更新日:2014年4月3日(木)
3月のADP雇用者数は市場予想の前月比19.5万人増をやや下回る19.1万人増にとどまったものの、13.9万人増から17.8万人増へと上方修正された2月分からも上昇し、着実に寒波の影響からも脱しつつあり、米労働市場の回復基調を示しました。1月分はわずかに下方修正されたものの、3月までのADPの平均増減数は16.3万人増。
これに対し、労働省による雇用統計での非農業部門雇用者数(NFP)は1-2月の平均で15.2万人増。今回、市場予想どおり20万人増となった場合の1-3月の平均は16.8万人増。もし、19万人増程度にとどまった場合の平均値は16.5万人増に。
過去2年間の年間平均を比較すると、2012年はADPの+16.3万人に対しNFPは+18.6万人、2013年はADP+19.0万人、NFP+19.4万人。ADPの数値をわずかにNFPが上回る状態が続きます。
今回の雇用統計の結果でNFPが市場予想に届かず、+19万人前後となった場合でも、それなりに妥当な数値と見ることもできそうです。
そんなゆっくりとした回復基調によるゴルディロックス感が市場への安心感となり、気がつけばNYダウは史上最高値更新目前となり、その影響で低迷が続いた日経平均も節目の15,000円を回復しつつあり、米10年債金利も1月後半以来の2.8%台まで上昇し、ドル円も年末の高値105円が視野に入る状況に。
NY金相場がこのまま下げ止まるかどうかは微妙な状況ではありますが、2月以降の騰落率推移を見ると、NYダウが牽引し、全てプラス圏での推移。
日米欧の10年債金利の推移でも、ドイツ債がやや出遅れているものの、やはり米10年債が牽引して上昇傾向となっています。
米経済のゆっくりとした回復基調による、緩やかなリスクオン相場によって、国内金価格がサポートされる状況が続いています。
NY市場、金相場は6日ぶりに0.84%の反発。短期的な売られ過ぎ状態からの買戻しが入ったことで、年初からの上昇値幅211.2ドルの50%戻しライン、1,287ドル付近でいったんは下げ止まった形。このまま買い戻しが続くような地合いでもなく、下押し圧力のほうがまだ優勢。61.8%ラインの1,262.1ドルから1,250ドル近辺が下値警戒ライン。
プラチナ相場は0.64%高で4日続伸。下落し続けた3月から4月に入って反転上昇が継続。下落値幅94.7ドルの半値戻しとなる1,441.7ドル付近に到達。下方バイアスも緩和され、61.8%戻しとなる1,452.8ドル付近が上方向への次の目安。下方向には38.2%ラインの1,430.5ドル付近が意識されやすい水準。
ドル円は0.23%の小幅上昇ながらも5日続伸。103円60銭から90銭近辺の狭いレンジでの推移が続き、NY時間終盤には10年債金利の上昇とともにレンジ上限まで上昇。103円30銭台の重要な節目を超えたことで上値余地は105円近辺まで拡大。目先、日足の一目均衡表・遅行線の雲の上限が104円に位置し、重要な分岐点に。この週末に急落さえなければ次週には上抜け達成で地合いは大幅好転へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/2終値とチャート
国内金価格は0.92%上昇し4日続伸。3月後半の下落幅274円の61.8%戻しとなる4,603円を超え、急落後の急上昇で流れはようやくニュートラル付近に戻した状況。3月末に9日移動平均線が21日移動平均線をデッドクロスした後、その差60円程度は縮小せず、値動きの急変に移動平均線が追随し切れない不安定な状況。
プラチナも0.69%上昇で4日続伸。3月7日の年初来高値5,087円から3月28日の4,791円まで296円下落し、その後4日間の急騰で再度年初来高値を更新、とこの1ヶ月弱で行って来いの状態。昨年9月4日以来の水準となり、中期的な上値抵抗線に達した状況。短期的には5,180円程度まで上値余地拡大。
※参考:金プラチナ国内価格4/3とチャート
2014年4月3日(木)時点の相場
国内金:4,613 円 4/3(木) ▲42(0.92%)
国内プラチナ:5,100 円 4/3(木) ▲35(0.69%)
NY金:1,290.8 ドル 4/2(水) ▲10.8(0.84%)
NYプラチナ:1,438.7 ドル 4/2(水) ▲9.1(0.64%)
ドル円:103.88 円 4/2(水) ▲0.23(0.23%)
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