更新日:2014年1月25日(土)
今年、米国のQE縮小に伴う新興国への影響は昨年ほどのインパクトはないだろう、との見方が優勢でしたが、アルゼンチン・ショックによって俄然、新興国リスクへの懸念が高まり、世界同時株安の様相となっています。日米欧の主要株価指数は軒並み2%前後の急落となったこの週末。
ここまでの年初来騰落率を見ると、
NYダウ:-4.2%、ドイツDAX:-1.7%、英FTSE:-1.3%、日経平均:-5.5%
昨年まで好調だった株式市場を牽引した日米の下落幅が目立ちます。
ドル円:-2.9%、ユーロ円:-3.4%、ユーロドル:-0.6%
ドル安円高、ユーロ安ドル高のリスク回避傾向が続きます。
その結果、主要国債が買われ、
米10年債利回り:-9.4%、日10年債利回り:-14.0%
と長期金利は大きく下落傾向、日米欧の10年債金利の騰落率推移を見ると、昨年のグレートローテーションの巻き戻しが起きている状態です。
市場の不安心理を示すようにVIX指数指数は昨年10月以来の水準に跳ね上がり、
VIX指数:+30.3%
この流れを受けて、
NY金:+5.2%、NYプラチナ:+4.2%
なお、新興国通貨の対ドルレートでは、
南アフリカランド:+4.4%、トルコリラ:+4.7%、アルゼンチンペソ:+22.6%
と新興国通貨安は今年も進行中。
ただし、昨年、フラジャイル・ファイブと呼ばれた脆弱な新興国通貨のうち、インドルピー、ブラジルレアル、インドネシアルピアは自国通貨高圏で踏みとどまっています。
アルゼンチン・ショックの後遺症も懸念されるところではありますが、その影響度合いからすると、目先のリスク要因としては、むしろ中国の理財商品デフォルト懸念のほうが影響度合いが高そうです。
31日に満期を迎える中国工商銀行の理財商品に対して、同行会長が「損失補償しない」と述べたことに警戒感が高まります。スタンダード・アンド・プアーズが中国の格付けを引き下げるのではないか、との噂も流れているようです。
NY市場、金相場は0.16%の小幅続伸で年初来高値を更新。リスク回避の流れなか、セーフヘブンとしての地位と2ヶ月ぶりの高値水準を維持し、一時1,270ドル台まで上昇。しかし、終値では節目の1,260ドル台を明確に突破することが出来ず、レジスタンスラインに押さえられて高値圏での十字線を残す形でやや警戒感も。サポートライン1,230ドル台、1,260ドル台のレジスタンス突破なら1,290ドル近辺までの上値余地。
週間ベースでは+12.4ドル(+0.99%)となり、5週続伸。前回の5週続伸は2012年8月20日から9月21日。
プラチナ相場は2.36%の大幅反落。南アのプラチナ鉱山ストでは政府による協議仲介との報道もあり、早期の事態収拾の可能性も浮上したことなどもプラチナ相場の勢いを削いだ形。結局、上値目標1,480ドルへのトライは21日高値1,473ドルで力尽きた可能性。サポートラインの1,420ドル台まで急落したことで下方リスクが高まり、サポートライン割れなら1,400ドルの大台割れも視野に。
週間では-25.5ドル(-1.75%)と5週間ぶりの下落に。
ドル円は0.96%の大幅続落。リスク回避の流れが止まらず円買い継続、102円90銭台のサポートラインは機能せず、12月5日以来の円高水準となる102円台前半へ。102円ちょうど付近までで下げ止まった感もあるものの、下値目標水準は101円80銭辺り。もう一度円高方向へと振れる可能性も十分に残るところ。
週間では-2.10円(-2.01%)の反落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場1/24終値とチャート
2014年1月25日(土)時点の相場
国内金:4,360 円 1/24(金) ▲38(0.88%)
国内プラチナ:5,015 円 1/24(金) ▼43(0.85%)
NY金:1,264.3 ドル 1/24(金) ▲2.0(0.16%)
NYプラチナ:1,428.6 ドル 1/24(金) ▼34.6(2.36%)
ドル円:102.26 円 1/24(金) ▼1.00(0.96%)
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