5.11%の大幅高で3日続伸。2008年高値を超え、1980年以来45年ぶりの高値水準に。上昇率では今年の絶対値平均騰落率1.29%のほぼ4倍、今年最大で2024年4月9日(+249円、5.12%)以来、1年5ヵ月ぶりの急騰。徐々にレンジを拡大する逆三角保ち合いを上方ブレイクして急加速、7280円の節目突破に伴う短期上値目標7490円辺りに到達しても勢いは止まらず、さらに一段高。保ち合いからの急騰のため過熱感こそないものの、NYプラチナの状況を含めて一定の調整も、9月18日(7091)からここまでの急騰値幅の23.6%戻し(7550)、38.2%戻し(7462)辺りまでが調整目安に。
※参考:金プラチナ国内価格9/24とチャート
- 2025年9月24日(水)時点の相場
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国内金 : 19,544 円 9/24(水) ▲309(1.61%) 国内プラチナ : 7,692 円 9/24(水) ▲374(5.11%) NY金 : 3,815.7 ドル 9/23(火) ▲40.6(1.08%) NYプラチナ : 1,506.1 ドル 9/23(火) ▲80.4(5.64%) ドル円 : 147.66 円 9/23(火) ▼0.06(0.04%)
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