更新日:2014年9月17日(水)
ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙のヒルゼンラス氏は、バーナンキ前FRB議長のスポークスマンと言われ、昨年5月のテーパリング(量的緩和縮小)示唆を事前警告し、12月のFOMC前には100億ドルのテーパリング開始決定を警告していました。米経済指標が一時的に悪化した今年1月のFOMC前にも100億ドルの追加縮小を示唆していました。FRBがマーケットの反応を見るため、事前に情報をリークするという噂が誠しやかにささやかれていました。
もしこれが事実で、イエレン議長にもその関係が受け継がれていると仮定するなら、今回もその内容どおり、声明文の「相当な期間(considerable time)」という表現が残されることになります。
たしか先週の12日にも、同様の内容が報じられていたと思いますが、市場の反応が限定的だったこともあり、FOMC直前になって注目度が高まった今回、あらためてリーク記事を流した、というところでしょうか。
とりあえず米株は好感し、NYダウはザラ場ベースでの史上最高値を更新し、ドルは主要通貨に対して一時的に売られる展開ながらも限定的。金の買い反応も限定的という状況は事前チェックとしては申し分のない状況のようにも思われます。
しかし、テーパリング開始確実と見られていた昨年9月のFOMCでは一転、予想外の見送り、という苦い過去もある9月のFOMC。安易な思い込みは禁物です。
16日のNY市場、金相場は0.13%の小幅続伸。ウクライナ停戦後の戦闘状態への警戒感や、ウクライナ議会による東部への自治権を認めつつ、EUとの連合協定批准などの強弱材料に加え、FOMCにらみでのドル軟調地合いなどを背景に1,230ドル台前半から1,240ドル前半までの狭いレンジ内で上下に振れる展開。NY時間には、NATO側の軍事演習に対するロシア国防相の「クリミア追加派兵も辞さず」発言や、WSJ紙の報道などに買い反応、しかしこれも限定的。1,230ドルラインでいったん下げ止まった状態ながら、ドル買いの流れが再加速した場合には、1,200ドル近辺を目ざす流れが始まる可能性も。ドル買いの流れに大きく調整が入るようなら、大幅反発も1,270ドル台が当面のレジスタンス。
プラチナ相場は0.28%の小幅高となり、7営業日ぶりの反発。これでいったん下げ止まり、とも言い切れない状態ながら、1,360ドル付近がサポートラインとして節目を形成する可能性が出てきた状況。この週末までは金に追随しながら上下に振り回される展開も。なお、下値警戒水準としては昨年12月安値1,318ドル辺りまで、1,300ドル台前半が意識されることに。
ドル円はわずかに0.05%安で続落。WSJの報道を受けて107円10銭台から106円80銭台まで急落もすぐさま買い戻し。107円台割れでのドル買い圧力の強さが鮮明に。明日早朝のFOMC声明文は現状維持の可能性が高まり、ドル売り円買い方向への調整が進むことになりそうだが、調整幅は限定的なものになりそう。逆に、万が一変更された場合、あるいは、声明文現状維持でもFF金利見通しに変化があり、利上げ時期の前倒し観測と受け止められた場合には、ドル買いの流れが再加速する可能性も。ドル高の流れが再加速した場合には、週末にかけて、スコットランド独立回避を前提に、最大109円辺りまで上値を伸ばす可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/16終値とチャート
17日の国内金価格は0.2%の小反発。90日移動平均線がサポートラインとなった形も流れは下方向へと傾きつつあり、下値目標水準4,500前後を目指す展開。レジスタンスライン4,590円台手前には低下傾向の9-21日移動平均線が位置し、上値を押さえられやすい状況。
プラチナはわずかに1円の上昇。5,030円台での横ばい傾向を強め、6月の安値圏でもある5,020-30円台でサポートされる状態が継続する可能性と、5月安値圏とも重なる4,990円台の下値目標水準までの下落との可能性が交錯。
※参考:金プラチナ国内価格9/17とチャート
2014年9月17日(水)時点の相場
国内金:4,558 円 9/17(水) ▲9(0.20%)
国内プラチナ:5,035 円 9/17(水) ▲1(0.02%)
NY金:1,236.7 ドル 9/16(火) ▲1.6(0.13%)
NYプラチナ:1,367.3 ドル 9/16(火) ▲3.8(0.28%)
ドル円:107.12 円 9/16(火) ▼0.06(0.05%)
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