更新日:2013年6月17日(月)
米国の量的緩和縮小開始、出口論、引き締め開始、それぞれがニアリーイコールという誤解を招いたことが今回のリスク回避の流れの発端のように思えます。
5月22日のバーナンキFRB議長の議会証言後のQ&Aで、年内縮小の可能性に言及したことが一人歩きし、翌日23日に日経平均の1,100円の急落を招き、その後の株安円高の流れを加速させました。
追い打ちをかけるように、6月11日には市場が期待した黒田日銀の固定金利オペの期間延長が見送られました。
国内の閣僚からは常々、日銀の市場との対話を重視して欲しいとの声も出ていました。
そもそも米国の場合は、以前のFOMCで既に、量的緩和の縮小、拡大、両方の準備がある、経済状況に応じて臨機応変に調節していくという主旨の声明があったはずですが、市場の目が縮小方向へと向き過ぎた機雷もあるようです。
18-19日のFOMCでは、この辺りの説明が十分になされ、市場も徐々に落ち着きを取り戻していくことを期待します。
また、目先の量的緩和縮小懸念が株安の主要因かのように報じられますが、実際に縮小する時期が来たとしても、それは米国の景気回復と労働市場の改善が顕著に進んでいることを示すことでもあり、長い目で見れば株高要因、リスクオン要因でもあるはずです。
日経平均の下落度合いと比較して、中長期投資家の割合が最も高いとされるNYダウの下落幅が少ないことも、それを示しているように見えます。
国内の株安とこれに連動する円高に対しては、プラス要因として長期金利の高騰もあります。
これについては、黒田・日銀総裁の対応か、もしくは、時間が解決してくれるのを待つ必要があるのかもしれませんが・・・。
週明け国内、金価格は4日続落。ドル円が94円で下げ止まるかどうかがポイント。今のところは円安方向へ緩やかに反発してスタートしていますが、再度円高圧力が高まると、4,350円付近までの下値余地を埋める展開へ。上値抵抗4,590円を超えるまで現状の構図が継続。
プラチナも4日続落で直近の下値目標4,670円到達後も下げ止まらず。短期的な下落エネルギーは吐き出した形で一方的な下落は長くは続かないものと思われますが、関連相場の地合いの悪さに足を引っ張られる構図。今年安値、4月16日の4,484円を意識する展開も。
※参考:金プラチナ国内価格6/17とチャート
2013年6月17日(月)時点の相場
国内金:4,402 円 6/17(月) ▼17(0.38%)
国内プラチナ:4,582 円 6/17(月) ▼77(1.65%)
NY金:1,387.6 ドル 6/14(金) ▲9.8(0.71%)
NYプラチナ:1,447.4 ドル 6/14(金) ▲0.3(0.02%)
ドル円:94.19 円 6/14(金) ▼1.16(1.22%)
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