更新日:2014年4月11日(金)
前日の大幅反発から一転、米株は大きく下げて大荒れ模様。NYダウは2日間の上昇分を帳消しにする1.62%の大幅下落、NASDAQに至っては2011年11月以来最大の下げ幅となる3.1%もの大幅下落となり、下落トレンド再開の様相。上昇時の影響度合いが低下気味なのに、なぜか下落時の影響は増幅して受ける日経平均は、今朝も前日比300円超の下落で年初来安値更新水準で14,000円の大台割れへ。
株に比べてボラティリティの低い為替市場、そのなかでも取引量が多いドル円は比較的変動率は低めとなってはいますが、確実に下落基調が進む様子。
昨日は米新規失業保険申請件数が30万件と大きく改善し、2007年5月12日迄の週(29.7万件)以来およそ7年ぶりの低水準となり、継続受給者数(3月29日迄の週)も277.6万人と、2008年1月19日迄の週(277万人)以来の数値へと回復したことで一時的には株価も上昇で反応したものの、上値は限定的でその後大幅反落へ。
前日のFOMC議事要旨から利上げ開始時期の後退観測や引き締めペース緩和への思惑が好感されたことに対し、労働市場の改善傾向が急速に進むのではないか、そうなると引き締め開始が前倒しへ?との連想という見方もないことはないでしょうけれど、という程度のこと。
ウクライナ東部国境線の緊張の高まり、ロシアからのウクライナへのガス供給削減警告、ムーディーズによるトルコの格付け見通し引き下げなどをきっかけとする新興国リスクの再燃、モメンタム銘柄の売り再開が下げ基調を牽引、さらにはHFTと呼ばれる超高速取引が米株市場に異変をもたらしているのでは、との疑惑でFBIも調査に乗り出すとの噂も。
VIX指数も若干上昇してはいますが、1月末の新興国懸念や3月半ばのウクライナ情勢不安の頃に比べると限定的。
さまざまな複合要因となっているものと思われますが、やや説得力に欠ける、説明不能の大荒れ状態。
そんな状況を背景に、金は買い優勢の流れがゆっくりと進行中。しかし、疑心暗鬼の買いではその勢いも限定的。
買われ過ぎではないので、株式市場が落ち着き始めたときの反落リスクも、今回は限定的かもしれません。
NY市場、金相場は1.12%の大幅反発で3月21日以来、3週間ぶりの高値圏へ。ハト派寄りのFOMC議事要旨を受けた引き締めペース緩和観測とドル売りに伴う上昇基調が継続。1,310ドル付近の節目から上方向へと大きく動き出したことで短期的な流れも好転。上方向には1,340ドルが軽めの抵抗線、下方向は1,280ドルがサポートライン。
プラチナ相場も1.47%の大幅反発。金に連れ高となり終値では3月18日以来の高値水準に到達。今朝にはやや水準を切り下げて1,450ドル割れでの推移。再度節目の1,450ドルをしっかりと超えることができれば上値余地は拡大。今年高値1,486.8ドルへのトライへ、さらには1,500ドルの大台超えで1,510ドル近辺を目指す可能性。サポートラインは1,420ドル台。
ドル円は0.46%の反落。円高圧力が高まりから着実に、ジリジリと下げる展開で101円台半ばまで下落。新規失業保険申請件数の好結果には102円手前までの急騰で反応したものの、既にこのラインは抵抗線へと転換済。株安の流れにも同調し、101円台前半へと反落。目先の下値目標水準は100円80銭近辺。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/10終値とチャート
国内金価格は0.2%の小幅反落。4,580円から4,620円までのレンジ内に戻ってきての小動きが継続。いったん上抜けた動きがダマシに終わり、再度レンジ内での保ち合いへと仕切り直しの様相も。上方向へは4,730円までの上昇の可能性、下方向には4,580円を割れると4,440円辺りまで下落余地拡大。
週間ベースでは+8円(+0.17%)となり、2週続伸。
プラチナもわずかに0.14%の小反落。上値目標5,180円付近を目指す流れも勢いは減速中。5,020円辺りの足場固めに失敗すると流れ逆転の可能性も。
週間では-67円(-1.31%)の反落。
※参考:金プラチナ国内価格4/11とチャート
2014年4月11日(金)時点の相場
国内金:4,596 円 4/11(金) ▼9(0.20%)
国内プラチナ:5,041 円 4/11(金) ▼7(0.14%)
NY金:1,320.5 ドル 4/10(木) ▲14.6(1.12%)
NYプラチナ:1,460.1 ドル 4/10(木) ▲21.2(1.47%)
ドル円:101.52 円 4/10(木) ▼0.47(0.46%)
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