更新日:2014年8月13日(水)
米労働省が発表した米6月の雇用動態調査(JOLTS:Job Openings and Labor Turnover Survey)によると、求人件数は467万1千件となり、2001年以来の高水準。市場予想の460万件を上回り、5月(修正分)の457万7千件からは9万4千件の増加。
「求人率」は3.3%となり、前月の3.2%から0.1ポイント上昇。入職率も3.5%で前月から0.1ポイント上昇、退職率は1.8%で変わらず、解雇率も前月(修正)分の1.2%から変わらず。
これらを含むイエレン・ダッシュボードの最新状況は以下のとおり。
※リセッション前の数値→最悪の数値→最新の数値+回復率
1)非農業部門雇用者数増減(+16.2万人→-82.6万人→+24.5万人※3カ月平均)回復率:108.4%
2)失業率(5%→10%→6.2%)回復率:76.0%
3)労働参加率(66.1%→62.8%→62.9%)回復率:3.0%
4)長期失業者の割合(19.1%→45.3%→32.9%)回復率:47.3%
5)広義の失業率(8.8%→17.2%→12.2%)回復率:59.5%
6)求人率(3%→1.6%→3.3%)回復率:121.4%
7)退職率(2.1%→1.3%→1.8%)回復率:62.5%
8)解雇率(1.4%→2.0%→1.2%)回復率:133.3%
9)入職率(3.8%→2.8%→3.5%)回復率:70.0%
※前月の状況→2014年7月版
回復率100%達成済みの指標が3つという状況は前月から変わらず。回復率100%未達で前月から改善した指標は労働参加率、入職率の2指標で0.1ポイントずつの小幅改善。
失業率、長期失業者の割合、広義の失業率はいずれも0.1ポイント後退。
イエレン議長が賃金圧力の先行指標と見る退職率が今年2月以降5ヶ月連続1.8%での横ばい状態が続き、相変わらず「雇用市場のたるみ」が続くことになります。
しかし、一方では、求人件数が大幅増となったことで求人1件あたりの求職者数は2.02人と低下。2008年4月以来、6年ぶりの低水準となったことを受けて、今後は賃金の伸びが加速する可能性があるとの見方もあります。要は、労働力不足で賃金を上げざるを得ない状況が発生しやすくなる、ということで日本でも同じようなことが言われ始めています。
「雇用市場のたるみ」について、FRB内部でも見解が分かれ始めることも予想されそうです。
12日のNY市場、金相場はわずか0.1ドルの小反発。ウクライナ情勢への警戒感が予想以上に足を引っ張ったドイツのZEW景況感指数の大幅悪化を受けて一瞬上昇した後はユーロ売りドル買いの流れに伴って反落。その後はユーロが今年安値圏1.3330台で反発した流れに連れて金も上昇。米6月雇用動態調査の好結果には反落、と上下に振れる展開ながらも値幅は限定的。高値は1,319ドル台、安値も1,306ドル台までと1,280-1,320ドルのレンジ内上半分での推移に終始。
プラチナ相場も0.6ドルの小幅反発。短期下落トレンドと中期上昇トレンドを維持する水準での小動きが続き、徐々に方向感喪失状態へ。レジスタンスライン1490ドル台、下方向1,440ドル近辺までの下落余地も継続。
ドル円は0.07%の小幅続伸。102円台前半での揉み合いが続き、102円30銭付近にある200日移動平均線にはわずかに追いつけない状態も継続。方向感が定まらない状況となり、上値は102円80銭、下値102円00銭台を節目とするレンジ相場を形成中。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/12終値とチャート
13日の国内金価格は0.13%の小幅続伸。4,600円の大台を超えてからはやや減速感もあるものの、価格ラインの下に9-21-90日移動平均線が昇順に並ぶパーフェクトオーダーが完成し、短期的な上昇トレンドの強さを示す状況。最大4,680円近辺までの上昇余力はあるはず、しかし時間が掛かり過ぎる場合にはその勢いが削がれる可能性も。
プラチナは0.14%の小反落。ゆるやかな短期下落トレンドが続くなか、上向きの90日移動平均線は5,106円まで上昇。時間の経過とともに下値目標水準5,100円への到達確率も徐々に低下していく様子。目先は5,130円辺りの水準を抜けるかどうかがポイントに。
※参考:金プラチナ国内価格8/13とチャート
2014年8月13日(水)時点の相場
国内金:4,611 円 8/13(水) ▲6(0.13%)
国内プラチナ:5,160 円 8/13(水) ▼7(0.14%)
NY金:1,310.6 ドル 8/12(火) ▲0.1(0.01%)
NYプラチナ:1,472.2 ドル 8/12(火) ▲0.6(0.04%)
ドル円:102.26 円 8/12(火) ▲0.07(0.07%)
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