更新日:2014年9月18日(木)
FOMC声明文での「相当な期間」低金利継続の表現は維持され、株式市場への思いやりを見せた様子でNYダウは史上最高値を更新。ただし、「相当な期間」は機械的に解釈できるものではなく経済状況次第、と次のステップへの準備も抜かりなく匂わせる姿勢も。
今回のFF金利予想では前回までの0.25%刻みから0.125%刻みの表示に変更され、あえて分かりにくく、ぼかした感もあるものの、あえて杓子定規に解釈し、機械的に計算してみると、2015年末の平均は1.27%、2016年末には2.68%、2017年末には3.54%。
なお、中央値としては2015年末に1.375%、2016年は2.875%、2017年は3.75%。全体的に、前回からは少し上向き状況。
2015年末に政策金利を1.25%まで引き上げると仮定した場合、ゆるやかな引き上げペースとする為には6月頃のFOMCで初回の利上げを行う必要が出てきそうです。
今後の雇用統計などの結果で、労働市場の改善傾向が進む限り、この時期への裏付けを強めることになり、その都度、市場の織り込み度合いは強まることになります。
来年半ば頃、というまだ少しぼやけた状態のゼロ金利解除の時期を織り込んで加速したドル高の流れは、経済指標の結果毎に上下動を繰り返しながらも、もうしばらく続きそうな状況、でしょうか。
17日のNY市場、金相場は終値ベースでは0.06%の小反落。しかし、引け後のFOMCを経て1月8日以来の安値水準となる1,220ドル近辺へと値を下げており、実質1.3%程度の大幅下落。米国の政策金利先高感が強まったことで下げ圧力が拡大。ドル円との完全逆相関の関係にある現状では、ドル高円安再加速に伴う下落は避けられない状況。上方向への節目1,240ドルを超えない限り、当面の下値メドとして1,200ドル前後。
プラチナ相場は終値で0.37%の反落。実質ベースでは1.3%程度の大幅反落で1,350ドル近辺へ。イベントがなければ1,360ドル付近で下げ止まっていた可能性はかなり高かったものと思われるものの、そういうタイミングだからこそ重要イベントにぶつかるケースは多々あること。さらに現状では、金との相関関係が異常に高まり、足元では完全連動の動きとなっていることも下げ止まらない理由の一つに。下値警戒水準は昨年12月安値1,318ドル近辺。
ドル円は1.16%の大幅反発。リーマンショック前、2008年9月2日以来の高値水準へ。90日移動平均からの上方乖離率は昨年末以来となる5%を大きく超え、昨年5月末以来の水準となる+5.48%へと急拡大。かなりの買われ過ぎ水準。昨年5月末ピーク時には+8.39%まで拡大し、5%超の日は5月3日から28日までのほぼ1ヶ月間継続。この間、レートは99円ちょうどから103.21円まで上昇して反落、月末に5%を割れると10日後にはマイナス圏へ、6月14日には-3%、94.19円まで急落。
現在の勢いも、もう少し続く可能性あり。しかし、その後の急反落には要警戒。目先の上値目標水準として109円台半ば、サポートラインは107円。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/17終値とチャート
18日の国内金価格は0.09%の小幅続伸。NY金の下落幅を円安がカバーし、4,550円台の90日移動平均線にサポートされる状況が続き、当面のレンジ底値となる可能性も。しかし現状ではまだ下方向、4,500円前後の目標水準を目指す可能性も継続。上方向には4,590円台の節目と4,570円台に下落してきた9日移動平均線が抵抗線に。
プラチナもわずかに0.04%の小幅続伸。6月安値圏5,020-30円台近辺で踏みとどまる状況がもうしばらく続くようなら新たなレンジ下限を形成する可能性。5月安値圏4,990円台辺りまでの下落余地を抱える状態も継続。
※参考:金プラチナ国内価格9/18とチャート
2014年9月18日(木)時点の相場
国内金:4,562 円 9/18(木) ▲4(0.09%)
国内プラチナ:5,037 円 9/18(木) ▲2(0.04%)
NY金:1,235.9 ドル 9/17(水) ▼0.8(0.06%)
NYプラチナ:1,362.2 ドル 9/17(水) ▼5.1(0.37%)
ドル円:108.37 円 9/17(水) ▲1.25(1.16%)
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