更新日:2014年9月16日(火)
重要イベントを迎える9月第3週、週明けはこれまでの流れが一服となり、ドル高円安は小幅調整、金相場の下落基調もスローダウン、欧米株は高安まちまちの小動きに、金利も上昇一服。ここから週半ばにかけては警戒感が高まり、市場のボラティリティは低下状態が続き、週末には大きく動き出している可能性も出てきます。
最近意識されやすい、主なドル高支援材料と金相場のサポート材料は、
<ドル高支援材料>
・FOMCでの声明文変更でQEの終了後の「相当な期間」低金利継続の見直し、削除による利上げ前倒し観測台頭
・FOMCでのFF金利予想ドットチャートが示す利上げフェーズの動向見通しの前倒し
・ドル以外の主要通貨(ユーロ・円・豪ドル)の管轄中銀による通貨安誘導口先介入に伴う相対的なドル高地合い
・好調を維持する米国経済指標
<金相場のサポート材料>
・ウクライナの停戦合意破棄の可能性
・イスラム国をめぐる中東の地政学リスク
・スコットランド独立を問う住民投票での賛成派勝利の場合の市場混乱に伴うリスク回避の流れ
スコットランドの問題は、日本人には理解し難い面も多いものの、賢明な判断をするスコットランド人のほうが上回るのではないかと予想します。万が一の結果なら、市場の混乱は相当なものになる可能性を秘め、相場の流れも大きく変わることも。逆に予想どおりなら、終了と同時に消え去る材料。
ウクライナや中東情勢も、長引きそうな状況にはありますが、これまでも十分に混乱を引き起こしてきており、地政学リスクがこれまで以上に増大する可能性はそれほど高くはなさそうです。
一方のFOMCでは、もし今回は現状維持となった場合でも、利上げ前倒し観測が高まるのは時間の問題。その他の材料も当面、継続的に続きます。
短期的な波乱はあり得るとしても、少し長めのスパンで見れば、ドル高支援材料は当分続き、金相場のサポート材料は、やや弱い状況が続きそうです。
15日のNY市場、金相場は0.29%の小幅高となり6営業日ぶりの反発。売られ過ぎ状態からの買い戻しが優勢となり、インドの金輸入急増に伴う現物需要もサポート材料との見方も。しかし、米9月のニューヨーク連銀製造業景気指数が予想を大幅に上回る好結果となり、1,240ドル手前から1,230ドル台前半へと反落。その後、米8月の鉱工業生産悪化を受けて小反発。結果的に1,230ドル近辺で下げ止まったような形にはなっているものの、ドル高一服に伴う金売り一服という感も。FOMC動向、スコットランドの投票結果を見極めて、ドル高なら1,200ドル方向へ、ドル安、リスク回避なら反発方向で1,270ドル台が抵抗線。
プラチナ相場は.51%安で6営業日続落。金に同調する流れで1,370ドル台半ばから1,370ドル割れへと反落後、米8月の鉱工業生産悪化はプラチナにとってはマイナス材料となり、1,360ドル台前半へとさらに水準を切り下げる展開。それでも前週末安値1,356ドルを下回ることはなく1,360ドル台を維持、1,350ドル近辺での下げ止まりの可能性も。
ドル円は6日ぶりに0.18%の小幅調整。107円台を割れることなく、底堅さを維持。18日のFOMC声明文までは動きにくい状況が継続。ただし、事前予想としてネガティブ論、声明文変更先送り論調が高まるようなら、調整幅拡大の可能性も。そうなった場合の結果が予想どおりなら、それ以上の調整は限定的に。予想と逆に声明文変更なら大幅反発へとつながる可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/15終値とチャート
16日の国内金価格は0.48%の続落。4,570円のサポートラインを大きく下抜けて1カ月半ぶりに90日移動平均線もわずかに下抜け。下落基調が加速する可能性が高まり、当面の目標水準は4,500円前後。上方向への抵抗線は4,590円台。
プラチナはわずかに0.1%の続落。NYプラチナの下げ止まりの可能性と円安の調整傾向とで、下落スピードはそれほど加速しないものの、目先は下方向へのバイアスが優勢の状況。5,000円割れを試す可能性は継続。
※参考:金プラチナ国内価格9/16とチャート
2014年9月16日(火)時点の相場
国内金:4,549 円 9/16(火) ▼22(0.48%)
国内プラチナ:5,034 円 9/16(火) ▼5(0.10%)
NY金:1,235.1 ドル 9/15(月) ▲3.6(0.29%)
NYプラチナ:1,363.5 ドル 9/15(月) ▼7.0(0.51%)
ドル円:107.18 円 9/15(月) ▼0.19(0.18%)
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