更新日:2014年4月2日(水)
昨日は世界各国の製造業PMIが出揃い、製造業での好不調の構図が明確に表れ始めています。最近のリスク回避の発信源となっている中国とロシアの低調ぶりが鮮明となり、好調と見られるのは英国、ユーロ圏、インド、ブラジル。そのなかでも新興国のブラジルやインドは50をわずかに超えた水準での推移が続き、勢いは今ひとつ。英国とユーロ圏の堅調ぶりもこのところはやや伸び悩み。
やはり好調ぶりが注目されるのは米国。ISM製造業景況指数の3月分は、市場予想を下回ったものの2月からは上昇、1月の急落から確実に反発基調が見られ始め、冬場の不調は寒波が要因であったことを証明しつつあるような状況に。
予想を上回るような好結果でなく、程よい好調を示唆する程度の結果が、株式市場などには好感されたようです。
経済状況の好転スピードが速過ぎると、この先の米国の政策金利引き上げフェーズの前倒し観測が浮上することになり、緩和政策を好感する株式市場にはマイナス材料に。逆に経済指標が悪ければリスク回避的な流れになり易く、これももちろんマイナス材料に。程よい好調を維持し、いわゆるゴルディロックスの状態が継続することで、緩やかなリスクオン相場が続くことに。
この状況は、いずれは引き締め政策への転換、そして利上げへと進むことが織り込まれ始めている金市場にとっても、急激な下押し圧力を緩和することにつながるものと思われます。
ただし、ゴルディロックスは長続きしない、ものです。
NY市場、金相場は0.3%安の5日続落。続落記録は3月17-20日までの4日続落を超えて今年最長、昨年11月以来。当時も1,300ドル台から1,200ドル台後半へと下落。終値1,280ドルは2月10日以来の水準。オシレータ系指標RSI(14)は11.9まで低下、NY金の最近の傾向では滅多に超えない18を大きく割れており、反発必至の状態。下方向への警戒水準は1,250-60ドル辺り。
プラチナ相場は0.62%上昇し3日続伸。続伸・続落を繰り返すプラチナは、今年高値・3月5日高値の1,489ドルから3月27日安値1,394.3ドルまでの下落幅の38.2%戻しとなる1,430.5ドルにちょうど達した状態。反発基調が続くと50%ラインの1,441.7ドル、61.8%ライン1,452.8ドル付近が目安に。下方向へのサポートラインは1,390ドル台。
ドル円は4日続伸となる0.41%上昇。終値103円60銭台は1月22日以来の高値水準となり、103円30銭台の節目超え。週末の雇用統計を待たずして動き出し始めたドル円の当面の上値目標水準は105円近辺。今朝も既に104円台に向けての上値トライが進み始めている様子で、104円前後の節目を超えるとさらに加速しそうな勢いも。下方向への節目は102円。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/1終値とチャート
国内金価格は0.26%高で3日続伸。先週までの下落幅のちょうど半値戻しとなる4,571円に到達。上方向への次の節目は61.8%戻しの4,603円。円安の勢いが加速するとさらなる上昇の可能性も。しかし4,430-4,710円の広めのレンジで急騰・急落し易い地合いの様相も。
プラチナは1.2%上昇で3日続伸、連日の大幅上昇で既に年初来高値近辺となり、3月の急落分を3日間の急騰でほぼ取り戻した形。わずかなきっかけで年初来高値更新の可能性も高いが、3日前の水準に向けて急落するリスクも抱える不安定な状態。
※参考:金プラチナ国内価格4/2とチャート
2014年4月2日(水)時点の相場
国内金:4,571 円 4/2(水) ▲12(0.26%)
国内プラチナ:5,065 円 4/2(水) ▲60(1.20%)
NY金:1,280.0 ドル 4/1(火) ▼3.8(0.30%)
NYプラチナ:1,429.6 ドル 4/1(火) ▲8.8(0.62%)
ドル円:103.64 円 4/1(火) ▲0.42(0.41%)
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