更新日:2014年1月28日(火)
南アフリカのプラチナ鉱山労働者によるストライキ開始以降、プラチナ相場が大きく下げています。材料出尽くし感とともに、懸念されていたプラチナの供給不足懸念がそれほど問題にはなっていないことも要因の一つと考えられます。
大手プラチナ生産会社では最大8週間分とも見られる十分な在庫を保有しており、当面の需要に対する供給不足は発生しない模様。さすがに2012年夏の暴動となったストの経験もあり、プラチナ生産会社の危機対策がしっかりされていた、ということが言えそうです。
一方、市場全般への不安要素となった新興国リスクのほうは、中国の理財商品デフォルト懸念も回避方向と見られ、トルコリラの最安値更新が続くトルコでは、中央銀行が緊急の金融政策会合開催を発表し、すこし落ち着きを見せ始めたようです。
会合では利上げが確実視されているようですが、トルコ中銀は21日に定例の金融政策決定会合を実施したばかり。
この時は4.50%の政策金利据え置きを決定していました。通貨安による高インフレ対策としての利上げよりも、利上げしないことによる経済成長の下支えによって8月の大統領選挙を有利に迎えたい政府の思惑に屈していた形。
国内の汚職疑惑問題も抱えるトルコでは、残念ながら十分な危機対策が出来ていない様子です。
NY市場、金相場は0.07%の小幅反落。リスク回避の余波が残る日本時間朝に、ザラ場ベースの年初来高値となる1,279.8ドルまで上昇した後は軟調推移。FOMCを控えた警戒感もあり1,251ドルまで大幅下落。終値では3営業日連続で1,260ドル台の高値圏を維持したものの、上値トライには2日連続失敗。上値の重さが懸念材料。サポートラインは1,230ドル台。
プラチナ相場は0.52%の2営業日続落。先週末の大幅下落の翌日も反発できず、1,480ドル近辺を目指した短期上昇トレンドは21日高値1,473ドルで終了した様子。どちらかと言えば下方向へのリスクが高まる状態となり、当面の下値最大目標は1,370ドル近辺。ただし1,400ドルの大台までの間には21日、90日移動平均線も集中し、サポートされやすい水準。レジスタンスラインは1,460ドル台。
ドル円は3日ぶりに0.28%の小反発。東京市場スタート直後に101円70銭台まで円高進行、目標水準101円80銭をクリアしたことで下押し圧力も緩和され、夜間の高値では102円90銭台まで反発。これでリスク回避による円高優勢の流れが完全に払拭できた訳でもなく、依然下方リスク優勢で、再度101円台への可能性も。しかし、昨年10月8日安値96円55銭から1月2日高値105円44銭までの38.2%戻しラインが102円04銭。反発するにはちょうど良い水準。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場1/27終値とチャート
国内金価格は3日ぶりに0.96%反落。4,320-4,390円のレンジほぼ下限。過去、滞留期間の長い価格帯で移動平均線も集中し、比較的サポートされやすい水準。それだけに下抜けると大幅下落の可能性も。
プラチナは前日の2.29%の大幅下落に続いて0.88%のしっかり下落で3日続落。押し目を形成せずに急速に進み過ぎた大幅上昇のつけで、巻き戻しも急速。サポートライン候補として、11月高値の4,840円から上昇幅の半値戻しとなる4,833円辺り。
※参考:金プラチナ国内価格1/28とチャート
2014年1月28日(火)時点の相場
国内金:4,325 円 1/28(火) ▼42(0.96%)
国内プラチナ:4,857 円 1/28(火) ▼43(0.88%)
NY金:1,263.4 ドル 1/27(月) ▼0.9(0.07%)
NYプラチナ:1,421.1 ドル 1/27(月) ▼7.5(0.52%)
ドル円:102.54 円 1/27(月) ▲0.28(0.28%)
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