更新日:2013年11月8日(金)
米雇用統計前日の7日、大荒れとなった金融市場のきっかけは、大方の予想を裏切るECBの0.25%利下げ断行。久々のドラギマジックでユーロ高を嫌気する欧州市場にショック療法で対処した形。ECB理事会メンバー4分の1の反対を押し切り、政策金利は長期に渡り現行もしくはさらに下回る水準、というフォワードガイダンスを示したことで今後の追加利下げも辞さない強気の構え。これを受けてユーロは対ドル、対円ともに急落へ。
その後の米国指標では新規失業保険申請件数が減少傾向となったことに加えて、第3四半期GDP速報値が予想の2.0%を大きく上回る2.8%となったことを受けて米ドルが対ユーロ、対円で急騰。ユーロドルは下落が続き、ドル円は99円台へと急騰。ECB利下げに一瞬買い反応を示していた金も急落へ。NYダウも史上最高値を一時更新。
しかしこの流れも長続きせず、GDPの伸びは在庫変動による影響が大きく、肝心の個人消費が大幅に鈍化していることを確認すると、買われ過ぎの反動もあり株価が急落、ドルも反落でドル円は97円台への急落、ユーロドルも反発へ、金も買い戻し。
めまぐるしく売り買いが交錯する展開の結果、前日比では、ユーロドルが0.69%の下落、金も0.71%の下落、NYダウが0.97%の下落、プラチナも0.72%の下落。ユーロドルと金との短期的な相関関係はさらに強まり、NYダウとプラチナの30日間の相関係数もさらに上昇しています。
NY市場、金相場は、ECB利下げという予想外の突発的事象に買いで反応するも長続きはせず、その後の米GDP上振れには素直に売り反応。1,326ドルまで上昇して1,296ドルまで反落とやや乱高下も結果的には横ばい推移の範囲内に収束。1,300ドルのサポート水準が効いた様子。一時的ながらも10月17日以来の1,300ドル割れとなったことで、やや下方向への警戒感が残るところ。下方向の節目は1,260ドル台、上方向は1,320ドル台が鬼門。
プラチナも反落。小幅に上下動の流れは金に追随した形。1,440ドル台から1,480ドルまでの狭いレンジでの推移が継続中で、上下どちらかへの動き出しを窺う状態。
ドル円も大きく上下動、GDP上振れに反応して99円40銭台まで急騰したもののその内容や株安に連れる形で97円60銭台まで反落、97円70銭付近の200日移動平均線にもサポートされて98円台前半へ。前日比では0.58%の下落。99円の節目を超えたことでドル高方向への抵抗は消え、97円20銭のサポートラインは守られた形。
※参考:金プラチナ相場とドル円11/7 NY市場終値とチャート
国内、金価格は1.15%の反落。21日移動平均線の4,320円台ではサポートされず、下押し圧力が強まる流れ。レジスタンスラインは4,360円に切り下げ、下値目標4,230円までの下落リスクがクローズアップされる展開。
週間ベースでは、-58円(-1.33%)となり2週続落。
プラチナは4,820円近辺の目標水準到達後の調整で0.75%の反落。緩やかに上昇する90日移動平均線も位置する4,760円台のサポートラインに支えられ、ゆっくりとした上昇トレンドも維持。4,820円ラインが抵抗線となる可能性もあるものの、ここを突破できれば第2目標4,880円近辺までの上値余地も。
週間では+14円(+0.29%)と5週続伸。
※参考:金プラチナ国内価格11/8とチャート
2013年11月8日(金)時点の相場
国内金:4,301 円 11/8(金) ▼50(1.15%)
国内プラチナ:4,779 円 11/8(金) ▼36(0.75%)
NY金:1,308.5 ドル 11/7(木) ▼9.3(0.71%)
NYプラチナ:1,456.8 ドル 11/7(木) ▼10.6(0.72%)
ドル円:98.09 円 11/7(木) ▼0.57(0.58%)
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