更新日：2014年7月26日(土)
この週末は地政学リスクによるリスク回避の流れが優勢となり、欧米株安、債券高（金利低下）、リスク通貨売りドル買い円買い、そして金も買われる展開に。
ウクライナとロシアとの緊張感も高まり、ウクライナは、ロシア領土内からの砲撃を受けたとするのに対し、ロシアでは逆にウクライナ側から国境を超えてロシア領土内に着弾し負傷者も出ているとの報道もあり、非難合戦の様相。欧州委員会による対ロシア制裁強化の可能性も高まります。
一連のウクライナ情勢不安と追加制裁への懸念により、ロシア経済は圧迫され、資本流出の流れを食い止めようとロシア中銀は今年3回めの利上げを実施。政策金利を7.5％から8.0％へと引き上げました。
一方の欧州側でも、経済状況は良好のはずのドイツのIFO景況指数が3ヶ月連続低下。10日前に発表されたZEW景況感指数も7ヶ月連続低下となっていました。ドイツでは6,000社以上もの企業がウクライナでの事業に関与しているそうで、ウクライナ情勢が一向に落ち着かないことが景況感の悪化につながっている模様です。
また、ガザ侵攻を続けるイスラエルは、米ケリー国務長官の停戦提案を拒否し、逆にイスラエル国防相はガザ地上戦を大幅に拡大する可能性を軍に伝えた、との報道もあり、日本時間早朝には金相場は1,308ドル台まで急騰しています。
しかし、市場が完全に休みに入った日本時間の今朝、イスラエルがガザ軍事作戦を12時間停止し、ガザ地区側のハマスもこれに合意と伝えられています。
12時間の停戦後、事態がどう進展するのかは全く不透明ですが、この土日の間に2転3転することも考えられます。
ウクライナ情勢も含め、イスラエル・ガザの状況次第で週明けの市場は混乱も予想されます。
月曜朝の国内金価格とプラチナ価格は、大幅反発と一段安の可能性が混在することになります。
24日のNY金相場は4日ぶりに0.97％の大幅反発。NY時間以降、ウクライナ情勢やイスラエル・ガザ紛争を背景としたリスク回避の流れが強まったことで反発の流れを強め、1,300ドル台を回復。下値目標水準1,280ドル近辺に対して前日安値で1,287.5ドルまで下げたことによる達成感も反発を後押しした形。
週間ベースでは-6.1ドル（-0.47％）となり、2週続落。
プラチナ相場も4日ぶりの反発で0.33％高。金に連れ高の流れもやや限定的にとどまった形ながら、やはり下落メド1,470ドル近辺に完全に到達したことで下方向へのエネルギーをほぼ吐き出していたこと、年初から続く長めの上昇トレンドが下値を支え、反発し易い地合いにつながった様子。短期的には、ここから新たな流れを模索する展開へ。
週間では-11.3ドル（-0.76％）の続落。
ドル円はわずかに0.03％の小幅高も6日続伸。日経平均の引け際以降の急上昇に連れる形で欧州時間にかけては円安ドル高の流れを強め、101円90銭台まで上昇。しかし、200日移動平均線と90日移動平均線が重なる102円05銭、一目均衡表の雲の上・下限101円95銭などが集中する付近が抵抗線となり、7月7日以来3週間ぶりの102円台到達に失敗。米10年債利回りの反落にも上値を押さえられた格好。少なくとも102円台半ばまでの上昇余力は見込めそうな状況ながら、目先は102円ちょうど付近での攻防が焦点に。
週間ベースでは+0.47円（+0.47％）の続伸。
※参考：金プラチナ相場とドル円 NY市場7/25終値とチャート
2014年7月26日(土)時点の相場
国内金：4,526 円 7/25(金) ▼33(0.72％)
国内プラチナ：5,146 円 7/25(金) ▼16(0.31％)
NY金：1,303.3 ﾄﾞﾙ 7/25(金) ▲12.5(0.97％)
NYプラチナ：1,478.6 ﾄﾞﾙ 7/25(金) ▲4.9(0.33％)
ドル円：101.84 円 7/25(金) ▲0.04(0.03％)