更新日:2014年9月27日(土)
米4-6月期GDP確報値が事前予想どおりとはいえ4.2%から4.6%へと上方修正され、2011年10-12月期以来の高成長となったことを受け、ドル高の流れが再び加速し始めると同時に金相場は軟調推移へ。米株も反発し、昨日時点で見られた株高ドル高の調整、金の下げ止まりから反発への可能性を打ち消すような流れとなった26日のNY市場。
金相場は年初来安値こそ更新したものの、この1週間ほどは1,220ドル近辺での横ばい推移が続き、鍋底状態を形成中。チャートだけを見れば底値からの反発の可能性すら感じさせる状況となっています。
しかし、タイミングがあまりよろしくありません。ウクライナ情勢は小康状態となり、イスラム国をめぐる中東情勢は火種を抱えつつも長期戦の構えで市場は織り込み済の状況、そして米経済の好調を示す指標が続くなかで重要イベントウィークを迎えることになります。
各国の製造業PMIや米ISM製造業景況指数では欧州圏その他各国の低調ぶりが米国の好調ぶりを際立たせる可能性もあり、ECB理事会も欧州と米国との金融政策の方向性の違いをあらためて認識させるイベントとなり、米雇用関連指標もそれなりの好結果が予想されるところです。雇用統計の調査対象週、9月13日までの週の新規失業保険申請件数は28.1万人とここ最近の最低水準で雇用市場の安定的な改善傾向を示しています。ADP、雇用統計ともにやや低調だった前回の反動も考えられ、さらに前回分の上方修正の可能性も高まります。
ゼロ金利が継続される利上げまでの相当な期間、という時間軸の意味は薄れ、経済指標次第というイエレン議長の発言からも、よりいっそう今回の雇用統計などへの注目度とその結果への反応が強まることも予想されます。
結果次第で鍋底状態からの反発の可能性も残す金相場にとって、試練の1週間を迎えることになりそうです。底割れとなった場合の下値警戒水準は、1,200ドルの大台ライン、昨年2度つけた安値水準1,180ドル、ここまでの水準で収束しない場合には2010年7月末以来4年ぶりとなる1,160ドル近辺が意識されることになります。
26日のNY金相場は0.53%の反落。欧州時間帯、日本時間夕刻に3日ぶりの1,230ドル台まで反発した後、NY時間には好調な米GDPなどを背景に下押し。レジスタンスラインを1,220ドル台に切り下げ、1,200ドル前後までの下落余地を抱える状況も変わらず。
週間ベースではわずかに-1.2ドル(-0.1%)の小幅安も4週続落。
プラチナ相場は0.93%の大幅安で3日続落。終値1,302ドルは昨年安値6月26日の1,303.7ドルを一気に下抜け、2009年10月5日以来、ほぼ5年ぶりの安値水準。ただし安値ベースでは昨年最安値、6月28日の1,295.4ドルをまだ下回ってはおらず、6月末、12月、今回と合わせたトリプルボトム状態の底値形成状態をかろうじて維持し、1,300ドルの大台ライン近辺での攻防が継続中。
金の底割れに追随する流れとなった場合、ここから下の警戒水準としては、2009年9月末から10月初旬の1,280ドル近辺、2009年9月初旬の1,230ドル辺りと5年ぶりの水準がクローズアップされることになります。
週間ベースでは-35.3ドル(-2.64%)、3週連続での2%超の大幅下落を含む4週続落。
ドル円は0.5%の反発。前日からの小幅調整局面は108円40銭台までにとどまり、あっさりと反発に転じると1週間前の高値109円45銭も突破、一時109円50銭台まで上昇し、年初来高値を更新。109円近辺での小幅レンジを上抜けたことで、再びドル高円安方向へのトライが進みやすい状況へ。当面の上値目標水準は110円70銭近辺、直近のサポートライン108円70銭を割れた場合には107円台後半へと調整が進む可能性。
週間ベースでは+0.3円(+0.27%)の小幅高となり、7週続伸。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/26終値とチャート
2014年9月27日(土)時点の相場
国内金:4,571 円 9/26(金) ▲3(0.07%)
国内プラチナ:4,914 円 9/26(金) ▼26(0.53%)
NY金:1,215.4 ドル 9/26(金) ▼6.5(0.53%)
NYプラチナ:1,302.0 ドル 9/26(金) ▼12.2(0.93%)
ドル円:109.28 円 9/26(金) ▲0.54(0.50%)
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